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燈籠流し [詩のようなもの]

川はふたつの町をへだてていた。

数年にいちど、北の岸から燈籠が流された。

燈籠が流されると、南の岸の住人らも燈籠を見にやってきた。 川辺の人だかりは影となって北の町からたいへん小さく見えた。

 

ゆらゆらゆらめく淡いひかりが闇のなかをただよう。彩色のほどこされたひかりはうす紙をとおして淡いうえに、川面のちいさな揺れやうすい夜風にちらちらと火影をゆすった。

燈籠はいつまでも岸のちかくでうごかないものもあれば、岸からさっさとはなれてとおくなっていくものいろいろであった。


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