2019年映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」を見る [ドラマ]
深夜、火事があって眠れなくなり上記映画を見る。いい映画だ。瀬戸内寂聴の言葉を思い出す。野上弥生子の言葉に対するものだ。軽井沢の別荘に一人こもって執筆していた野上が、「あなたにできる?」と言ったそうだ。それに対して寂聴が、こころのうちで「できますとも」と答えたというものだ。ホンモノの作家は、書き続けるものだ。世評云々ではない。書くのが「業」であるからだ。サリンジャーはホンモノだったということだろう。そんなことを思いながら見た。
源氏物語翻訳への情熱:現代作家たちの
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2008-02-03
ついでだから、火事のことを書いておく。
なにごとか音がする。はじけるような音だ。空襲か? 経験したことはないが、そう思う。寝ぼけているのだ。時計を見ると2時半を過ぎている。
南の窓が赤く揺らめいている。カーテンを開けるが炎は見えない。ポンポンとはじける音がする。夢うつつに聞いたのはこの音だ。
そのうち女の高い声で「カジ―、カジ―」と聞こえてくる。消防に連絡はしたのだろうか、自分がするようか、など思う。起きあがって窓のそとを見ると、住人が表に出ている。4人ほど北を向いて立っている。だれか分からない。影がゆらめく。
北側の窓に向かう。窓を開けると炎が立ち上がっている。はす向かいの家である。ほおに熱気が伝わってくる。風は北から吹いている。火の粉が舞いあがる。
焚火とはわけがちがう。
軒を接する家ではない。10メートルは離れている。すぐさま避難する雰囲気ではない。火事を見る余裕がある。
火が出たのは空き家で、ながらく放置されている家だ。どうして火災が発生するのだろう。放火も考えられる。よく気づいたものだと「カジ―」の女のことを思う。火のはぜる音がすさまじく、慌ててとび起きたのだろう。
隣家の老人の怒鳴り声がする。孫の名前を呼んでいる。車を移動するようだ。
消防がやってくる。放水も始まる。消火栓はわが家の北にあるようだ。引きだしたホースを、わが家の玄関前をとおし、南西側から放水している。
消防士はヘッドランプをつけ酸素ボンベを背負って、「・・さん」「・・さん」と互いに呼び、指示をだし作業している。10人は来ているもようである。
そのうち警察もくる。
消防が退去したのは5時近くである。放水を始めたのは3時過ぎていたと思う。それからは「もう大丈夫」と思い、当方は映画を見ていた。
隣の家は、火の出た家から物置ひとつはさんで5メートルほど。消防車を停めるのに移動するよう頼まれたのかもしれない。家の北側に置いてあった車3台を移動していた。わずかの距離で対応がまったく異なる。
焼けた家には老夫婦が住んでいた。20坪くらいの平屋で、空き家になって10年ちかくなるように思う。これからますます空き家が増える。空き家に勝手に入り込むホームレスがいるかもしれない。入り込んで悪さをする若い連中もでるかもしれない。わざとではないにせよ、火の不始末がもとで火災が発生するかもしれない。社会不安が増すと、故意に火をつける輩がでるかもしれない。こうした火事を出した場合の責任はどうなるのだろう。延焼はなく、今回の火事は敷地内で済んだようだが・・
追記:午前10時頃から消防、警察による現場検証がなされているもよう。もっと早くからかもしれない。午前11時少し前に、警察が二人でやってくる。警察手帳を提示する。もちろん火事のことである。近所を順に回っているようだ。放火を念頭においてのことであろう。不審者についての情報を得ようということらしい。当方の車にドライブレコーダーが付いていないか尋ねられる。あいにく付いていないと伝える。当方の連絡先を教える。ボードに控えようとするので当方が書いてやる。先に2名の連絡先が書いてある。その時、先に書かれた氏名のところを警察が指で隠す。隣の家の人の氏名である。個人情報保護ということらしい。今日は日差しがなく寒い。仕事とはいえ、警察もなにかとたいへんである。