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「歴史巡るフェイク疑え」浮世博史インタビュー 朝日新聞 [歴史雑感なぞ]

朝日新聞(7/15)に、『歴史巡るフェイク、疑え』という記事がでている。私立西大和学園中学・高等学校教諭、浮世博史氏へのインタビュー記事だ。

時代・歴史小説をそのまんま鵜吞みにして見てきた事実であるかのように話す人がいる。熱をもって語るので、聞いていてオモシロイが、困ったなあと思う。歴史関連の本が多く出ているが、専門家でも(学位も得ていそうにも)ないのに、よく書くなあと感心したりもする。

そう思っていたところなので、たいへん面白かった。お勧めの記事だ。


副題としてあげられているのは「主義主張が先走り 事実をつまみ食い エンタメ性を優先」

リード部には次のようにある。

最近の書籍、ネットには「歴史修正主義」といわれる言説があふれている。なかには事実誤認も多い。歴史教育に長年携わる立場から、約千ページに及ぶ著作「もう一つ上の日本史」で、この問題を具体的に検証したのが、浮世博史さんだ。歴史のフェイクの蔓延はなぜ止まらないのか。歴史リテラシーを身に付ける方法はあるのか

つづく部分もすこし引用してみる。

・・先生の近著は、百田直樹さんの「日本国紀」をはじめ相当数の史実誤認を指摘しています・・

歴史にまつわる俗説や誤認はネットが普及した2000年以降、顕著です。これらの文章は、プロの歴史家が書いたものでないことはすぐ分かります。自分の主義主張が先にあり、それに合わせて歴史を語る、という分かりやすい特徴があるからです。歴史『を』語るのではなく、歴史『で』主張を語っています。

・・歴史『で』語ると、どんな弊害があるのでしょう・・

自分の言いたいことに合わせ、歴史をつまみ食いする傾向があります。たとえば日露戦争での日本の勝利はアジアに勇気や自信を与えたという言説があります。そうした面も確かにありますが、一方で、孫文やインドのネルー、ビルマの独立運動家バー・モウは、日露戦勝利が日本の帝国主義と植民地支配のきっかけになったことを批判しました。『自信を与えた』とい評価Aだけを説明し『失望させた』という評価Bを言わないと社会科学ではなくプロパガンダになってしまいます。

さらにつづくが・・https://www.asahi.com/articles/DA3S14549052.html


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