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向田邦子新春シリーズ『冬の家族』 (1985年)を見る [ドラマ]

向田邦子新春シリーズ『冬の家族』 (1985年)
https://www.youtube.com/watch?v=tBM7LYbxTW8

以下、上記ドラマを見ての覚書。

昭和31年12月。先に更新した『夜中の薔薇』から9年経過した設定となっている。長男は父親のコネで郵政省に入り、長女は映画関連の雑誌社に勤めている。長男役は『夜中の薔薇』とおなじく小林薫。長女役は桃井かおり。

桃井かおりは、どこまでいっても桃井かおりである。金太郎飴のように桃井かおりである。わるい意味で言うのではなく、たぐいまれな個性ということだ。

ここでは長女の恋の物語である。しかし、面倒な相手(森本レオ)を好きになった。男は離婚して子どもがいる。ねっとりした母親が同居している。離婚したはずが、まだ籍が抜かれていないことが、後に分かる。家族はもちろん反対である。その顛末が語られる。

長男は、郵政省をヤメルという。父親は反対である。逆らうヤツは家を出て行けという。長男は、家を出ても行くところがあるから見に来いと妹(桃井)を誘う。行った先は「撫子」という飲み屋。『夜中の薔薇』で長男がはじめて買った女(風吹ジュン)がマダムをやっている。その後も、つきあっていたということだ。しかし、実家を出てきても店の2階には上げないと女はいう。理由は客を取っているからだという。品書きの「目刺し」が一皿20円となっている。長女が20円、20円と言っていると、長男が「言うな」と言う。「なんで言っちゃいけないの」と長女が言うと、「お兄さんが私とはじめて会ったとき、わたし 20円だったの」「9年前のわたしの値段」とマダムが屈託なく言う。

これまで見てきた物語からいくと、割と大人しい。人間関係のもつれが少ない。ドラマとして強調されているのは、父親の家族を見るまなざしのように思う。頑固一徹でなにかと怒鳴りまわしているが、家族を心から気遣い愛している。

ナレーションが最後に入る。「あんな顔をしてて父はみんな分かっていたのかもしれない」。

ドラマ冒頭、『冬の家族』のタイトルが出るまえ、一家団欒の場面がある。父親が味噌汁の里芋をちゃぶ台に落とす。里芋は父親の箸から逃げ回る。お膳の上を行き巡った末、里芋を父親は箸で突き刺す。「それ、どうするのよ」と家族に言われるなか、父親は、里芋を口に放り込む。父親は神妙な顔をし、家族は大笑いする。

その姿を見ていたら、自分の家族が重なった。亡き父母のことを思い出した。


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向田邦子新春シリーズ『夜中の薔薇』(1985年)を見る  [ドラマ]

向田邦子新春シリーズ『夜中の薔薇』(1985年)
https://www.youtube.com/watch?v=BvAgTRILabA

以下、上記ドラマを見ての覚書。

先に更新した『眠る盃』と同じく、タイトルはモジリである。滝廉太郎の『荒城の月』の歌詞の「めぐる盃」から『眠る盃』はでている。おなじく『夜中の薔薇』はシューベルトの「わらべは見たり 野中の薔薇」からきている。実際にそれらしい事件はあっただろうが、どうも「ウソっぽい」。タイトルの方が先に決まって、それに合わせて物語を発展させたのではなかろうか。

時代背景は戦後のどさくさの時期である。民主主義が標榜され、性の解放が唱えられだしていた。その時期、女学校に通うわたし(石原真理子)は、見てはいけないものを見てしまう。尊敬する先生(いしだ あゆみ)が、男と関係を持つのを見てしまう。

先生は、愛する人を戦争で失っていた。出征して10年待った。しかし、戦地で散った。その男性が、戦地に向かう前夜、ふたりで一晩中、おはじきをしていたという。そういう話しを信じがたく私は感じているが、その美談に父親(小林亜星)も母も尊敬を新たにしていた。ところが、である。

話しは、ネエや(渡辺えり)と祖父のもとにいたトビで今は闇屋になっている男(イッセー尾形)の結婚の話しが中心になる。わが家に8年もいる娘同然のネエやを闇屋になどやれるかと反対する父親が、考えを変えるまでの話し、またそうした中で、わたしが女として成長する物語といえる。

「わらべ(私)は、見たり夜中の薔薇(先生)」である。先生は、学校に出入りする百姓男とできてしまう。その相手には、妻がいて、子どももいた。それを知っていて、関係をもったのだ。

