SSブログ

小説家 山本周五郎と聖書 [スピリチュアルな話題]

ここのところずっと『ユーチューブ』で古い日本映画ばかりを見ている。見ては、なにかしら当該ブログに書き留めてきた。

そうしていたら、日本テレビで放映されていた『知ってるつもり?!』がアップされている。そこには、「松竹(映画の)三羽烏」といわれたうちのお二人佐野周二と上原謙の息子たちが出演している。言わずと知れた司会の関口宏とゲストの加山雄三である。おまけに、先ごろ倒れて病院に搬送された中村吉右衛門もゲスト出演している。アタリマエだが、みんな若い。

知ってるつもり?!山本周五郎
https://www.youtube.com/watch?v=Caw6AguT5jw


取り扱われていたのは作家『山本周五郎』である。以前、映画監督 篠田正浩の論考をとりあげたときには、知らなかったことが示されていた。要するに「知ってるつもり」でいただけであるということが分かった。

「日本のドストエフスキー」山本周五郎のこと
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2014-08-12

「知らなかったこと」とは、周五郎が、『聖書』をたいへん高く評価していたということだ。そればかりか、「現代の聖書」を書くことを使命としていたようだ。「弱者に対する温かい眼差し、庶民の哀しみ喜びを活き活きと描き、読む者に生きる勇気を与えてくれる小説の数々」は、そうした使命感の現れであったようだ。

番組は、黒澤明が周五郎作品に惚れ込み、『赤ひげ』『どですかでん』など映画化したことから始まる。

周五郎の生い立ちが示される。周囲から結婚を認められない両親のもとで貧しかったこと、物置で生まれたことが示される。父親は自堕落で、3歳のときに一度、母子ともに捨てられたという。実の父親でありながら、自分の「真実の父」親のように見なせなかった様子がうかがえる。

後に周五郎は、聖書を読んで、イエス・キリストが貧しく馬小屋で生まれたこと、イエスの父親ヨセフが養父であって真実の父親でなかったことを知るときに、自分とイエスを重ね合わせていたのではなかろうか。

山本周五郎というペンネームは、丁稚奉公先の質店のご主人の名前であるという。ご主人は小説を書く風流人で、奉公人たちの教育に熱心であったという。その主人から周五郎は観察眼をうえ付けられる。無利子無期限無催促で貧しい人にお金(壱円)を貸し出す主人の姿を見、教えを受ける。周五郎は主人の精神を受け継ぐ。主人のことを「真実の父」親と見なすようになる。

23歳の時に文壇デビューしている。しかし、菊池寛に酷評される。実際のところ、その作品は菊池のいうように「観念的で青くさい文学少年の域を出ていない」ものだったのであろう。大評判となった『日本婦道記』で直木賞の推薦を受け(しかし、辞退し)たのは、それから20年弱経過した40歳の時である。

その間、漁師町(浦安)でありのままに生きる庶民たちとの触れ合いや、後妻となった吉村きんの「下町育ちで明るくあけっぴろげな」性格が山本周五郎の文学的世界を大きく変えたようだ。それは、今日読まれている膨大な作品群につながっていく。

周五郎「晩年」についての番組ナレーションは以下のとおりである。

《満足に食事を口に運べないほど体は衰弱している。だが彼は、何かを求めるように聖書に向かいはじめる。少年時代から慣れ親しんでいた聖書を真っ黒になるまで読みふける周五郎。

昭和41年、最後の力を振り絞るように周五郎はふたたびペンをにぎる。『おごそかな渇き』 

周五郎はこの作品にかける思いを(つぎのように)書いている。

貧しいひとたち
汗を流して
その日その日のために
働いている人
そういう人たち
そういう社会を描きながら
人生とは?神とは?
罪とは?
人にはどう対すべきか?
死後は?
苦難に対しては?
など真面目に生きる人の
真面目な問に
自分なりに答え
慰め、励ましに
なるような
小説を書きたい
(朝日新聞 昭和42年2月26日)

人々の救いとなる「現代の聖書」を書く

それは周五郎の遺書でもあった》。

番組を見て、周五郎を、そして『聖書』をいよいよ読みたくなった。

決定版 山本周五郎全集 近代日本文学電子叢書

決定版 山本周五郎全集 近代日本文学電子叢書

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2021/01/23
  • メディア: Kindle版



