燈籠流し [詩のようなもの]
川はふたつの町をへだてていた。
数年にいちど、北の岸から燈籠が流された。
燈籠が流されると、南の岸の住人らも燈籠を見にやってきた。 川辺の人だかりは影となって北の町からたいへん小さく見えた。
ゆらゆらゆらめく淡いひかりが闇のなかをただよう。彩色のほどこされたひかりはうす紙をとおして淡いうえに、川面のちいさな揺れやうすい夜風にちらちらと火影をゆすった。
燈籠はいつまでも岸のちかくでうごかないものもあれば、岸からさっさとはなれてとおくなっていくものいろいろであった。
2007-08-16 06:24
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0