教師が「聖職」と見做されていた時代である。先生が流行り歌を歌うなど考えられなかった頃である。先生が生徒を下宿に呼んだ深夜、男が通ってくる。先生は拒否するが、結局、迎え入れる。

その直前のシーンで、先生は、床につく前、ひとつの短歌に思いをはせる。「聖書読み、心経誦(ず)しては・・・、今宵は闇に・・・」という短歌である。そのようにしても、やみがたい衝動があることを示す歌であろう。

予科練あがりの兄(小林薫)は、闇市で稼いだ金で、初めて女を買う。雑炊1杯5円のところ女は20円。「なんでこんなに安いんだよ」「大和なでしこが20円」「女ってかわいいよな」「悲しいよな」・・と家に帰って泣く。

男がいて女がいて、綺麗ごとだけですまない生身の人間を、向田は描く。綺麗ごとを願いながら、生身のなまなましい部分に翻弄される様子を描く。それでも、人間に対して肯定的だ。弱いところがあっても、綺麗に生きたいと願い、人間としてスジを通そうと努める姿は健気ではないか。

「私」の願うところを「私」が行えなくする要素が人間にはある。聖書的にいえば、「罪」である。

パウロもその闘いにおいては、苦戦している。「罪」の力は大きい。次のように書いている。

「私は自分の体の中に,善いものが何もないことを知っています。善いことをしたいと望んではいても,実行できないからです。自分が願っている善い事柄は行わず,願っていない悪い事柄をいつも行います。それで,願っていないことを行うゆえに,それを実行しているのはもはや私ではなく,私の内にある罪なのです。(ローマ人への手紙 7章18-20節)」

と、書きながらも、「罪」との闘いが、決して負け戦とはならないこともパウロは示している。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/45/7#study=discover






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向田邦子新春シリーズ『眠る盃』(1985年)を見る [ドラマ]

向田邦子新春シリーズ『眠る盃』(1985年)
https://www.youtube.com/watch?v=CDbmX1tiMY4&t=28s

以下、上記ドラマを見ての覚書。

『眠る盃』 森繁久彌 72歳。元気だ。だいぶアドリブが入っているようだ。特に、イッセー尾形との掛け合いはアドリブっぽい。これまで見てきた当該シリーズの田中裕子・小林薫主演とは色がちがう。シリアスさが抜けている。もっとも、こちらの方が、これまで見てきたものよりシリーズの始めにあたるのだから、こうしたカラーがそもそも意図したものだったのかもしれない。あとになって、出演者が変わるとともに、シリアスになってしまったようだ。

小林亜星の父親役は、はじめて見る。はっきり言ってヘタである。最後のほうで、陸軍連隊長(梅宮辰夫)が出て行った妻を迎えに来た時に、それを匿(かくま)う義父を小林がいさめようとする場面がある。せりふがどうの演技がどうの言う前に、その存在そのものが邪魔である。その雰囲気を崩すのを森繁が(たぶんアドリブで)「あんたみたいな図体のでかいのがしゃしゃり出てくると幅をとっていけねえんだ。下がっててくれ」(58:50~59:10)と言うが、まさにその感じである。カメラの端に、要らないモノがはいってしまったという感じだ。しかし、変なものだが、逆にそれがドラマの味となっているように思う。

小林亜星については、演技はそれなりだが、音楽は久世光彦演出ドラマすべての基調をなしているようだ。森繁・田中裕子主演の『小石川の家』の音楽も、担当は大江光となっていたが、テーマ音楽や他のいくつかの曲は大江のCD化された楽曲を用いたが、それ以外の多くは小林作品を用いていたのではないか・・。いずれにしろ、小林が映像と合わせるよう久世さんから依頼されていたのではないか。そんな気がする。

この話、つまり、祖父(森繁)がトビの頭であり、母親の同級生で親しくしていた友達(八千草薫)から慕われていたこと、結婚して欲しいとまで言われていたこと、その女性が陸軍連隊長の妻となったものの、夫の不倫に苦しんで、実家に戻り、実家を追われて、祖父の元に走った、というのは、ツクリ話っぽい。

これまで見てきた田中・小林主演になってからと、シリーズのはじめに当たる当該作品とでは、その「ツクリ話しっぽい」ところにチガイがあるかもしれない。シリーズ後期であれば、そもそも「ツクリ話し」ではなく、「事実」として了解されてしまうように思う。