オンライン 日本語聖書
https://wol.jw.org/ja/wol/binav/r7/lp-j


舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

  • 作者: 日本聖書協会
  • 出版社/メーカー: 日本聖書協会
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: 大型本





共通テーマ:日記・雑感

『手をつなぐ子等』『忘れられた子等』稲垣 浩監督作品を見る [ドラマ]

『手をつなぐ子等』『忘れられた子等』稲垣浩監督の2作品を見る。

どちらも知的障害児(むかしは「精神薄弱児」と言った)を扱った作品である。

『手をつなぐ子等』は、知的障害児が健常児クラスで学ぶうえでの困難と仲間からの助けを得て成長していく様子が描かれる。『忘れられた子等』は、特別学級の担任を割り当てられた若い教師の成長を扱っている。

映画としては、1948年製作の『手をつなぐ子等』の方が上等である。脚本は伊丹万作。カメラマン:宮川一夫のこだわりが伝わってくる。

『手をつなぐ子等(こら)』~巨匠“稲垣 浩” 1948年の監督作品 (REUPLOAD)
https://www.youtube.com/watch?v=h9XsP8KWlKk&t=4s

『忘れられた子等(こら)』~巨匠“稲垣 浩” 1949年の監督作品 (REUPLOAD)
https://www.youtube.com/watch?v=Pmq5npdp59M&t=1s


原作は、どちらも田村一二とあるが、ウィキペディアに「田村一二」は掲載項目となっていない。それで、ネット検索して、つぎのページ(PDF)を見出した。

それを見ると、どんな人物か、よく分かる。

〈研究ノート〉
近江学園を作った人々から学ぶ福祉の在り方
糸賀一雄・池田太郎・田村一二
石野 美也子
京都文教短期大学 研究紀要 第 58 集(p69~78)
https://www.bing.com/search?q=%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%AD%A6%E5%9C%92%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6%E7%A6%8F%E7%A5%89%E3%81%AE%E5%9C%A8%E3%82%8A%E6%96%B9&aqs=edge..69i57&FORM=ANCMS9&PC=U531

上記資料を見ると、映画の内容は、原作者:田村一二と糸賀一雄、池田太郎の実体験に根差したものであることが分かる。

上記PDF資料から(映画には直接描かれていない)印象的な部分を抜き出してみる。

******以下、抜粋******

修学旅行を目の前にして重度の人は一緒に連れて行くのは無理なので別々に計画していたところ、一部(戦災孤児や生活困窮児の子どもたち)から二部(精神薄弱児)も一緒に修学旅行に(連れて)行きたいという申し出があった。いつも一緒に手をつなぐように言われているのになぜ、修学旅行だけ分けるのかと言って一人の生徒が「自分が責任を持つ」というのを聞いて職員は大変感動し、旅行計画を一部の学生に任せた。何回も自発的に例会を持ち、二部の生徒をどうしたら伊勢まで連れて行けるかを考えた。その中に、研ちゃんという脳性まひの後遺症で、両足がひどく不自由な生徒がいて、とてもみんなと一緒についていけないと思っていたところ、生徒たちは何としても一緒に連れて行くといって、対策を工夫した。みんなで作った手押し車を用意し、二部の生徒の世話役を決め、おみやげを買うのを付き添ったり電車の中では危なくないようにと気を配ったりして、伊勢神宮の参拝の日を迎え、参拝では「天皇陛下でも車から降りられるのだから降りなさい」と言われ手押し車から降りるように言われると「おじさん、この子のは車じゃないんです。足なんです。だからどうか許してやってください。」と言って了解を得て、内宮の奥まで手押し車で行くことができ、無事に修学旅行は終わった。このエピソードはともに学んできたことから、一人ひとりを障害児と見るのではなく、ひとりの友達として、何が不自由であるか、どのような支援が必要かを考えたからこそ実現した修学旅行といえる。

以下、当方未読

茗荷村見聞記

茗荷村見聞記

  • 作者: 田村 一二
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2002/07/01
  • メディア: 単行本



