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成瀬巳喜男監督『噂の娘』1935年を見る [ドラマ]

成瀬巳喜男監督『噂の娘』1935年を見る。

The Girl in the Rumour (1935)
https://www.youtube.com/watch?v=W4Rb8p6ckxg

酒屋のふたりの娘に焦点が合わされる。ひとりは昔ながらのイイ娘であり、もう一人はモダンガールである。

縁談が持ち上がり、ふたりで出向くが、相手方は当の見合い相手ではなく、その妹との結婚を望む。

しかし、相手方に、妹娘が嫁ぐことを父親は善しとしない。姉娘に対する気遣いのためだ。

姉は、その縁談を望ましく思っていた。自分が嫁ぐことで、家族の世話をする人を迎え入れることができる。その人とは、父の妾であり、妹の実の母親だ。年老いた父親の慰めともなる人を迎えることを嬉しく思っている。父親もそれを望み、祖父もそれを善しとしたが、話は思わぬ方向に進んでしまう。

しかし、妹娘は、父や姉の気持ちなどお構いなしに、相手方とおつきあいを始める。

だが、姉であれ、妹であれ、縁談がまとまれば、傾いている家運の隆盛につながるのはまちがいないことであった。

しかし、父親はそれを善しとしない。

そのような状況で話は展開していく。

一見、名のある旧家であっても、いろいろ問題を抱えていることが暴かれる。

そうした様子を、世間は興味本位で見ている。言葉を替えれば、興味本位でしか見ていない。その世間の視点を代表するものとして床屋のオヤジが登場する。

「世間とはその程度のものよ」と成瀬は言いたいのであろう。「噂」をまき散らすのは、だいたい「その程度の連中よ」と言いたいのであろう。

この映画について検索したら、たいへん高く評価している方がいる。

必見! 成瀬巳喜男特集、最高作『噂の娘』
藤崎康 映画評論家、文芸評論家、慶応義塾大学、学習院大学講師
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019121300003.html


主演の千葉早智子は、この2年後成瀬と結婚している。経歴からするとモダンガールとはまさに千葉のような人だろう。その人が、昔ながらの女性を演じているところが、たいへんオモシロイ。

成瀬にとって、千葉の魅力とはいったいなんだったのだろう・・。

当方は、そこのところに興味がある。

千葉早智子 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E8%91%89%E6%97%A9%E6%99%BA%E5%AD%90

以下、当方未読

成瀬巳喜男 演出術―役者が語る演技の現場

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監督成瀬巳喜男──全作品と生涯

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