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皇紀二千六百年記念映画『燃ゆる大空』1940(昭和15年)を見る [ドラマ]

Flourishing Large Sky(1940)
https://www.youtube.com/watch?v=zX0_rDHRlXQ&t=738s

同時代の映画のなかでもフィルム、録音状態がいい。

『特撮の神様』円谷英二が本名の英一名義でスタッフに入っているが、飛ばしているのはホンモノの戦闘(爆撃)機である。中国戦闘機を模しての空中戦の場面など迫力がある。

当然ながら、すべてプロペラ機だ。見ていて、「ブタが雲をひいたぜ」というセリフの入る、宮崎駿監督の『紅の豚』を思い出した。 

ドラマとしても興味深い。

陸軍飛行学校時代の仲良し4人組が、実戦部隊に配属された後、たどる運命が示される。

学校がどのように運営されているかが分かる。規律が尊ばれる。個人宛の手紙や小遣いの使い道まで監督される。

学校時代の教官が、実戦部隊に中隊長として着任する。元教官と仲良し4人組との絆も描かれる。

4人組のうち3人が、一人また一人と名誉の戦死を遂げていく。死ぬことは望ましいこととされている。戦死した友人のことを「うらやましく思う」と言う。死ねなかったことは運がなかったこととされる。弱い自分を発揚させるために軍人勅諭を暗唱するよう勧められる。

「後援 陸軍省 監修 陸軍航空本部 皇紀二千六百年記念映画」である。


私ごとだが、当方の伯父は、昭和2年生まれで予科練に行った。鹿児島県の鹿屋基地で特攻機に乗ることなく終戦を迎えた。高等小学校では「○○君に続け」と模範生扱いされたという。

その伯父なども、こうした映画を見て「俺も」という気になったのかもしれない。

当該映画は、当時の軍国少年少女老若男女の精神を知るいい教材になりそうだ。

燃ゆる大空
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E3%82%86%E3%82%8B%E5%A4%A7%E7%A9%BA#%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95

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  • 発売日: 2015/05/20
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