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ひさしぶりのブックオフ

ブックオフにひさしぶりに出かける。

「立ち読み禁止」だそうである。新型コロナに感染する可能性が「立ち読み」にあるらしい。

そのように店内アナウンスされているが、立ち読みしている人はけっこういる。その近くに店員がいても、かくべつ注意するでもない。

以前なら「いらっしゃいませ、こんにちは」とバカの一つ覚えのように、定型句を発声していたが、それも、ない。発声=コロナをまき散らすと考えてのことだろう。

会計に向かうと、レジ袋を購入するかどうか尋ねられた。ちゃんと世の中の動きに合わせて稼動、営業している様子がわかる。


本日、購入した本は、ヘンな本ばかりだ。ヘンなというのは、当該記事を読む皆さんが、そう思われるであろうと思って、そう書くだけであって、実のところ、当方はちっともヘンに思ってはいない。本当にヘンに思っていたら、そもそも買ったりしない。

でも、題名を書いただけで、きっと顰蹙を買うかもしれないなと思う。

比較的マトモな方からいくと『現代文・小論文対応 読解キーワード』、藤平光一著「『気』の威力」、山平重樹著「仕事でつかえる ヤクザ親分の名言」。

しめて330円。

マトモな本からはマトモな考えしか出てこないが、ヘンな本は新鮮な見方を教えてくれる。

いろいろ多様な考えに触れるのはイイことだと思っている。ただし、ヘンな影響を受けないだけの芯があればこそと思う。自分には、そうした芯があると思っているのだが、さてどうだろう。

最近、「チップス先生さようなら」を引用する記事を書いた。チップスの魅力のひとつは、マトモな考えに捉われないところだ。たとえば、同僚のドイツ語教師が帰国してドイツ軍に従軍して戦死する。その報を伝え聞いた校長チップスは、イギリス軍人として戦死した生徒とともに、その元教師の名を挙げて追悼する。戦時下のマトモな考えからいけばヘンな対応である。どこまでいっても、元教師は敵でしかない。しかし、そのようなマトモな考えにチップスは束縛されないで言動する。
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2020-07-24

チップス先生、さようなら(新潮文庫)

チップス先生、さようなら(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: Kindle版


「チップス先生さようなら」で、彼は、主義主張や国籍に捉われない人物として描かれている。要するに、真の自由人と言っていいだろう。偏狭な考えに束縛されないのだ。





「氣」の威力 (講談社+α文庫)

「氣」の威力 (講談社+α文庫)

  • 作者: 藤平 光一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/10/14
  • メディア: 文庫



仕事で使えるヤクザ親分の名言 (徳間書店)

仕事で使えるヤクザ親分の名言 (徳間書店)

  • 作者: 山平重樹
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 文庫



ブログを書くということ

昨日、日記について書いたが、ブログも同じようなものだ。

毎日更新するのは、アタマの体操のようなものだと心得て、取り組んでいこうと思っている。

茂木健一郎先生も、自分のブログをもっているが、たいへん素直に書いている。立派なことを書こうとか、考えていないようだ。

今でもつづいているのだろうか、『サンデー毎日』連載の氏の(つまり茂木さんの)記事を楽しみにしていた。そこで氏は、たいへん格調高い文章を書いていた。「文明の星時間」と題された連載だ。

それと氏の公式ブログとではまったく違う。肩の力を抜いて書いている。

ほんとうに日々起こったこと、出会った人、気づいたことをチョンチョンと書いている印象だ。


脳科学者のひとりごと 時々書生
茂木健一郎 オフィシャルブログ
https://lineblog.me/mogikenichiro/


偉人たちの脳 文明の星時間

偉人たちの脳 文明の星時間

  • 作者: 茂木 健一郎
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2009/03/05
  • メディア: 単行本



日記を書くということ

小学校の高学年のとき、日記を書くことが学年全員に求められたことがあった。学年全員といっても28人一クラスだけの小さな学校だったが、日記を書くのは、なかなかたいへんだった。