賢愚和楽(みんなおなじ一つのいのち)――田村一二の世界

賢愚和楽(みんなおなじ一つのいのち)――田村一二の世界

  • 出版社/メーカー: 天理教道友社
  • 発売日: 1996/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



手をつなぐ子等 [DVD]

手をつなぐ子等 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: DVD




共通テーマ:映画

ジェームズ・レヴァイン死去 77歳 [音楽・ミュージック]

ジェームズ・レヴァインが亡くなったという。

3月9日というから1週間以上経過している。

共同通信の記事のタイトルは

ジェームズ・レバイン氏死去 セクハラ解雇の米有名指揮者

である。

URLは長いが、記事自体はあっけないくらい短い。
https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA-%E3%83%AC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%B0%8F%E6%AD%BB%E5%8E%BB-%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%83%8F%E3%83%A9%E8%A7%A3%E9%9B%87%E3%81%AE%E7%B1%B3%E6%9C%89%E5%90%8D%E6%8C%87%E6%8F%AE%E8%80%85/ar-BB1eGEjU?ocid=msedgntp

人は死んで名を残すというが、残した名が「セクハラ解雇の米有名指揮者」ではあまりにもさびしい。

イタリアでふたたび活動を開始するという話も聞いていたので、楽しみにしていたのだ。

レバインの指揮ぶりを見たいが、『ユーチューブ』にはあまりアップされていない。

以前、聴いたものでは、メンデルスゾーンの交響曲第5番『宗教改革』をベルリンフィルで振ったものが良かった。氏の体形同様の恰幅のいい演奏で、なんともふくよかな響きを引き出していて、これはイイと思っていたのだが、先ほど見たら、削除されたらしい。

おなじ演奏会プログラムのドビュッシーの『海』は残っているのだが・・・
EST - Debussy "La Mer" James Levine 1996
https://www.youtube.com/watch?v=oLW2N7C5iGM


3/20 追記:『宗教改革』第4楽章の一部がアップされていたので・・

Mendelssohn Symphony No.5, Woodwind Coral
https://www.youtube.com/watch?v=dx0mHHbbPak

さらに・・・

JAMES LEVINE Last Public Appearance in Met 2017
https://www.youtube.com/watch?v=hBWR7GkmnEc

ジェームズ・レヴァイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3


ザルツブルク・リサイタル

ザルツブルク・リサイタル

  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1990/08/25
  • メディア: CD



James Levine Conducts Mahler: Symphonies Nos. 1, 3, 4, 5, 6, 7, 9 & 10

James Levine Conducts Mahler: Symphonies Nos. 1, 3, 4, 5, 6, 7, 9 & 10

  • 出版社/メーカー: REDSE
  • 発売日: 2010/11/05
  • メディア: CD


続きを読む



共通テーマ:音楽

小島政二郎原作・佐々木啓祐監督『半処女』1939年を見る [ドラマ]

小島政二郎原作・佐々木啓祐監督『半処女』1939年を見る。

主演:佐分利信、三宅邦子、川崎弘子、夏川大二郎。

Semi-virgin woman(1938)
https://www.youtube.com/watch?v=JjyIzU38uUI&t=178s

夏川大二郎は小説家。だが、著名作家の代作で生活している。三宅邦子はタクシー会社の娘で、夏川を愛し、一人前の作家になるよう応援している。川崎弘子は、夏川の死んだ弟の同級生で芸者。たまたま出会った夏川に弟の墓参りに連れて行ってくれるように頼み、それから関係を深めていく。佐分利信は、映画会社の重役で、たまたま依頼したハイヤーの運転手が三宅であったことで、自社で働くように勧める。佐分利は妻子がいるが、妻は精神を病んで入院中。佐分利は、幼い子どもの面倒をみてもらううちに、三宅に恋心を持つようになる。・・・

たいへんよくまとめられてはいるが、突っ込みどころのたくさんある映画だ。

恋人にちゃんといきさつを言って、わけを話せば、誤解は解けたろうに・・とか、当時自動車の運転ができてフランス語もできる女性が、田舎で女給などするだろうか・・とか、死に瀕する重態の夫を置いて、妻が家をあとにし、夫の元恋人を迎えに行くだろうか・・とか・・

