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「伝える場」をつくるゴキブリの「存在感」のすごさ [本・書評]

昆虫への関心を子どもの頃からもっていて昆虫館に就職したものの、ゴキブリはダメで敬遠してきた方が、ゴキブリ研究を始めて学術論文を書くにいたる。そういう本を読んだ。

以下の本である。


ゴキブリ研究はじめました

ゴキブリ研究はじめました

  • 作者: 柳澤 静磨
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2022/07/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



そこにゴキブリのパワーについて記されている。昆虫館で「ゴキブリ展」を開催したら、それまで身近にあっても認知されず、いわば素通りされてきた昆虫館に足を運んでもらえたというのである。(以下「・・」は上記書籍の引用)

「こういった方とお会いするうちに、『ゴキブリは、伝えることにおいて、とんでもないポテンシャルを秘めた生き物なのではないか?』と思い始めました。興味のない人でも、つい気になって見に来てしまう。つまり「伝える場」を作ってしまう、すごい生き物なのではないかと。

(中略)

だから私は、『ゴキブリは、嫌われてるからおもしろい』と思うのです。嫌われ者として大きな存在感をもっているからこそ、生き物に興味がない人にも『知りたい』と思わせる。そして、生き物の素晴らしさ、自然の大切さに気づくきっかけをつくってくれる。これはきっと、ゴキブリにしかできないことです。(p162-3)」


以前どこぞやで役者は「存在感」さえあれば、あとは何とかなってしまう、というような話を聞いたことがある。その点からいくとゴキブリは押しも押されもせぬ大看板であるということだ。

いつぞや「ペヤング・ソースやきそば」にゴキブリが混入していたということで大騒ぎとなり、メーカーは半年ほど休業して工場の徹底改善を図り、そのことが好評価されて、その後売り上げを伸ばしたことがあった。それも考えようによってはゴキブリ様の「存在感」のお蔭で「伝える場」が作られ、大々的な宣伝となったから、と言える。

まさにゴキブリ様様である。

「ペヤングソースやきそば」“刷新”なる。小渕優子元大臣の場合は・・
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2015-06-09



ぺヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力

ぺヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力

  • 作者: 谷藤賢一
  • 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
  • 発売日: 2019/12/27
  • メディア: Kindle版




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