尾上菊五郎(六代目)が舞台の味はおでんのようなもので、鍋にはいる役者次第で味も変わると言ったと加藤武が声色を用いて話すのを聞いたが、このメンバーで出したドラマの味はこんなものだったということになるのだろう。


新装版 眠る盃 (講談社文庫)

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  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: 文庫



眠る盃 [DVD]

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向田邦子/ドラマ「我が母の教えたまいし」を見る [ドラマ]

向田邦子ドラマ劇場「我が母の教えたまいし」 田中裕子 小林薫 加藤治子
https://www.youtube.com/watch?v=mtZO8cfF8_s&t=1139s

昨日更新した『いとこ同志』が1994年で、当該作品は1989年というから、主演する田中、小林ともに5歳わかいことになる。いずれの作品でも、二人は結婚するかと思える役回りだから、その距離感が大事になる。その演技がひとつの見どころになる。

当該作品で、二人は結婚を前提につきあって3年になる。なかなか結婚できないでいる。その理由は、祝子(田中裕子)の病気にある。医師からはもうだいじょうぶだと言われているが、自分の身体(肉体)に自信が持てないでいるのだ。そして、それだけでなく、さらに理由がある。

「我が母の教えたまいし歌」はドボルザークの美しい曲だ。そのテーマを背景に、母親の「女」が語られていく。その「女性」性によって、「女だけのわが家」に疑惑が生まれ、影響が及ぶ。それは、教えられなくとも、子どもたちに受け継がれる。その受け渡しを仕方がないものと受け留められれば悩む必要はないが、自分もその「だらしない」面を受け継いでいるであろうと、祝子は悩んでしまう。

この作品のテーマは、当方に言わせれば「女」であり「肉体」である。人間を閉じ込めている肉体という枷に焦点が合わされる。そこから逃れようがないモノが示される。ドロドロした世界である。「女だけのわが家」で、初潮、つわり、妊娠、などが話題となる。肉体に注目している以上、物語は人間の世界から飛翔しようがない。「あなたはどうなの?」と問いかけられる。「おんなじ人間でしょ?」と問い詰められる。逃げ場を奪われる。否応なく考えさせられる。

まだ、向田作品のほんの一部しか見ていないが、そのような作品のテーマや傾向は、本作品に如実に示されているだけで、向田作品全体の特性ということになるのだろう。そして、実際のところ、人間は綺麗ごとだけではすまない。

結局のところ祝子は、満州にいる婚約者川島(小林)のもとに向かう。息を引き取る間際の「我が母の教え」がこころに響いたのだろう。母親をトータルに見ることができるようになったからということもできるかもしれない。人間はわるい面ばかりではない。いい面も多々ある。ともすると、身近な人間ほどわるい方ばかり見がちになるものだ。

以下、当方未読

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

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  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2020/03/10
  • メディア: 文庫



少しぐらいの噓は大目に ――向田邦子の言葉 (新潮文庫)

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/03/27
  • メディア: 文庫




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「NHK一強」とYouTube削除『父の詫び状』 [ドラマ]

昨日更新に取り上げた『父の詫び状』がユーチューブから削除されている。著作権上問題があったのだろう。本来掲載すべきものではなかったということらしい。

もうだいぶ前になるが、気に入っていた映画『ミス・ポター』など、それまで全編見ることのできたものが、一度に見ることが出来なくなった時期がある。仕方のないことだといえば仕方がないが、残念ではある。

Miss Potter (2006) Official Trailer - Renée Zellweger, Ewan McGregor Movie HD
https://www.youtube.com/watch?v=PqF25DJk-fo


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  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2008/02/08
  • メディア: DVD



『父の詫び状』は、NHK企画製作である。いまでもNHKアーカイブス(NHKオンデマンド)で売っている。ユーチューブで無料で見られては、売り上げにならない。商売する側からいくと、当然の要求ではある。
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2011031619SA000/index.html?capid=TV60

ただ、「公共放送」を公共の図書館とくらべて考えての話しだが、「公共放送」のNHKだからこそ、無料で視聴できるようにならないものかと思うのは、当方だけだろうか。なんらかの適正なルールのもとに、無料視聴できるようにして欲しいところだ。

そんな気持ちでいたら、以下の記事が目に留まった。

「毎日テレビを見るの老人ばかり」キー局が冷や汗をかく"テレビ離れ"の最新データ
PRESIDENT Online 水野 泰志 2021/07/12 15:15
https://president.jp/articles/-/47695?page=4

