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横光利一原作『家族会議』1936年を見る [ドラマ]

Family Meeting (1936)
https://www.youtube.com/watch?v=YWHLcFkijMw

「純粋小説論」を提唱した横光利一原作の映画である。

ウィキペディアによると・・

『家族会議』(かぞくかいぎ)は、1936年(昭和11年)4月3日公開の日本映画である。松竹キネマ製作・配給。監督は島津保次郎、主演は佐分利信。モノクロ、スタンダード、71分。

1935年(昭和10年)8月から12月にかけて新聞連載された横光利一の同名小説が原作。及川道子の最後の出演作であり[1]、及川は公開の2年後に病死した。

・・と、ある。

家族会議 (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B6%E6%97%8F%E4%BC%9A%E8%AD%B0_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

映画タイトルにある「家族会議」らしき場面はない。家族の成員間の何事かがストーリになっているわけでもない。

大雑把にストーリをまとめると、東京と大阪の株屋どうしの争いとその株屋の男(2人)をめぐる3人の女性の関わりが描かれる。

中心にいるのは東京の株屋を経営する男(佐分利信)。東京の株屋を倒産に追い込む大阪の株屋の番頭(高田浩吉)。

大坂の株屋の娘(及川道子)は東京の株屋の男との結婚を願っている。それは、いわば「ロミオとジュリエット」状態である。そして、娘が佐分利と結婚できるよう画策奔走するお嬢様を高杉早苗演じている。そして、そこに、桑野道子が絡んでくる。

大坂の株屋の娘役の及川道子は、この映画の2年後に結核で亡くなっている。本作以前から、結核療養のための休養をはさみながら映画出演していたようである。病身をおしての出演であったようだ。痩せているのは、そのせいも大いにあるのだろう。それがちょうど役柄と合っているのが寂しい。他の出演作品も見たいが、ほとんどサイレント時代のものであるようだ。

本作で、一番魅力的と当方が思うのは高杉早苗である。結局、いちばん佐分利役を好いているのは高杉なのであろう。本作に見るような自由奔放な役柄が高杉に似合っているようだ。『風の女王』と相通じる役回りだ。

高杉早苗・佐野周二主演『風の女王』1938年を見る
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-01-31

もう一人、佐分利の母親の「老婆」役が見事である。会社が倒産するという時に、動じない。これぞ明治女という感じである。ちなみに、その老婆:二葉かほる は1871(明治4)年生まれだそうである。生きていれば、150歳である。そういう人物の映像を見ることができるのは貴重である。
44:30~45:10 48:20~48:58 55:38~56:55

二葉かほる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E8%91%89%E3%81%8B%E3%81%BB%E3%82%8B

以下、当方未読

家族会議 (講談社文芸文庫)

家族会議 (講談社文芸文庫)

  • 作者: 横光利一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: Kindle版




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