書くだけでなく、先生に提出しなければならない。それに先生が感想を赤ペンで書いて返してくれるのだ。

その話を親に伝えたら、勉強のためならということであったのだろう、街のちいさな本屋に行って立派な装丁のものを買ってくれた。あとで、他の生徒の提出しているのを見たら、市販の「日記帳」どころかフツウのノートに子どもの字で「日記」と大書してあるのを見て拍子抜けした覚えがある。

それでたいへん目立つことになってしまったが、書いた内容はさびしいかぎりだった。その点では、みな似たりよったりだったが、自分の「日記帳」(なにか、立派な表題が付いていたが亡失)にはページごとに日付が振ってあったので、毎日毎日おおきな余白ができたのである。

1ページにたった1行、「きょうはなんにも書くことがありません。」とだけ書くという始末だ。

それに、先生が

「書くことがないということはないでしょう。」

と、書いてくる。

いまでも覚えているのは、当時「リーダーズダイジェスト社」という出版社があり、そこで発行した『大自然―-その驚異と神秘』という本を読んだ感想を書いたことがある。

生態系という言葉を、そこで初めて知ったように覚えている。

「リーダーズダイジェスト」の定期購読をしている関係で、送られてくるダイレクトメールを見て、親が買ってくれたのだと思う。今でいうならナショナルジオグラフィック社の出版物のようなものだ。当時、そうした出版物はあまり無かったように思う。カラー写真がふんだんに使われ、分かりやすい解説が付されているのを読んでワクワクした気持ちになったことを書いたのだろう。

書いたことは確かに覚えているのだが、しかし、書いた内容はまったく忘れてしまった。



大自然―-その驚異と神秘- (1970年)

大自然―-その驚異と神秘- (1970年)

  • 出版社/メーカー: 日本リーダーズダイジェスト社
  • 発売日: 2020/07/29
  • メディア: -



Reader's Digest (US) [US] June 2020 (単号)

Reader's Digest (US) [US] June 2020 (単号)

  • 出版社/メーカー: The Reader'S Digest Association
  • 発売日: 2020/06/10
  • メディア: 雑誌



ナショナル ジオグラフィック日本版【定期購読1年(12冊)】

ナショナル ジオグラフィック日本版【定期購読1年(12冊)】

  • 作者: ナショナル ジオグラフィック
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2020/07/29
  • メディア: 雑誌



世界の死者65万人超 新型コロナ、2カ月で倍増 [ニュース・社会]

世界の死者65万人超 新型コロナ、2カ月で倍増
https://news.yahoo.co.jp/articles/b61a4c7dfbba894acb0e6fe4756f4e7b7f7b14ec

ということは、

9月末に、130万人超

11月末に、260万人超

来年1月末に、520万人超

3月末に、1040万人超

5月末に、2080万人超

来年の今頃、4160万人超

来年9月末、8320万人超

11月末、1億6640万人超

となっても、おかしくないということだ。

以下の本からは、

120年、いや600年前から、疫病との戦いにおいて、基本的な戦法は変わっていない・・

ということを知ることができる。





アメリカと中国には、困ったものだ [政治・雑感なぞ]

お互いに領事館を閉鎖させている。テキサス州ヒューストンの中国領事館を閉鎖させたことについては、スパイ活動が明るみなったことがあるようだ。それに対して、中国側も動いて、四川省成都の米国総領事館の閉鎖を要求したという。そして、実際に閉鎖となったようだ。

閉鎖命令の中国総領事館、職員が研究者に情報収集指示?
https://www.asahi.com/articles/ASN7T4WK0N7TUHBI003.html

そもそも、紛争が起きた時に、話し合いの場がもてないようでは困るから、大使館や領事館が相互に置かれていると思うのだけれど、問題が起きたからといって、閉鎖するというのは、お互いに話し合いの機会を奪うことになる。本来の主旨に反する動きと言っていいのではないだろうか。


と、思って調べると、大使館ではなく領事館レベルの閉鎖ということは、要するに「面白くないね」と相手に意思表示したということになりそうだ。

『トムとジェリー』のように「仲よく♪ ケンカしな♪」というところか?

