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常陸山、双葉山ら先達の鋭意努力をダメにして・・・ [歴史雑感なぞ]

北の湖が理事長になってからのことだったかどうかは忘れた。

中村メイコのむすめの神津カンナが、北の湖にインタビューしたときのことを話していた。

もちろん直接に聞いたわけではない。ラジオかなにかで見聞きしたことだ。それでも、印象に残って、おぼえている。たしか、神津カンナもそのことを印象に残ったこととして話していたのだったように思う。

相撲部屋の「親方としてタイヘンなことは何か」と尋ねたときの答えとして話していたのだったと思うのだが…

北の湖親方の答えは

「ダメなやつをどうするかだな…」というものだった。


序の口からはじまって順調に出世して十両にあがり関取と呼ばれるようになるのは一握りしかいない。その一握りに入らない・入れない連中をどうするかということが頭痛の種のように話していたのだったと思う。

かりにいつ相撲をやめることになっても、すぐ一般社会に出て“りっぱな人物”として認められ「使いモノ」になるようであればいいが、そうそうそうはうまくいかない苦労を述べているようにも思えた。


明治のころ、相撲取りに警察から与えられた鑑札は、「芸者」としてのものだったと聞く。

なんのことはない、そのむかし相撲取りは「男芸者」であったのだ。

水戸藩の弓術の指南役をしていた武家の出の少年は相撲取りになることを親から大反対されたと聞く。その少年(後の「常陸山」)は、一代で相撲界を隆盛させ、後にアメリカにわたって大統領を表敬訪問する機会を得る。

しばらく前、新聞で読んだことだが、双葉山を知る(実際に対戦もし、90歳以上になられる、居合や杖道にも優れた)方の談話によれば「(双葉山は)どこ(の世界)にもっていっても大丈夫な人物」という評価が与えられていた。


そうした先達たちの鋭意努力の末、築き上げられてきた世界をみなしてダメにしてしまった。

新しい「理事長」の仕事は、

「ダメなやつらをどうするかだな…」



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