《「NHK一強体制」へ強まる懸念》とあるが、事実上、経済面においては、受信料を徴収している「NHK一強」になっているのではないだろうか・・・


「当方見聞録」過去記事から
【悲報】NHKが「問答無用で全PC・スマホ所持世帯から受信料徴収」する方針を決定
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2017-07-29

以下、当方未読

NHK 新版-危機に立つ公共放送 (岩波新書)

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  • 作者: 松田 浩
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/02/19
  • メディア: Kindle版



公共図書館が消滅する日

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  • 出版社/メーカー: 牧野出版
  • 発売日: 2020/05/26
  • メディア: 単行本




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向田邦子/ドラマ「いとこ同士」を見る [ドラマ]

『父の詫び状』につづいて、おなじく向田邦子・久世光彦コンビによるドラマ『いとこ同士』を見た。

お薦め/向田邦子ドラマ劇場「いとこ同士」 田中裕子 小林薫 加藤治子
https://www.youtube.com/watch?v=F6WfT9BO6CA&t=197s

いい出来だ。上記コンビ作品として、田中裕子・森繁久彌らの出演した『小石川の家』をかつて見た。たいへんいい出来だった。本作は、それ以上に思う。(追記:『父の詫び状』の演出は深町幸男。お詫びして訂正します。7/13)

田中の存在感が凄い。訳のわからん訴求感がある。胸に迫ってくる。小林薫もうまい。他の面々もすばらしい。

しかし、いちばんの功労者は、演出の久世光彦だろう。『小石川の家』とオープニングが近似している。あちらでは音楽を大江光が担当し、こちらでは先ごろ亡くなった小林亜星が受け持っている。相互に入れ替わっても大差なく感じる。そしてどちらもたいへんいい具合である。

久世光彦さん
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2006-03-08


ドラマ全体に通底するものがある。小石川の家もそうだ。描かれているのは「時」である。それは時代であり、時の経過である。大切な「時」もそうでない「時」も、こちらの都合を思いやることなく過ぎていく。その過ぎ去った時を、ふり返って愛おしむ印象がつよい。

言い換えればノスタルジーということになろう。

本作品の場合それが明らかに出ている。久世さんの思い入れがあるのだろう。北原白秋が引用される。それは謎のように用いられる。

時は逝く北原白秋
時は逝く。赤き蒸気の船腹(ふなばら)の過ぎゆくごとく、
穀倉(こくぐら)の夕日のほめき、
黒猫の美しき耳鳴(みみなり)のごと、
時は逝く。何時しらず、柔かに陰影(かげ)してぞゆく。
時は逝く。赤き蒸気の船腹の過ぎゆくごとく。

向田邦子新春シリーズ10周年記念作品「いとこ同志」
http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d0418/


思ひ出 抒情小曲集

思ひ出 抒情小曲集

  • 作者: 北原 白秋
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2012/10/02
  • メディア: Kindle版




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向田邦子/ドラマ「父の詫び状」を見る [ドラマ]

見たく思っていたドラマがYouTubeにアップされていた。

NHKで再放送したものを、VHSに録っておいたのだが、うっかり上書きしてしまって、見ることができなくなっていた。

向田邦子/ドラマ「父の詫び状」杉浦直樹 吉村実子
https://www.youtube.com/watch?v=-atMXFgDTxc

時代は昭和、太平洋戦争前後である。保険会社の支店長である頑固な父親を長女の視点から描いている。大雑把にまとめるなら、許しがたい父親を許せるようになるまでの物語である。

父親は、実の父親を知らない。未婚の母の子どもである。高等小学校を卒業して給仕として入社し東京支店長にまでなった努力家である。老齢の母親を引き取ったが、身持ちのわるい母親を許しがたく思っている。子どもたちには、礼儀作法をうるさく言う。しかし、自身は模範とは言い難い。酒を飲み、部下を突然家に連れてきては、家族に迷惑をかける。しかも、それを当然のように振る舞う。

人間ドラマである。人間はトータルに見ないといけない。トータルには、時間的な要素も含まれる。その個人の生い立ち、経歴も考慮しなければならない。目の前の姿だけで、判断してはいけない。それができると、「詫び状」とは思えないモノも、お詫びと見なすことができるようになる。

四季の移り変わり、関連行事が丁寧に描かれる。そうした中、祖母が亡くなり、父も亡くなる。人の死も、自然のひとこまのようである。

時の経過と共に、事の全体を見ることができるようになると、人は寛容になるのかもしれない。

父の詫び状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%88%B6%E3%81%AE%E8%A9%AB%E3%81%B3%E7%8A%B6