小島政二郎原作映画は、以前に『人妻椿』を見ている。その印象を記した際《たいへんスジの展開が面白く、それだけでも高評価に値すると思うが、ところどころに無理がある。たいへん無理がある。面白くするための誇張や飛躍がある。その点で、原作はどうなのだろうかと興味がわく》と、書いている。それは、本映画の印象でもある。
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-02-20

文学賞をとって新聞小説の連載もするようになった夏川は、バーで飲んだくれるようになる。そのバーのようすを見ながら、太宰治を撮影したバーのカウンター席を思い出した。
http://www.age.ne.jp/x/matchy/dazailupin.html


以下、当方未読

円朝〈上〉 (河出文庫)

円朝〈上〉 (河出文庫)

  • 作者: 小島 政二郎
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/07/04
  • メディア: 文庫




共通テーマ:映画

林芙美子原作『波濤』1939年を見る [ドラマ]

林芙美子原作『波濤』1939年を見る。

桑野通子、木暮 実千代が共演している。

Surging Waves(1939)
https://www.youtube.com/watch?v=c2ajYhbvWUY&t=11s

男3人、女3人の友情物語、といったところか。

桑野路子は、男の友情に阻まれて、好きな人と一緒になれないという役どころ。

ここで桑野は、たいへん日本的でおとなしい、しかし、芯のある役を果たしている。これまで、モダンガールやすこしクセのある役柄を見てきただけに新鮮だった。

だが、最後に跳躍する。

大跳躍である。




桑野通子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%91%E9%87%8E%E9%80%9A%E5%AD%90


新女性問答 [DVD]

新女性問答 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ケイメディア
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: DVD




共通テーマ:映画

木下恵介原案・脚本『五人の兄妹』1939年を見る [ドラマ]

木下恵介原案・脚本/ 吉村公三郎監督『五人の兄妹』1939年を見る。

The five siblings (1939)
https://www.youtube.com/watch?v=scXvgRKTbjc&t=541s

五人の兄妹の長男役を笠智衆が演じている。

父親を亡くしたあと、母親を助け、四人の弟妹を面倒見る。立派に成人するまで見届ける。不都合が生じれば、自分が後始末をする。肩代わりする。

それらを「長男の責任」として行う一方、同時に、それが弟妹にとって本当に幸せだったのか、押し付けたに過ぎなかったのではないかと誠実に考えている。いい兄さんである。

見ていて、その気遣い、労苦に手を合わせたいような気持になった。

父親の死は自殺だった。それがもとで、田舎を出て東京に移り住むことになる。そうでもなければ結婚するはずだった人と別れての上京だ。十数年後、田舎に戻ったとき、たまたま見ることになった葬列は、その女性のものだった。

自分にはどうしようもない人生のめぐりあわせを経験しつつも、そうした中で自分の責任を全うしようと誠実に取り組む人の生きざまを見ることができる。もっとも、そうしていても、流されていくものなのだが・・。

いちばん描きたかったものは、もしかすると「ひとの世の定めなんて、わからねえもんだ」ということかもしれない。

この頃の松竹映画は、女中を置くような中・上流階級の家族を描くものが多いが、この家族は、まったくの庶民である。当方の親、祖父母もこうして生活を築き暮らしていたのだと感じるところ大であった。なつかしいような気持になった。


五人の兄妹 [VHS]

五人の兄妹 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • 発売日: 1993/02/19
  • メディア: VHS




共通テーマ:映画

李香蘭(山口淑子)主演『サヨンの鐘』1943年を見る [ドラマ]

李香蘭(山口淑子)主演・清水宏監督『サヨンの鐘』1943年を見る。

Sayon's Bell (1943)
https://www.youtube.com/watch?v=XhQpSu6KEps

大日本帝国統治下の台湾を舞台にした映画である。

冒頭つぎのような字幕が出る。


常夏の華麗島
台湾ー

それはまた
大東亜戦下 南への
前進基地である
台湾ー

嘗て この島に
「化外の民」と呼ばれ
「生蕃」呼ばれた
高砂族も

今はあまねき
皇化に浴し
大君の御民として
前線に銃後に
戦ってゐる

この映画を
皇民高砂族の愛国と
理蕃施政に献身せる
警察官の熱誠とに
捧げる


実際に台湾でロケされたものなのであろう。風景は南国である。水牛やら黒ブタやらアヒルやら出てくる。たいへんのどかである。

登場するのは高砂族ではなく日本人の役者、子役たちである。流ちょうな日本語が用いられている。現地の教育が成功していることを宣伝するかの映画だ。

サヨンは女性の名前で、現地で起きた事故がもとになっているという。

以下、参考になる資料、論考など・・

サヨンの鐘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%90%98

みんぱく映画(国立民族学博物館)
2006年10月29日(日)
https://older.minpaku.ac.jp/museum/event/fs/movies0610

