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森喜朗さんの発言のこと

森喜朗さんの女性蔑視発言が大騒動になっている。日本だけでなく世界を巻き込んでの非難を浴びているらしい。当方、ここのところテレビも見ず、ろくに新聞も読まず、ひたすら『ユーチューブ』で古い映画ばかりを見ているので、ネットニュース欄にでる報道の余波、さざなみを見て「おやおやどないなっとるんや」と当惑するばかりなのであるが・・・

それでも直観的には「騒ぎすぎなんとちゃいますか」という印象でいる。一番ちかい意見と思えるものを、航空自衛隊元航空幕僚長某氏の発言に感じた。それは、ただの個人的な経験から出た感想を口にしたくらいで批判非難轟轟と騒ぐのは、そちらの方にモンダイがあるのではという意見だった。某氏はさらに言論弾圧にちかいのではという意見であった。個人の感想も率直に言えない世の中とはサビシイ限りではないかという心情も含まれてあったように思う。

当方が航空幕僚長某氏の意見を見て「モンダイはせいぜいそんなところやないか」と思っていたら、その某氏の意見にまた、ネット上で非難轟轟であるというので、当方が思うよりもずっとモンダイは大きく、ちょっとした感想、意見でないナニモノかが森さんの発言にあったのだろうかと思っているしだいなのだが、改めて新聞記事を確認する手間をとるのがメンドウで、そのまま放置しているのだが・・

いずれにしろ、「正義」の絡んだ問題となってしまったのだろう。時代の趨勢、世間の正義が森さんを捕捉せずにはいられなかったのだろう。世間の正義は永遠一貫変化しないものではない。世間の正義は怖い。正義の名のもとに、うっかりするとなんでも可能になってしまう。権威という権威がひっくり返されることもある。

森さんの件も、見方によっては、老人をただただイジメているだけのようにも見える。ところが、単なる老人であればいいが、その老人がたいへんな権力をもっているだけに、反響が大きくなっているのだろう。が、しかし、それほど騒ぐことだろうか。

人徳の問題かもしれない。ふだんからイイ人と見なされていれば、多少たたかれてホコリが出たり、身からサビが出ても、大目に見てもらえたりするものである。かえって、人間的に魅力的でお年を召してもカワイイなどということにもなりうる。森さんは、その点で、ソンなお人なのかもしれない。

ちょうど森さんのことで思い出したことがある。「えひめ丸事件」である。そのことを思い出して今回の件でなにか書こうと思っていたら、ちょうど、事件から20年になるのだという。

米原潜元艦長 遺族ら宛てに書簡 えひめ丸事故20年
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6384614

思い出したこととは、安倍元総理の叔父(日本興行業銀行最後の頭取:西村正雄)の言葉である。西村正雄は小泉純一郎と森喜朗を対比させて佐高信宛に手紙を書いた。そこには、つぎのようにある。

《こんな最低の首相(小泉純一郎)が今なお40%の支持を得ているのは、民主党の力不足もありますが、何と言っても大新聞、地上波TVが「社会の木鐸」の役割を放棄して小泉よりで殆ど批判をせず、またそれに乗せられて未だに実態のない構造改革の呪縛にマインドコントロールされている国民にも責任があると思います。たとえば昨年夏に米軍機が沖縄で墜落し沖縄県知事が急遽上京した時、小泉は休暇中と称して面会を拒絶しました(小泉よりの田原総一朗夫人の葬儀には参列したにも拘わらず)。「えひめ丸事件」の時にあれほど森総理を叩いて退陣に追い込んだマスコミは、それより遥かに重大な事件にも拘わらず殆ど批判らしい批判をしませんでした。

「10年早い」と叔父が危惧した安倍総理の未熟
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2007-08-22-2

今回の森騒動も、マスコミ主導による、新型コロナ自粛生活で不満くすぶる国民のためのガス抜きとされているのかもしれない。大騒ぎする国民の多くはマインドコントロールされているのかもしれない。

・・などと、書いてしまったが、森さんとちがい、また、元航空幕僚長ともことなり、コチラは、たんなるタダのジジイにすぎないから、至極率直な感想であっても、だあれも相手になどされないにちがいない。

偉い人間でなくてよございました。

社会の木鐸(読み)シャカイノボクタク
https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E6%9C%A8%E9%90%B8-524623


(発言することのの責任を痛感させられる本)

現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫)

現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2003/02/05
  • メディア: 文庫




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