以下、当方未読

父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)

父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: Kindle版





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海賊と呼ばれた男 出光佐三  [ドラマ]

YouTubeに「海賊と呼ばれた男」がアップされている。てっきり、百田尚樹原作に依るものと思った。と、同時に、著作権のことを考えた。「全編がアップされるわけがない」。

アップされていたのは東宝製作の件の映画ではなく、出光興産が自社製作した劇場未公開作品であることが分かった。それにしては、たいへん豪華な俳優陣である。木村功をはじめ懐かしい役者が多数出演している。

社員教育のために製作されたものであることがはっきり分かる映画だが、しっかり前・後編を見、楽しむことができた。

海賊と呼ばれた男 出光佐三 「映画 日本人」1/2
https://www.youtube.com/watch?v=IBCtIrYtguI

海賊と呼ばれた男 出光佐三 「映画 日本人」2/2
https://www.youtube.com/watch?v=Yw5ya3yxDmo


第一次大戦前後の時期の創業からの10年間が描かれる。

冒頭、出光佐三ご本人がタイトルを揮毫するところから始まる。

タイトルは『日本人』。

日本人はかくあるべしという佐三氏の願いが込められているのだろう。


百田尚樹原作映画は「予告」編を見たが、「ファナティック(fanatic)」な印象を受けた。自社製作劇場未公開の方が、ずっとフツウな感じがする。

「海賊とよばれた男」予告
https://www.youtube.com/watch?v=KEhm_6U2XPs


海賊とよばれた男 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: Sony Music Marketing inc. (JDS) = DVD =
  • 発売日: 2017/07/05
  • メディア: DVD




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お気に入りの映画『暖流』と『南の風』 [ドラマ]

ここのところ戦前の日本映画を見てきたが、その中で繰り返し見ているものがある。

要するに、当方の好みということになるのだろう。

ひとつは、1939(昭和14)年の松竹映画である。

『暖流』Warm current (1939)
https://www.youtube.com/watch?v=g0f1eV2tjck&t=2139s

小野田寛郎さんの憧れ(理想)の女性は水戸光子であったと聞く。たぶん、この映画によるところが大なのではないかと思う。

小野田寛郎
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%87%8E%E7%94%B0%E5%AF%9B%E9%83%8E

佐分利信が、病院の経営を立て直すために尽力する人物を演じている。有能なリアリストである。高峰三枝子は、病院経営者の娘:お嬢様を演じている。その小学校時代の友人で、今や看護婦となり、その病院で高峰と再会するのが水戸光子。家族をすべて失い、独り身で、病院の寮住まいをしている。水戸は、佐分利に見込まれてその「腹心」として働くことになる。・・・

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吉村公三郎監督『暖流』1939年を見る
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-03-11-1

もうひとつは、

『南の風』(瑞枝の巻)South Wind (1942)
https://www.youtube.com/watch?v=sen1MH5RTzA&t=696s

こちらでは、佐分利信は、男爵家の御曹司で夢見る男の役を演じている。高峰三枝子は、おでん屋の娘。母親が旗本の出で、江戸っ子である。自転車にまたがって築地に仕入れに通い、父親を助けている。江戸っ子の伝法な言葉遣いと「ざあます」言葉を使い分けることができるシッカリ者の役。

「お金持ちの息子はおでん屋の娘に」結婚を申し込むが・・・

『暖流』とは、設定がおおちがいである。

水戸光子は、佐分利が海外で知り合い、10年以上経過した後、九州で再会する女性の役。笠智衆は、佐分利の友人で、水戸に思いを寄せる役で登場する。

獅子文六原作『南の風』(瑞枝の巻)1942年を見る
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-03-09



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新藤兼人脚本・監督『愛妻物語』1951年 [ドラマ]

宇野重吉・音羽信子主演、新藤兼人脚本・監督作品『愛妻物語』(1951年)を見る。

愛妻物語(宇野重吉、乙羽信子)1951
https://www.youtube.com/watch?v=VlDkvN8OTb0

昨日更新した『喜劇 嫉妬』の脚本を書いた新藤兼人の自伝的映画のようだ。『嫉妬』の投稿者(R2Radio13さん)の投稿リストを見ていたら『愛妻物語』が出ていたので、併せて見ることになった。

映像がきれいだ。カメラワークもいい。ドラマとしてよくできている。新藤兼人、監督第一作であるという。脚本も自分で書いている。そうとう力が入っているのだろう。精魂込めて作られたことがよく伝わってくる作品だ。