映画で知る台湾原住民族
https://www.ftip-japan.org/guide/184

激動の時代を生きた李香蘭(山口淑子)追悼特集 - cinenouveau
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/yamaguchiyoshiko/yamaguchiyoshiko.html

感謝台湾その10 サヨン鐘時代を越えて胸も鳴り
https://4travel.jp/travelogue/10412493


以下、当方未読

「李香蘭」を生きて (私の履歴書)

「李香蘭」を生きて (私の履歴書)

  • 作者: 山口 淑子
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版
  • 発売日: 2004/12/01
  • メディア: 単行本



もう一人の彼女: 李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ

もう一人の彼女: 李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ

  • 作者: 賢子, 川崎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/03/27
  • メディア: 単行本




共通テーマ:映画

吉村公三郎監督『暖流』1939年を見る [ドラマ]

岸田國士原作・吉村公三郎監督『暖流』1939年を見る。

Warm current (1939)
https://www.youtube.com/watch?v=g0f1eV2tjck&t=5785s

経営危機の病院をめぐるお話しで、そこでの人間模様が描かれる。

とりわけ、経営救済に乗り出す男(佐分利信)と病院経営者のお嬢様(高峰三枝子)とお嬢様の小学校時代の親友でもある看護婦(水戸光子)。その三者の関係が主要なスジを成している。いわゆる、大人の「恋ばな」である。

高峰三枝子もいいが、水戸光子がたいへん魅力的だ。

『ウィキペディア(水戸光子)』には、《1939年(昭和14年)吉村公三郎監督の映画「暖流(前篇・後篇)」の看護婦・石渡ぎん役に抜擢され、当時すでに脚光を浴びていた後輩の高峰三枝子と競演して一躍人気を獲得し、以後主演女優として第一線で活躍》と、ある
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%88%B8%E5%85%89%E5%AD%90


音楽は、チャイコフスキーとショパンが用いられる。

とりわけ、チャイコフスキーの『四季(6月:舟歌)』の絡むシーンがいい。

(以下はリヒテル演奏による『四季(6月:舟歌)』。静かな波面を見ているかのような演奏で、懐かしい思い出が浮かび上がってくるようである。)

Tchaikovsky - The Seasons, June - Sviatoslav Richter
https://www.youtube.com/watch?v=wnz0VYWnBSY


以下は、佐分利信と水戸光子の登場する場面。

30:54~41:45
41:45~43:03(『四季(6月:舟歌)』)
1:14:09~1:19:09
(1:37:10~1:43:57 高峰・水戸の密談)
1:49:46~1:55:39(『四季(6月:舟歌)』)


暖 流 [DVD]

暖 流 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ケイメディア
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: DVD




共通テーマ:映画

Forbes JAPAN 仕事を辞めるべき5つのサイン [ニュース・社会]

Forbes JAPAN
仕事を辞めるべき5つのサイン
Caroline Castrillon 2021/03/10 22:00

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%92%E8%BE%9E%E3%82%81%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D5%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3/ar-BB1erOJq?ocid=msedgntp

(以下、上記記事から引用)

誰しも、仕事で嫌な1日を経験したことはある。しかし、良い日よりも嫌な日が多くなったら変化を起こすべき時かもしれない。仕事は生気を吸い取るものではなく、エネルギーを満たしてくれるものであるべきだ。

仕事は恐れるものではなく、楽しみにするものでなければならない。我慢できないほど嫌な仕事は、プライベートの人間関係に破壊的な影響を与えるだけでなく、心身の健康にも悪影響となる可能性がある。