領事館
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%98%E4%BA%8B%E9%A4%A8
大使館
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BD%BF%E9%A4%A8


以下の記事を見ると、そう安易に軽く考えていてはいけないのカモ・・

奥が深い在ヒューストン中国領事館閉鎖命令(7/23)
https://blogos.com/article/473311/

領事館閉鎖は序の口、バイデン政権が狙う中国潰し
大統領選対策のトランプ芝居とは異なる強硬な対中政策へ(7/27)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61451


トムとジェリー どどーんと32話 てんこもりパック Vol.1 [DVD]

トムとジェリー どどーんと32話 てんこもりパック Vol.1 [DVD]

  • アーティスト: トムとジェリー
  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: DVD



ダスティン・ホフマン主演『卒業』のこと [音楽・ミュージック]

今、「サウンド・オブ・サイレンス」が流れている。

サイモンとガーファンクルの曲だ。いい爺さんになった二人が歌っている。
https://www.youtube.com/watch?v=7aZ-8fENf9g

はじめて聞いたのは、映画館においてだ。

叔父が、映画に連れて行ってくれた。スティーブ・マックイーン主演の「栄光のルマン」とダイスティン・ホフマン主演の「卒業」が同時上映されていた。叔父は、「栄光のルマン」を見せたかったようだ。しかし、自分は、「卒業」のほうに心ひかれた。中学生の時だ。

人間は、ひとりひとり違う。席をおなじくしても違うものに興味をもっていたりする。いわゆる「同床異夢」というやつですな。


卒業 [DVD]

卒業 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2018/06/29
  • メディア: DVD



この「卒業」がダスティン・ホフマンの出世作となった。アメリカ東部の有名大学を卒業したものの、どのように生きていっていいか迷いのうちにある青年をホフマンが演じた。そのような人生の空白状態はロクなことにならない。ロビンソン夫人の誘惑にのってしまう。

映画のなかで「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボローフェア」「4月になれば彼女は」「ミセスロビンソン」などの曲が流れた。たぶん、映画そのものより、サイモンとガーファンクルの曲に出会ったことのほうが、当方にとって大きい意味をもったように思う。

中学時代、熱心に聞いたのは彼らの曲だ。ほとんど記憶している。いっしょに歌うことができる。英語の勉強にもなった。「スカボローフェア」でリフレインされる「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」の個々の単語を辞書で調べて、「なんだこれは?」と思ったのを覚えている。みんなハーブの名前である。歌の語調を整えるために加えられた詩句なのではなかろうか。

ちなみに、主人公を誘惑するロビンソン夫人を演じたのはアン・バンクロフト。『奇跡の人』で、ヘレン・ケラーの先生サリバン役の舞台初演を果たし、映画でも演じてアカデミー主演女優賞を得ている。要するに、巾の広い演技のできる人であるということだ。
https://www.youtube.com/watch?v=UXCpr6fmSFg

そして、「卒業」での演技も評価されて、「ゴールデングローブ賞 主演女優賞 」を得ている。しかし、オモシロイことに、「ミュージカル・コメディ部門」での 受賞ということだ。

「卒業」はサイモンとガーファンクルの比較的「沈鬱」な曲で彩られているし、青年の前途をめぐる悩み多い時期を描いている。だから、映画を見た当時はそのように思わなかったが、結婚式で花嫁を略奪するストーリーは、やはりコメディになるのだろう。

青年期というのは「前途洋々」と「前途茫洋」が背中合わせのたいへんな時期だ。時に「疾風怒濤」の航海を強いられる。本人にとっては、沈没するかどうかの瀬戸際に思える。だが、周囲から見れば(あるいは、ずっと年がいって顧みれば)コメディーそのものにちがいない。

The Sound of Silence【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=Abwsfg4SzFw
スカボローフェア【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=S_JP7uKujOc
四月になれば彼女は【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=Crl4WbWyBaw
Mrs Robinson【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=7ZLxeNZmHb0


栄光のル・マン [DVD]

栄光のル・マン [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2010/03/26
  • メディア: DVD



奇跡の人 [DVD]

奇跡の人 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: DVD



「わが祖国」スメタナの曲から [音楽・ミュージック]