タイトルはそのものズバリである。駆け出しのシナリオライターを支え励ます女性の話しである。女性の父親は、海のものとも山のものともつかない男との結婚に反対している。その反対を押しきって男のもとに女性は走る。経済的犠牲は甘んじて受け入れる。それより、男のそばに居たいのである。

駆け出しとはいえ、坂口監督(溝口健二が想定されているらしい)からシナリオを依頼される。仕事ができるかどうか試されたのだ。それだけでも有望である証拠だが、何度も書き直しを命じられる。最初に渡したシナリオは、「シナリオになっていない」とまで言われる。自信を粉々にされる。

そうした中で「夫」が一人前になっていくまでの、いわゆる「内助の功」の物語である。「あなた一生シナリオを書いてね。あなたの一生はシナリオなの。シナリオを書くことなの。・・」と愛妻から夫は言われる。

モデルは久慈孝子。これが新藤兼人に事実生じたことであるとすれば、その言葉にそって一生を過ごしたことになる。

「妻」役の音羽信子は、のちに新藤の伴侶になり、「夫」を励ます長屋の隣人役の殿山泰司を、新藤は後に『三文役者』と題して一本の作品にしている。二人は、新藤の生涯の盟友と言っていいのだろう。


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佐分利信・高峰三枝子主演『喜劇 嫉妬』1949年を見る [ドラマ]

佐分利信・高峰三枝子主演 新藤兼人脚本、吉村公三郎 監督作品『喜劇 嫉妬』1949年を見る。

嫉妬(高峰三枝子、佐分利信、久慈行子)1949
https://www.youtube.com/watch?v=wij2ioXxkfA

戦後の映画である。結婚とは何かを「喜劇」として扱っている。

佐分利信と高峰三枝子は夫婦。結婚して7年になる。子どもを亡くしてお手伝いと3人で大きな家に暮らしている。

佐分利は会社専務である。会社では新人教育で講話もする。そこでの話を聞くと、戦後民主主義社会での結婚のあるべき姿を知っているようである。しかし、実際の家庭生活では、まったく戦前(のしかも悪いところ)を体現している。暴君である。愛人を囲ってもいる。

その暴君・夫が、妻をうたがい、妄想し、嫉妬に狂う・・・。

映画タイトルには『喜劇』という文字が付されている。冒頭流れる音楽はジャズ風にアレンジされた「結婚行進曲」(メンデルスゾーン)と「葬送行進曲」(ショパン)である。これから始まる映画は「喜劇」ですよとノロシが揚げられるが、それはあくまでも、そのようにも見ることができるということであって、内容はたいへんシリアスである。価値観が大転換した戦後社会において、同様の問題が実際に生起していたのではなかろうか。それを真向から取り扱っているように思う。

脚本は新藤兼人である。新藤は後に、女優 音羽信子を妻とする。新藤は、妻のことを話す際には「音羽さん」と言っていた(ように記憶する)。そこには敬愛、リスペクトが感じられた。(実際のところはどうか知らないが)そういう新藤の目から見るなら、佐分利のような家庭人としての振る舞いは「悪」であって、戯画化し糾弾したくなるものだったのではなかろうか。

お手伝いの女性のまえで、取り乱す佐分利の姿を見ながら、ドストエフスキーの『地下生活者の手記』の主人公を思い起こした。映画自体、外国文学作品の翻案かもしれない。佐分利が寝床で読んでいたのはバルザックの『風流滑稽譚』。バルザックの『人間喜劇』の一連の作品の何かを参考にしているのかもしれない。

同じく、戦後の映画だが、やはり佐分利と高峰が夫婦役を演じている映画に『自由学校』がある。そこでは、高峰が恐妻を演じている。佐分利はほうほうのていで家を飛び出す。併せて見るのも一興である。

渋谷実監督『自由学校』松竹1951年を見る
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2020-12-19


自由学校 [VHS]

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • 発売日: 1991/09/22
  • メディア: VHS




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『鐘の鳴る丘』、『風光る日に』を見る [ドラマ]