それでは、仕事をついに辞めるべき時がきたことはどうすれば分かるのだろう? 筆者は先日、求職者向けウェブサービスを提供するジョブスキャン(Jobscan)の採用担当者でキャリア専門家のサラ・デューイを取材した。

デューイは、仕事を辞めるべき兆候として次の5つを挙げた。

1. 労働環境が有害

1週間が始まるのを毎週恐れていることは、仕事を辞めるべき最初のサインだ。この恐怖心は、非友好的な労働環境やワークライフバランスの乏しさ、燃え尽き症候群を示していることが多い。

心をむしばむ企業文化の1つの兆候は、経営陣が批判と称賛のバランスを取るよりもマイナス面のみに注目していることだ。他の明らかな兆候としては、継続的なうわさ話や離職率の高さ、会社が従業員と率直な対話をしたがらないことなどがある。

職場では、意見を述べるのに十分な居心地の良さを感じる必要がある。同僚が常に不平を漏らしていて、上司が仏頂面のマイクロマネジャーであれば、自分にもっと適した環境を探すべきだ。

2. 自分の価値観を犠牲にしている

米求人情報サイト大手キャリアビルダー(CarrerBuilder)で、人事オペレーション上級マネジャーを務めるリズ・カンナータは「個人的な価値観と同様、仕事の価値観はその人の好みや目的、どのような道を求めているかによって決まる。現在の仕事への満足度や将来のキャリア開発について考えるときに、こうした価値観を考えることが重要だ」と述べた。

仕事を維持するために価値観を犠牲にする必要があると感じている場合、これは大きな危険信号だ。関係者を感心させるため売り上げの数値を操作したり、会社の業績について従業員に間違った情報を与えて欺いたりするプレッシャーを感じたことはあるだろうか? 常にこうした違法すれすれのことをしている場合、その仕事を辞めるべきことを示しているかもしれない。

3. 努力が必要なことがもうない

新たなスキルの習得を促されないような仕事にとどまると、キャリアがマンネリに陥っているように感じることがある。仕事が好きでうまくこなせること自体には問題はない。しかし、ただパターンをこなしているだけならば仕事を辞め、より充実した役割を探すべきときかもしれない。

こうした状況にとどまれば、成長の可能性が抑制され、怒りの感情さえ生まれるかもしれない。自分の力をさらに広げる機会を求めたのに、上司かその上の管理職からそれを拒否された場合はなおさらだ。

4. 昇進の余地がない

上司は、あなたが仕事で前進できるよう支援すべきだ。そうでない場合、それは昇進の機会が不足していることを示しているかもしれない。

大企業に勤めていて昇進の資格を得ることができない場合、新しい場所に目を向けよう。これはスタートアップにも当てはまる。小企業には確立されたキャリアパスがないことが多いが、チームの成長に応じたあなたの役割の進化について管理職が議論したがらないのであれば、それは問題だ。

曖昧なスタートアップの環境でも、キャリア開発の計画は必要だ。会社に長くとどまり過ぎているかどうかを考えているのであれば、次に移るべきときかもしれない。

5. 給料が職責と業績を反映していない

雇用主が、あなたの仕事ぶりに対して公平な給料を与えられない、あるいは与える意思がない場合は仕事を辞めるべきかもしれない。生活費の上昇に合わせた生活費調整を定期的に受けるのは最低限だが、それだけでなく職責や業績を反映した報酬を受けるべきだ。

報酬があなたにふさわしい額より少ないことは、会社との間であなたの価値や成長の可能性に関する認識が食い違っていることを示している。この状況にとどまれば、そのうち不満や怒りを感じることになる。あなたの価値にふさわしい給料を支払う他の会社は存在すると覚えておくこと。

あなたは、新型コロナウイルスが流行を始まる前から仕事に不満を持っていただろうか? 仕事を辞めるべきかどうかをこれまで考えてきた場合、直感を信じよう。

ただし、同時に戦略的にもなること。まだ仕事があるうちに他の役割を探してみよう。最も重要なのは自分を信じることだ。自分にはもっと大きくて良い仕事があると心の底で考えている場合、それが正しいのだ。

共通テーマ:求人・転職

渡辺邦男監督『命の港』長谷川一夫主演1944年を見る [ドラマ]

