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ペーター・シュライヤーのこと [アート・美術関連]

5年くらい経つだろうか

新聞のプレゼント欄に『ペーター・シュライヤー・リサイタル』ペアチケット・プレゼントと出ていた。

二つの新聞社から、そのような案内が出ていた。

それで、2社ともに応募したのである。

そうしたら、ナント、ペアチケットが二組当たってしまった。

 

世界的なテノールが『冬の旅』を歌うという企画だった。

本来、シュライヤーの特意とするのは同じシューベルトでも『美しき水車小屋の娘』の方だ。

だから、年を取って、高い声が出せなくなったのかな・・などと思っていた。

 

当日、午前中のことだが、新聞社から連絡があった。

シュライヤーの体調が悪く、リサイタル中止の可能性があることを伝えてきた。

半分諦めかけていたが、午後になって、開催されるという連絡が入った。

 

それで、晩、出かけたのである。

座席は2000席ほどある会場の端の端であった。

プレゼントのチケットとはいえ、アンマリにも端なので可笑しかったほどだ。一番後ろの一番右側で、プレゼント・チケットで入場したナとスグわかるような座席であった。

 

いろいろコンサートは出かけたが、声楽のリサイタルは初めての経験であった。

たいてい、どんなコンサートも、初めは「ああ・・ヤッテルな・・」という印象であるのだが、ソノ時は違った。

『冬の旅』の第1曲〈おやすみ〉のピアノ伴奏が始まり、シュライヤーの声が出たとたん

口アングリだった。

全24曲通しで歌った。

ずっと、口アングリだった。

会場の隅の隅にいることなど忘れていた。

 

シュライヤーは、体調の悪さなどまったく感じさせなかった。

声量といい、声の艶やかさといい・・、シュライヤーその人自身が見事な楽器そのものだった。

 

翌日、会場に電話して、「マイクを用いたのか」と尋ねたら

「使用していない」という答えだった。

 

もう日本でのリサイタルは無いというハナシである。

 

わたしにとってシュライヤーを生で聴けたというのは貴重な財産である。

シューベルト:冬の旅

シューベルト:冬の旅

  • アーティスト: シュライアー(ペーター), シフ(アンドラーシュ), シューベルト
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1997/05/25
  • メディア: CD

 

 


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コメント 4

Santa

先ずは運の良さにniceですね。
だって新聞応募って本当に当たらないですからね。
ものすごい数が来るらしいですよ。
それがよりによって別々に当たるなんて…たぶん
一生分の幸運使い果たしたかも(笑)
そんなことないか(笑)失礼しました。

私もそういう声楽のリサイタルは聴いたことがないですが、
さぞ良かったのでしょうね。うらやましいです。
体調不良からリサイタル中止なんていうどきどきも
結局は行われて良かったです。

そういう芸術に触れることからずいぶんと遠ざかって
いるのがちょっと寂しい今日この頃です。
by Santa (2006-09-02 08:03) 

環虚洞

Santaさま
地方紙と大手新聞の地方版に出ていたプレゼントだったです。
よく当たるんですよ。ロン・カーターもそうですし、ソニー・ロリンズもそうですし・・落語のチケットもいただいて檀志、円蔵、・・・。
“地方版”が狙いどころかもしれません。
「芸術の秋」ですので、どうぞこれからご家族で・・・
by 環虚洞 (2006-09-02 21:08) 

Santa

いやいやそうですかねぇ。
そう当たるようには思えないので…でも結構ゲット
出来ているのですね。
地方版ね。今度出してみます。
by Santa (2006-09-03 06:04) 

環虚洞

アタリマスヨウニ!!
by 環虚洞 (2006-09-03 12:05) 

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