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『手をつなぐ子等』『忘れられた子等』稲垣 浩監督作品を見る [ドラマ]

『手をつなぐ子等』『忘れられた子等』稲垣浩監督の2作品を見る。

どちらも知的障害児(むかしは「精神薄弱児」と言った)を扱った作品である。

『手をつなぐ子等』は、知的障害児が健常児クラスで学ぶうえでの困難と仲間からの助けを得て成長していく様子が描かれる。『忘れられた子等』は、特別学級の担任を割り当てられた若い教師の成長を扱っている。

映画としては、1948年製作の『手をつなぐ子等』の方が上等である。脚本は伊丹万作。カメラマン:宮川一夫のこだわりが伝わってくる。

『手をつなぐ子等(こら)』~巨匠“稲垣 浩” 1948年の監督作品 (REUPLOAD)
https://www.youtube.com/watch?v=h9XsP8KWlKk&t=4s

『忘れられた子等(こら)』~巨匠“稲垣 浩” 1949年の監督作品 (REUPLOAD)
https://www.youtube.com/watch?v=Pmq5npdp59M&t=1s


原作は、どちらも田村一二とあるが、ウィキペディアに「田村一二」は掲載項目となっていない。それで、ネット検索して、つぎのページ(PDF)を見出した。

それを見ると、どんな人物か、よく分かる。

〈研究ノート〉
近江学園を作った人々から学ぶ福祉の在り方
糸賀一雄・池田太郎・田村一二
石野 美也子
京都文教短期大学 研究紀要 第 58 集(p69~78)
https://www.bing.com/search?q=%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%AD%A6%E5%9C%92%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6%E7%A6%8F%E7%A5%89%E3%81%AE%E5%9C%A8%E3%82%8A%E6%96%B9&aqs=edge..69i57&FORM=ANCMS9&PC=U531

上記資料を見ると、映画の内容は、原作者:田村一二と糸賀一雄、池田太郎の実体験に根差したものであることが分かる。

上記PDF資料から(映画には直接描かれていない)印象的な部分を抜き出してみる。

******以下、抜粋******

修学旅行を目の前にして重度の人は一緒に連れて行くのは無理なので別々に計画していたところ、一部(戦災孤児や生活困窮児の子どもたち)から二部(精神薄弱児)も一緒に修学旅行に(連れて)行きたいという申し出があった。いつも一緒に手をつなぐように言われているのになぜ、修学旅行だけ分けるのかと言って一人の生徒が「自分が責任を持つ」というのを聞いて職員は大変感動し、旅行計画を一部の学生に任せた。何回も自発的に例会を持ち、二部の生徒をどうしたら伊勢まで連れて行けるかを考えた。その中に、研ちゃんという脳性まひの後遺症で、両足がひどく不自由な生徒がいて、とてもみんなと一緒についていけないと思っていたところ、生徒たちは何としても一緒に連れて行くといって、対策を工夫した。みんなで作った手押し車を用意し、二部の生徒の世話役を決め、おみやげを買うのを付き添ったり電車の中では危なくないようにと気を配ったりして、伊勢神宮の参拝の日を迎え、参拝では「天皇陛下でも車から降りられるのだから降りなさい」と言われ手押し車から降りるように言われると「おじさん、この子のは車じゃないんです。足なんです。だからどうか許してやってください。」と言って了解を得て、内宮の奥まで手押し車で行くことができ、無事に修学旅行は終わった。このエピソードはともに学んできたことから、一人ひとりを障害児と見るのではなく、ひとりの友達として、何が不自由であるか、どのような支援が必要かを考えたからこそ実現した修学旅行といえる。

以下、当方未読

茗荷村見聞記

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  • 作者: 田村 一二
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2002/07/01
  • メディア: 単行本



賢愚和楽(みんなおなじ一つのいのち)――田村一二の世界

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  • 発売日: 1996/11/26
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