作家デビュー30周年 京極夏彦(ダ・ヴィンチ 2023年10月号) [本・書評]
特集が2題組まれている。表紙イラストからいくと第二特集の「SNSマンガ」の方が第一特集の「京極夏彦」より主要なものに思える。実際のところ読者の多数はSNSマンガに目を向けるのだろう。当方は「京極夏彦」と題字が出ているので見ることにした。
目次には次のようにある。特集1 「百鬼夜行」シリーズ最新作『ヌエの碑』9月14日発売 作家デビュー30周年 京極夏彦
京極夏彦の名を知ってはいるが、当方はまったく読んでいない。書店にいくとやたら分厚い本が置いてある作家というイメージで、どうも怪談めいた話を書いているらしいといった程度の知識しかない。それでも水木しげるさんとなんらかの関係がある人物という認識はあった。
特集ページに目をやると京極氏の写真が出ている。デザイン畑から入ったというプロフィルもでている。スタイリストが付いて衣装など決めたのかもしれないが、自らをデザインされているのがよく分かる。前髪を片方下ろすようにして片目を隠すところなど「鬼太郎」である。
読者との問答が示されているが、書きたいものがあって書いてきたのではないというのが印象に残った。やむにやまれない切実なモノに衝き動かされて書くというのでなしに成功してしまったということだ。書くことにおいて天性のモノを持ち合わせているのだろう。作品の長短にかかわらず3か月で書きあげてしまうという。驚きである。
特集全体の流れからいくとファン待望の新作『鵺の碑』の宣伝、ならびに既刊書の紹介である。〈『百鬼夜行』シリーズ全作ガイド〉。宮部みゆき、又吉直樹との対談が用意されている。
京極夏彦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%A5%B5%E5%A4%8F%E5%BD%A6