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A級戦犯処刑者のホネの行方とそうされた目的 [歴史雑感なぞ]

昨日の『読売新聞』夕刊に、東条英機ら東京裁判処刑者の骨がどのように扱われたかしるされていた。

いま、ネットで『読売新聞』の該当記事がでているか見たが、見いだせなかった。

(かわりに、スポニチ(アネックス)記事を、『追記』部分に全文掲載)

『読売』記事では、横浜沖30キロ(マイル?)に散骨されたという。

これまで明確でなかったような書きぶりだった。明確であれば、記事にはならないだろうから、はじめて明らかにされた情報なのだろう。アメリカ側の文書で明らかになったらしい。

当方は当然ながら遺骨は遺族に返されたものと思っていた。遺族は要求しなかったのだろうか。

キリスト教的思考からいえば、「罪の報いは死」で、死ねば生前の罪は帳消しという考えだ。『ローマ人への手紙』の6章には「罪の代償は死」,「死んだ人は自分の罪から放免されている」とある。そうであれば、キリスト教を奉じるアメリカ側が、遺族に返還しないのは ❝らしくない❞。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/45/6#study=discover

だが、『読売』記事に出ていた理由は、別の意味で聖書的ではあった。A級戦犯たちが「神聖(英雄)視」されるのを避けるため、とあった。聖書によるとイスラエル民族をエジプトから救出したモーセほどの人物の「墓」がどこにあるか分からないことになっている。

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申命記34:6には「 神は,ベト・ペオルに面するモアブ地方の谷にモーセを葬った。今日まで,彼の墓を知る人はいない」と記されている。モーセの遺体:墓が、神聖視され偶像とされるのを避ける意図が、そこにはあったようである。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/5/34#study=discover

イエスの実の兄弟『ユダ』による聖書文書には、モーセの死後その「(遺)体」に関する論争が(天使長ミカエルと悪魔サタンとの間で)あったことも示されている。
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/65/1#study=discover


キム・ジョンイルの遺体
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2011-12-21

実際のところ、そこまで聖書に思いを馳せたかどうか不明であるが、戦後、日本人の思考をアメリカナイズしようというときに、東条英機らが英雄視・偶像視・神聖視されることは、アメリカ側にとって大いにコマルことであったにはちがいない。


と、書いてきたが、当該記事はいかにも当方 ❝らしくない❞。話題にする出典記事が手元にないことが原因だ。まちがったことを時に書くかもしれないが、どんな場合でも根拠だけはシッカリしておきたい。


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昭和史の謎ついに、東条元首相らA級戦犯遺骨は「太平洋に」米軍将校証言 スポニチ 2021年6月7日 05:30

第2次大戦後、極東国際軍事裁判(東京裁判)で死刑判決を受けた東条英機元首相らA級戦犯7人の遺骨について、米軍将校が「太平洋上空から私がまいた」と記した公文書が6日までに見つかった。米軍による具体的なA級戦犯の遺骨処理の方法が公文書で判明するのは初。遺骨は遺族に返還されず、行方は昭和史の謎とされていた。
 7人が処刑された1948年12月23日付と、49年1月4日付の2種類の極秘文書(機密解除済み)で、現場責任者のルーサー・フライアーソン少佐が経緯を記していた。

 東条元首相のひ孫東條英利さん(48)は「遺骨がどこかに廃棄されるより、海への散骨で自然に返されたのはましだ」と冷静に受け止めた。



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