きょうは「ユーチューブ」で、スメタナの「わが祖国」全曲を聴いた。有名な「モルダウ」がその一部となっている楽曲だ。

Rafael Kubelík & Česká filharmonie - Opening Concert of 1990 Prague Spring Festival
https://www.youtube.com/watch?v=76R0N2GN6Jo

指揮者はラファエル・クーベリック。ウィキペディアから引用すると「1989年にチェコで民主化革命が起きたのを契機に、ハヴェル大統領の強い要請で亡命先のイギリスから帰国し翌1990年の「プラハの春」音楽祭でチェコ・フィルを指揮し、スメタナの『我が祖国』の歴史的演奏を行い復活」した時のものだ。

民主化革命後の国民の高揚感が、亡命先から祖国に戻ったクーベリックの感激とともに熱くつたわってくる歴史的名演だ。クーベリックは「わが祖国」の録音を複数残しているが、これに勝る演奏はないと当方は思う。 第1曲:ヴィシェフラド:高い城、第2曲:ヴルタヴァ:モルダウ、第3曲:シャールカ、第4曲:ボヘミアの森と草原から、第5曲:ターボル、第6曲:ブラニーク とつづくが、「ターボル」「ブラニーク」の緊張感、高揚感、熱気はすさまじい。

第5曲:ターボル、第6曲:ブラニーク には、フス教徒が関係している。フスとは「ボヘミアにおける宗教改革の先駆者ヤン・フス(1369年 - 1415年)」のことだ。彼は「イングランドのジョン・ウィクリフに影響を受け、堕落した教会を烈しく非難して破門され、コンスタンツ公会議の決定で焚刑に処せられた」人物で、フス教徒とは、その教理を信奉する者たち」のことだ。

ヤン・フス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%B9

フス「の死後、その教理を信奉する者たちが団結し、フス戦争を起こす。この戦いは18年にも及ぶものであったが、結果としてフス運動は失敗に終わる。しかし、これをきっかけにチェコ人は民族として連帯を一層深めることなった。フス派の讃美歌の中で最も知られている『汝ら神の戦士(チェコ語版)』が全篇を通じて現れ、これは『ブラニーク』でも引き続き用いられる」。

「ブラニークは中央ボヘミア州にある山で、ここにはフス派の戦士たちが眠っており、また讃美歌に歌われる聖ヴァーツラフの率いる戦士が眠るという伝説もある。伝説によれば、この戦士たちは国家が危機に直面した時、それを助けるために復活する(しばしば、全方位からの4つの敵国軍の攻撃に対してとも述べられる)」。

・・と、考えると、「わが祖国」は、チェコ国民連帯の音楽といえそうだ。「毎年行われるプラハの春音楽祭のオープニング曲として演奏されることが恒例になっている」のは、その表れと言っていいのだろう。

第二次大戦後、共産圏に入ったチェコが危機に陥ったことがある。ソ連が侵攻してきた時だ。ウィキペディアには次のようにある。「第二次大戦後(プラハ)は、社会主義国チェコスロヴァキアの首都となった。1968年にはプラハの春と呼ばれる改革運動が起こるが、ワルシャワ条約機構軍の侵攻を受け、改革派は弾圧された」とある。

その時プラハ市民は、武器を取るのではなく、ソ連軍の戦車の乗員を説得にかかる。しかし、結局、血がながされることになり、民主化は封じ込められる。

そのことを当方は、加藤周一の「言葉と戦車」を取り扱ったNHK特集番組で知った。戦車の乗員が説得を受けて泣いている場面もあったと思う。そのようにして立ち向かう意志と連帯を、彼らは自分たちの父祖:フスから得ていたのかもしれない。しかし結局、民主化運動は潰える。
https://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2008/1214.html

それから、30年を経て、「ビロード革命」で民主化に成功した人々が高揚感に包まれないわけがない。

ちなみに、ドボルザークの作品にも「フス教徒」がある。そこでも「わが祖国」と同じメロディーが登場する。チェコ国民にとって、ヤン・フスとフス教徒は忘れられない、忘れてはならない存在なのだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=atJ1AH0s0J8