『鐘の鳴る丘』 第一篇 隆太の巻
https://www.youtube.com/watch?v=r3wEVeosPlU

『風光る日に』
https://www.youtube.com/watch?v=fA5kpnWm-5k

『鐘の鳴る丘』、『風光る日に』を見る。

どちらの映画も、戦争のもたらした良くない実を示している。

戦後のドサクサの時期の映画である。そこでの人間模様を描いている。

『鐘の鳴る丘』は、戦災孤児たちの生活と彼らを救済するために立ち上がった青年(佐田啓二)を描いている。浮浪児をきたない物として排斥する人もいれば、助けようとする人もいた。自分も、自分の子供も、弟や妹も、浮浪児となる可能性が十分あったはずなのに、被害者・犠牲者に同情できない人々もいたようである。映画を見ると、そうした人の方が多く、助けようとする人は少数派であったように思える。それだけ、生きることがタイヘンで、他の人のことなど構っていられない状況だったということなのだろう。

当方は、『鐘の鳴る丘』のラジオ放送も聞いていないし、映画も見ていない。それでも、「戦災孤児」という言葉は知っていた。

また、しばらく前、浅田次郎原作のテレビドラマ『シューシャイン・ボーイ』を見た。感動的なドラマだった。そこでは戦災孤児から成りあがった男(西田敏行)と彼を戦火から救い出し子供のように養育した男(大滝秀治)の関係が描かれていた。

「シューシャイン・ボーイ」 その2
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2010-11-06


『風光る日に』も、戦後のドサクサが生み出したモノが描かれている。他人の子供を自分の子供のように慈しむことのできる人は、主人公同様の経験の持ち主なのかもしれない。


『鐘の鳴る丘』で、アマゾン検索したら、次の書籍が示された。その紹介文をみると『鐘の鳴る丘』は進駐軍の指示で製作されたことが示されている。そのようなことは、他の映画でもあったと聞いている。多分、事実であろう。

「鐘の鳴る丘」世代とアメリカ ─ 廃墟・占領・戦後文学

「鐘の鳴る丘」世代とアメリカ ─ 廃墟・占領・戦後文学

  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2012/01/26
  • メディア: 単行本




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『手をつなぐ子等』『忘れられた子等』稲垣 浩監督作品を見る [ドラマ]

『手をつなぐ子等』『忘れられた子等』稲垣浩監督の2作品を見る。

どちらも知的障害児(むかしは「精神薄弱児」と言った)を扱った作品である。

『手をつなぐ子等』は、知的障害児が健常児クラスで学ぶうえでの困難と仲間からの助けを得て成長していく様子が描かれる。『忘れられた子等』は、特別学級の担任を割り当てられた若い教師の成長を扱っている。

映画としては、1948年製作の『手をつなぐ子等』の方が上等である。脚本は伊丹万作。カメラマン:宮川一夫のこだわりが伝わってくる。

『手をつなぐ子等(こら)』~巨匠“稲垣 浩” 1948年の監督作品 (REUPLOAD)
https://www.youtube.com/watch?v=h9XsP8KWlKk&t=4s

『忘れられた子等(こら)』~巨匠“稲垣 浩” 1949年の監督作品 (REUPLOAD)
https://www.youtube.com/watch?v=Pmq5npdp59M&t=1s


原作は、どちらも田村一二とあるが、ウィキペディアに「田村一二」は掲載項目となっていない。それで、ネット検索して、つぎのページ(PDF)を見出した。

それを見ると、どんな人物か、よく分かる。

〈研究ノート〉
近江学園を作った人々から学ぶ福祉の在り方
糸賀一雄・池田太郎・田村一二
石野 美也子
京都文教短期大学 研究紀要 第 58 集(p69~78)
https://www.bing.com/search?q=%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%AD%A6%E5%9C%92%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E3%81%B6%E7%A6%8F%E7%A5%89%E3%81%AE%E5%9C%A8%E3%82%8A%E6%96%B9&aqs=edge..69i57&FORM=ANCMS9&PC=U531