渡辺邦男監督『命の港』長谷川一夫主演1944(昭和19)年5月 を見る。

Port of life(1944)
https://www.youtube.com/watch?v=ktvSg7QePgA

おどろくほどに元気のいい映画だ。まずは「天突き体操」から始まる。高いところで頑張っているのは長谷川一夫である。その動きに和してみんなで天を突いている。

登場するのは、みんなイイ人である。仲たがい、誤解も描かれる。愚かであったり頑固な者も出てくる。おっちょこちょいも出てくる。しかし、いけすかない奴がでてこない。善人ばかりである。

総じての印象は、なんだかちょっと気味わるい。

その「気味のわるさ」は、ソ連の五か年計画に対する国民の仕事ぶりを示す映画を見た印象にちかい。不自然なのである。いいとこばかり描かれている感がするのである。

本作品は、いわゆる「戦意高揚映画」であろう。この時期の映画にしてはフィルムの質がいい。良すぎる。軍部から特に潤沢な資金が投ぜられているのではないか。フィルムの質もちがうのかもしれない。以前に見た国策映画も映像がクリアなのが多い。本作は、その中でも一番にいい。

海軍省後援映画『怒りの海』1944年 を見る 
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-01-16

ここでは、回漕業、港湾労働者たち(沖仲仕)の働きが描かれる。港湾に入る船舶から貨物を港に運ぶ仕事である。以前に同じ仕事を取り扱った映画『男の意気』を見たが、それはまだ市民生活を描く面があったが、こちらはもっと国家の中に置ける回漕業の役割とは、それに従事する者のもつべき姿勢とは、などといったモデルを示す感じがある。ひいては、戦時下の日本国民だれもがもつべき仕事への取り組み方をモデル化しているように思う。

坂本武・上原謙主演『男の意気』1942年を見る 
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-02-02

では、気に入らないかというと、当方はいい映画であると思う。これが日本人なんだろうなあと感じる。ただ思うに、ここにみる皆と一致団結して仕事に取組み、皆のために個人が進んで犠牲を払うことを善しとする姿勢は、もう一歩二歩進めばすぐ「特別攻撃隊」になるように思う。

自ら命を絶つのは美しい?
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2006-08-25

こうして前線で戦い、銃後で働いたものの日本は負けてしまったのだなあと思う。

当映画の監督:渡辺邦男の逸話(ウィキペディア掲載)に次のようなものがある。

日本が太平洋戦争に敗北すると、戦意高揚映画に関わった製作者たちがGHQからの厳しい追及と尋問を受けたが、ほとんどの監督が軍部に脅されて仕方なく撮ったなどの姑息な言い訳に終始する中、渡辺だけは「国を護るために撮った。自分なりのやり方で戦ったまでだ」などと主張、尋問に当たっていた米軍将校はすっくと立ち上がると渡辺に両手を差し出し「この国に来て初めてサムライに会った」と言いながら握手を求めたという。

渡辺のような意識・精神の持ち主が、戦後アメリカに負けてなるかと経済で頑張って高度成長をもたらしたのだろう。経済ばかりではない。小室直樹博士は、勉学で負かしてやるという意向を強くもっていたという。

蛇足ながら(映画と離れるが)小室博士について「ウィキペディア」に次のようにある。《会津高校在学中に湯川秀樹博士のノーベル賞受賞を聞くと、日本がアメリカ合衆国を打ち倒し、世界から尊敬を受けることができるようになる国になるための研究ができると思い、京大理学部を志望[6]。1951年に福島県立会津高等学校を卒業し、京都大学理学部に入学した》。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AE%A4%E7%9B%B4%E6%A8%B9


いずれにしろ、当該映画は、日本人の資質・精神・意識のよく出た作品と言えそうだ。


やっぱりすごい学者なんだなあ、小室さんは・・
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2020-10-26-1


大東亜戦争、こうすれば勝てた (講談社プラスアルファ文庫)

大東亜戦争、こうすれば勝てた (講談社プラスアルファ文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/03/10
  • メディア: 文庫



評伝 小室直樹(上):学問と酒と猫を愛した過激な天才

評伝 小室直樹(上):学問と酒と猫を愛した過激な天才

  • 作者: 村上篤直
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2018/09/18
  • メディア: 単行本




共通テーマ:映画