古賀茂明氏の提示したガンジーの言葉から 
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2015-04-01

プラハ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8F

わが祖国 (スメタナ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8F%E3%81%8C%E7%A5%96%E5%9B%BD_(%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%8A)

スメタナ:わが祖国

スメタナ:わが祖国

  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2010/08/18
  • メディア: CD



ドヴォルザーク:交響曲 第1番、序曲《フス教徒》

ドヴォルザーク:交響曲 第1番、序曲《フス教徒》

  • アーティスト: オトマール・スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2016/11/02
  • メディア: CD



言葉と戦車を見すえて (ちくま学芸文庫)

言葉と戦車を見すえて (ちくま学芸文庫)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/08/10
  • メディア: 文庫



スポーツと戦争(1939製作「チップス先生さようなら」から) [ドラマ]

きのうは「海の日」で、きょうは何だ?とカレンダーを見ると「スポーツの日」だという。

「スポーツの日って、体育の日があるだろうが?」と思ったら、10月10日の体育の日が、スポーツの日に名称を変えて、日付も変更したという。そもそも記念日は特定の日を思い起こすために取り決められるものであろう。それを恣意的に変更するというのはヘンなものだ。結婚記念日が、10月10日の夫婦が、記念日を7月24日に変更することは、まずない。・・

いちいち文句を言ってもしようがないのでよすが、スポーツについてちょっと御託を並べてみる。暇つぶしにお付き合いいただければ嬉しい。

「チップス先生さようなら」という映画がある。1939年に製作かつ公開されたイギリス・アメリカ合作の映画だ。そのなかで、クリケットの対校試合が行われる。その勝敗に関して激しい感情の動く様子が描かれる。それを見ながら、浮かんだ思いは、スポーツはプチ戦争、あるいは、戦争訓練・予行演習なのだな・・というものだ。

たぶん、そのように思ったのは、映画の設定されている時代背景が戦争の時代であることからくるように思う。

チップス先生の勤めるパブリックスクールの生徒たちが出征する。そして、愛する生徒が戦死する。それを追悼する場面がある。校長が弔辞を述べる。重厚な講堂の壁には亡くなった生徒・OBの名前を刻む特設プレートが設置されている。そうした映像が流れる。

映画そのものは、戦争の悲惨さを伝えるものだと評価する方もいる。たしかに、一見そのように見えもする。上に述べたように、愛する生徒が死ぬのだ。そして、その妻となった人の悲しみとその遺児のことが描かれる。しかし、当方は、映画の製作年代を考えると、別の意味があったのではないかと感じるのだ。どこかで、そのような主旨のことが書かれていたのを読んだように思い、ネット上を探したが見出すことはできなかったのだが・・・

特設プレートに刻まれた戦死者の名前は「名誉の戦死」というものがある、ということを暗に示しているように感じる。チップスとある新入生の卒業生をめぐってやり取りする場面からも、その思いは増し加わる。その学校のOBには、16世紀に活躍したキャプテン・ドレイクがいるのだ。私掠船船長、かんたんに言うなら海賊の親分だ。とはいえ、それはイギリスの国益に貢献した。その名前は、学校の石造りの壁にしっかり刻みこまれている。永遠と思われるかのようにである。(フランシス・ドレイクのウィキペディアの項を見ると、パブリックスクールを出たようには記されていないので、あくまでもお話として創作されたものだろう・・)

そして、ながらく同じ学校に勤め、引退してからもそこに住み、高齢となったチップス先生の臨終の場面がラストシーンとなっている。感動的な場面だ。そこでは、戦死した愛する生徒の遺児(のその遺児?)が登場する。「生命は、(戦争で)切り断たれるかもしれないが、たとえ、そうであったとしても、あなたの生命は、あなたの遺児を通して生き続ける」と主張しているかのように、である。たとえ子供がいないまま亡くなるとしても、(チップス先生がそうであるように)「あなたを愛する者たちの思い出のなかで、あなたは生き続けるので安心せよ」と諭しているようでもある。