上記資料を見ると、映画の内容は、原作者:田村一二と糸賀一雄、池田太郎の実体験に根差したものであることが分かる。

上記PDF資料から(映画には直接描かれていない)印象的な部分を抜き出してみる。

******以下、抜粋******

修学旅行を目の前にして重度の人は一緒に連れて行くのは無理なので別々に計画していたところ、一部(戦災孤児や生活困窮児の子どもたち)から二部(精神薄弱児)も一緒に修学旅行に(連れて)行きたいという申し出があった。いつも一緒に手をつなぐように言われているのになぜ、修学旅行だけ分けるのかと言って一人の生徒が「自分が責任を持つ」というのを聞いて職員は大変感動し、旅行計画を一部の学生に任せた。何回も自発的に例会を持ち、二部の生徒をどうしたら伊勢まで連れて行けるかを考えた。その中に、研ちゃんという脳性まひの後遺症で、両足がひどく不自由な生徒がいて、とてもみんなと一緒についていけないと思っていたところ、生徒たちは何としても一緒に連れて行くといって、対策を工夫した。みんなで作った手押し車を用意し、二部の生徒の世話役を決め、おみやげを買うのを付き添ったり電車の中では危なくないようにと気を配ったりして、伊勢神宮の参拝の日を迎え、参拝では「天皇陛下でも車から降りられるのだから降りなさい」と言われ手押し車から降りるように言われると「おじさん、この子のは車じゃないんです。足なんです。だからどうか許してやってください。」と言って了解を得て、内宮の奥まで手押し車で行くことができ、無事に修学旅行は終わった。このエピソードはともに学んできたことから、一人ひとりを障害児と見るのではなく、ひとりの友達として、何が不自由であるか、どのような支援が必要かを考えたからこそ実現した修学旅行といえる。

以下、当方未読

茗荷村見聞記

茗荷村見聞記

  • 作者: 田村 一二
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2002/07/01
  • メディア: 単行本



賢愚和楽(みんなおなじ一つのいのち)――田村一二の世界

賢愚和楽(みんなおなじ一つのいのち)――田村一二の世界

  • 出版社/メーカー: 天理教道友社
  • 発売日: 1996/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



手をつなぐ子等 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: DVD




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小島政二郎原作・佐々木啓祐監督『半処女』1939年を見る [ドラマ]

小島政二郎原作・佐々木啓祐監督『半処女』1939年を見る。

主演:佐分利信、三宅邦子、川崎弘子、夏川大二郎。

Semi-virgin woman(1938)
https://www.youtube.com/watch?v=JjyIzU38uUI&t=178s

夏川大二郎は小説家。だが、著名作家の代作で生活している。三宅邦子はタクシー会社の娘で、夏川を愛し、一人前の作家になるよう応援している。川崎弘子は、夏川の死んだ弟の同級生で芸者。たまたま出会った夏川に弟の墓参りに連れて行ってくれるように頼み、それから関係を深めていく。佐分利信は、映画会社の重役で、たまたま依頼したハイヤーの運転手が三宅であったことで、自社で働くように勧める。佐分利は妻子がいるが、妻は精神を病んで入院中。佐分利は、幼い子どもの面倒をみてもらううちに、三宅に恋心を持つようになる。・・・

たいへんよくまとめられてはいるが、突っ込みどころのたくさんある映画だ。

恋人にちゃんといきさつを言って、わけを話せば、誤解は解けたろうに・・とか、当時自動車の運転ができてフランス語もできる女性が、田舎で女給などするだろうか・・とか、死に瀕する重態の夫を置いて、妻が家をあとにし、夫の元恋人を迎えに行くだろうか・・とか・・

小島政二郎原作映画は、以前に『人妻椿』を見ている。その印象を記した際《たいへんスジの展開が面白く、それだけでも高評価に値すると思うが、ところどころに無理がある。たいへん無理がある。面白くするための誇張や飛躍がある。その点で、原作はどうなのだろうかと興味がわく》と、書いている。それは、本映画の印象でもある。
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-02-20

文学賞をとって新聞小説の連載もするようになった夏川は、バーで飲んだくれるようになる。そのバーのようすを見ながら、太宰治を撮影したバーのカウンター席を思い出した。
http://www.age.ne.jp/x/matchy/dazailupin.html


以下、当方未読

円朝〈上〉 (河出文庫)

円朝〈上〉 (河出文庫)

  • 作者: 小島 政二郎
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/07/04
  • メディア: 文庫




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林芙美子原作『波濤』1939年を見る [ドラマ]

林芙美子原作『波濤』1939年を見る。

桑野通子、木暮 実千代が共演している。

Surging Waves(1939)
https://www.youtube.com/watch?v=c2ajYhbvWUY&t=11s

男3人、女3人の友情物語、といったところか。

桑野路子は、男の友情に阻まれて、好きな人と一緒になれないという役どころ。

ここで桑野は、たいへん日本的でおとなしい、しかし、芯のある役を果たしている。これまで、モダンガールやすこしクセのある役柄を見てきただけに新鮮だった。

だが、最後に跳躍する。

大跳躍である。




桑野通子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%91%E9%87%8E%E9%80%9A%E5%AD%90


新女性問答 [DVD]

新女性問答 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ケイメディア
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: DVD




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