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向田邦子新春シリーズ『男どき女どき』(1988年)を見る [ドラマ]

向田邦子新春シリーズ『男どき女どき』(1988年)
https://www.youtube.com/watch?v=0zNd8LotjDA

以下、上記ドラマを見ての覚書。

向田邦子の名前を借り、その家族を中心とした物語のワク(枠)を借用した(少々語弊があるが)「デッチアゲ・ドラマ」である。言いたいことは、ドラマの枠組みは向田だが、中身はベツモノということである。

製作サイドとしては、太平洋戦争前夜の緊迫した様相を示したかったのだろう。一家のなかに治安維持を担うものと革命を図るものとが同居していて、そのことを一家の女たちは全く知らずにいるという設定がなされている。

「噴飯もの」である。

三木のり平と波乃久里子が破格にうまい。自由に演じている。その解放感が伝わってくる。あとは、いけない。田中裕子もいけない。脚本どおりに演技しているだけで俳優に責任はないかもしれないが、『女の人差し指』『麗子の足』そして『男どき女どき』での田中はカマトトっぽくていけない。つまり、ドラマのなかでの演技が演技として感得されてしまうということだ。そういう様態では、見ていてドラマの中に入っていけない。


同じ日米開戦前夜の映画を見るのであれば、太平洋戦争中の映画『開戦の前夜』のほうが面白い。アメリカ大使館員の役を日本人が演じている、カタチとしてはまさに「噴飯もの」だが、『男どき、女どき』より、はるかにリアリティーがある。加山雄三の父:上原謙、寅さんのご隠居さま:笠智衆、田中絹代らが出ている。

Eve before the war(1943)
https://www.youtube.com/watch?v=bcrTl_lozog

吉村公三郎監督『開戦の前夜』1943年 を見る
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2021-01-14


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