映画の製作された1939年といえば、第二次世界大戦の勃発した年である。年表的には、4月27日 - イギリスで徴兵制導入 4月28日 - ドイツがドイツ・ポーランド不可侵条約破棄を宣言 と、ある。「チップス先生さようなら」が封切られたのは、イギリス 5月15日、アメリカ合衆国 6月8日になっている。その半年もしない9月「1日 - ナチス・ドイツとスロバキアのポーランド侵攻。アドルフ・ヒトラーがT4作戦を発令」とウィキペディアにはある。

映画制作時の時代背景を考えつつ見たせいもあるが、そのように思ったという話である。


チップス先生さようなら (1939年の映画)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B9%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%95%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%89_(1939%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)

チップス先生さようなら [DVD]

チップス先生さようなら [DVD]

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • 発売日: 2011/02/17
  • メディア: DVD



チップス先生、さようなら(新潮文庫)

チップス先生、さようなら(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: Kindle版



海の日に

郷里の浜辺に久しぶりに立った。海がちいさく見えた。

ハイエルダールが葦舟ラー号で航海したとき、毎日のようにタンカーが捨てた油の塊に出会った。出会わない日はなかった。


葦舟ラー号航海記

葦舟ラー号航海記

  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2020/07/23
  • メディア: 単行本



1969年の話だ。それから、50年も経つ。いま、世界の海は人間の汚濁を呑み込んだどぶ池のようといっていいかもしれない。

昼頃、NHKのラジオで、マイケル・ジャクソンの歌を流していた。

Michael Jackson - Earth Song (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=XAi3VTSdTxU

世界の海は、ジョーダンじゃない状態になっている。


(Video Version) EARTH SONG (SWG Extended Mix) - MICHAEL JACKSON (HIStory)
https://www.youtube.com/watch?v=R-qZqU3g0do

マイケル・ジャクソン THIS IS IT コレクターズ・エディション (1枚組) [DVD]

マイケル・ジャクソン THIS IS IT コレクターズ・エディション (1枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2010/01/27
  • メディア: DVD



『ノストラダムスの大予言』と 聖書(五島勉氏死去の報に接して) [スピリチュアルな話題]

報道によると『ノストラダムスの大予言』の著者:五島勉氏が90歳で亡くなったという。

ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日 (ノン・ブック)

ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日 (ノン・ブック)

  • 作者: 五島勉
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2014/09/05
  • メディア: Kindle版


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%A4%A7%E4%BA%88%E8%A8%80

1970年代、たいへんなベストセラーになったはずだが、当方は読んでいない。

ネット上の五島氏の追悼記事をいくつか読んでみた。

そもそも予言に興味をもつきっかけは「聖書」だという。五島氏は次のように語っている。

***以下、引用***

―― 当初は、広く「予言」をテーマにした本を考えられていたんですよね。そもそもどうして予言に興味を持ったんですか?

五島 それは、自分がクリスチャンの家に生まれて、母親からいろいろと聞かされてましたから。私の家のキリスト教は、ローマカトリックじゃなくてロシア正教です。ニコライ堂を建てたニコライ大主教が、明治時代、函館に上陸して布教を始めたとき、最初の信者の一人が私のおばあさんなんです。おばあさんは早くに死んじゃいましたけど、母に受け継がれた話の中に、黙示録や予言の話がありました。

―― それはどんなお話だったんでしょうか?

五島 海の向こうから怪物がゴーッと出てきて、人間をみんな飲み込んじゃうというような話でした。私が聞いたのは小学1年生くらいです。怪物そのものがいるとは思わなかったんですが、その怪物は何だといったら、これからのアメリカのことだと。

―― まだ戦争が始まる前ですよね。

五島 始まってないですね。今考えれば、それは黙示録の一部ですよ。でも、そんな話を聞かされていたから、ずっと後になってキリスト教の予言とかにもビビッとくるんです。

***引用ここまで***
【追悼】伝説のベストセラー作家・五島勉の告白「私がノストラダムスを書いた理由」
https://bunshun.jp/articles/-/39135?utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=relatedLink


たしかに、聖書には予言が記されている。いわゆる「旧約聖書」は、紀元前(ビフォー・キリスト=キリスト誕生以前)に記された書物の集成だが、そこには後に登場するであろう救世主(つまりキリスト)に関する予言が数多く記されている。

