SSブログ

ダスティン・ホフマン主演『卒業』のこと [音楽・ミュージック]

今、「サウンド・オブ・サイレンス」が流れている。

サイモンとガーファンクルの曲だ。いい爺さんになった二人が歌っている。
https://www.youtube.com/watch?v=7aZ-8fENf9g

はじめて聞いたのは、映画館においてだ。

叔父が、映画に連れて行ってくれた。スティーブ・マックイーン主演の「栄光のルマン」とダイスティン・ホフマン主演の「卒業」が同時上映されていた。叔父は、「栄光のルマン」を見せたかったようだ。しかし、自分は、「卒業」のほうに心ひかれた。中学生の時だ。

人間は、ひとりひとり違う。席をおなじくしても違うものに興味をもっていたりする。いわゆる「同床異夢」というやつですな。


卒業 [DVD]

卒業 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2018/06/29
  • メディア: DVD



この「卒業」がダスティン・ホフマンの出世作となった。アメリカ東部の有名大学を卒業したものの、どのように生きていっていいか迷いのうちにある青年をホフマンが演じた。そのような人生の空白状態はロクなことにならない。ロビンソン夫人の誘惑にのってしまう。

映画のなかで「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボローフェア」「4月になれば彼女は」「ミセスロビンソン」などの曲が流れた。たぶん、映画そのものより、サイモンとガーファンクルの曲に出会ったことのほうが、当方にとって大きい意味をもったように思う。

中学時代、熱心に聞いたのは彼らの曲だ。ほとんど記憶している。いっしょに歌うことができる。英語の勉強にもなった。「スカボローフェア」でリフレインされる「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」の個々の単語を辞書で調べて、「なんだこれは?」と思ったのを覚えている。みんなハーブの名前である。歌の語調を整えるために加えられた詩句なのではなかろうか。

ちなみに、主人公を誘惑するロビンソン夫人を演じたのはアン・バンクロフト。『奇跡の人』で、ヘレン・ケラーの先生サリバン役の舞台初演を果たし、映画でも演じてアカデミー主演女優賞を得ている。要するに、巾の広い演技のできる人であるということだ。
https://www.youtube.com/watch?v=UXCpr6fmSFg

そして、「卒業」での演技も評価されて、「ゴールデングローブ賞 主演女優賞 」を得ている。しかし、オモシロイことに、「ミュージカル・コメディ部門」での 受賞ということだ。

「卒業」はサイモンとガーファンクルの比較的「沈鬱」な曲で彩られているし、青年の前途をめぐる悩み多い時期を描いている。だから、映画を見た当時はそのように思わなかったが、結婚式で花嫁を略奪するストーリーは、やはりコメディになるのだろう。

青年期というのは「前途洋々」と「前途茫洋」が背中合わせのたいへんな時期だ。時に「疾風怒濤」の航海を強いられる。本人にとっては、沈没するかどうかの瀬戸際に思える。だが、周囲から見れば(あるいは、ずっと年がいって顧みれば)コメディーそのものにちがいない。

The Sound of Silence【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=Abwsfg4SzFw
スカボローフェア【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=S_JP7uKujOc
四月になれば彼女は【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=Crl4WbWyBaw
Mrs Robinson【訳詞付】
https://www.youtube.com/watch?v=7ZLxeNZmHb0


栄光のル・マン [DVD]

栄光のル・マン [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2010/03/26
  • メディア: DVD



奇跡の人 [DVD]

奇跡の人 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: DVD




共通テーマ:日記・雑感