トルーマン・カポーティ のドキュメンタリー映画を見る [ドキュメンタリー]
先の更新で『ライ麦畑でつかまえて』のJ・D・サリンジャーの劇映画を取り上げた。今度はトルーマン・カポーティのドキュメンタリーである。本人の映像を見ることができる。テープに収録された多くの人の談話からカポーティについて知ることができる。
たとえばノーマン・メイラーは、「彼の特別な才能とは?」と尋ねられて、次のように答えている。
「文章だ。最高にすばらしい。同時代で彼に敵う者はいない。当時のニューヨークをあれほど見事に描いた小説(『ティファニーで朝食を』のこと)があるか?時間と場所をとらえるセンス、誰より息のながい作家になる」
カポーティは殺人犯と交友を結び、その事件を追って『冷血』を完成させ、ハイソサイティーの婦人たちの中に身を置き、道化や幇間のようにふるまいつつ、彼女たちにとって衝撃となる『叶えられた祈り』を書く。
カポーティの本領は「冷酷」な観察力にある。
未完の長編『叶えられた祈り』は自殺者を生んだ。その作品は実のところ完成していて、遺された部分はどこかにあるという話である。カポーティは『失われた時を求めて』を念頭において執筆した。遺された部分は本当にあるのだろうか。それとも、噂に過ぎず、失われたままとなるのだろうか・・
『冷血』の著者 T・『カポーティ』の映画を見た
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2016-02-27