たとえば、キリスト誕生後(つまり紀元後)に記された(いわゆる「新約聖書」中の)マタイの福音書には、旧約聖書中に記された予言が、イエスという名の人物に関連して、そのとおりに起きたことが “実際に予言を引用しながら” 示されている。旧約聖書中のミカ書5章2節の引用だが、そのようにしてキリストがベツレヘムで生まれることが予告されていたことが明らかにされている。つまり、ミカ書5:2は、キリストに関する予言であるということだ。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/33/5#study=discover

そして、そのマタイ2章4~6節を読むと、キリストが予告どおりにベツレヘムで生まれたことが示されている。ここでは、ベツレヘムで予告されていた通りに生まれたので、イエスという名の人物は、予言されていたキリストであるという論述の仕方が用いられている。同じくマタイ2章15、17、23節をみると、その点を理解できるにちがいない。予言がそのとおりに成ったことが、そこで強調されている。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/40/2#study=discover

(ちなみに、クリスチャンにとっては、イエスという名前の人物がキリストとなるが、ユダヤ教の信奉者はイエスをキリストとして認めていない。おなじ聖書(旧約)を権威あるものとしながら、その点で大きく異なっている。)

ほかに歴史上の出来事に関する予言も聖書には記されている。世界史上、中東地域を支配した覇権国家の興亡についての記述(つまり予言)がそれだ。エジプト、アッシリア、バビロン、メディア・ペルシャ、ギリシャ、ローマ(そしてローマから派生したものとしてイギリス連邦、アメリカ合衆国)という順番になるが、そのことが象徴的表現でダニエル書7章に出ている。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/27/7#study=discover

そのように記すと、たいていの方が疑念を示す。(実は当方もその一人だったのだが)それは、「予言というけれど、出来事が起きた後になって、書いたのではないか。それでいながら、予言が成就したなどと言って人を欺いているのではないか」という疑念だ。

ところが、聖書の予言には、現代に実現し、現在実現しつつあるものもある。そのような予言のなかには、聖書を丹念に調べるなかで、ある古代の歴史的出来事を起算年として予想され、現代に実現したものもある。単に出来事だけでなく、特定の西暦年代にそうなることが予想されていたということだ。1914年の第一次世界大戦がそれだ。また、予言のなかには、どのように予言が展開していくものか、実際の世界の動きを見ていくなかで、その理解(解釈)が特定されるものもある。

そうした予言のうち20世紀以降その通りになってきた予言と現在これから起こることとを示す部分が「黙示録(啓示)」である。新約聖書中の巻末にあたる部分だ。そこに示されたシナリオとして、これから生じる事柄としては、次のように記されてある。

こう言った。「今おられ,かつておられた方,全能の神エホバ,私たちはあなたに感謝します。あなたはご自分の大きな力をもって,王として治め始められたからです。 国々は憤り,あなたご自身も憤りを表し,定めの時が来ました。それは,死んだ人々が裁かれる時であり,あなたの奴隷である預言者たち,聖なる人たち,あなたの名を畏れる人たちが,小さな者も大きな者も報われる時であり,地を損なっている人々が滅ぼされる時です」 啓示11章17、18節
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/66/11#study=discover

地球の創造者であり主権者である全能の神の権威に逆らい、地球を「損なっている」者たちが地球上から追い出される。そして、その後に生じることとしては・・

その時,王座から大きな声がした。「見なさい! 神の天幕が人々と共にあり,神は人々と共に住み,人々は神の民となります。神が人々と共にいるようになるのです。 神は人々の目から全ての涙を拭い去ります。もはや死はなくなり,悲しみも嘆きも苦痛もなくなります。以前のものは過ぎ去ったのです」啓示21章3、4節
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/66/21#study=discover

幸いなことに、五島氏が言うように「海の向こうから怪物がゴーッと出てきて、人間をみんな飲み込んじゃうというような話」にはならないことになっている。

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

  • 作者: 日本聖書協会
  • 出版社/メーカー: 日本聖書協会
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: 大型本