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『家庭日記』清水 宏監督 1938年 [ドラマ]

家庭日記
https://www.youtube.com/watch?v=TSVuy5lKYUA

タイトルからしてサザエさんのような映画かと思ったが、とんでもない。

原作は吉屋信子である。最近見た『男の償ひ』、『良人の貞操』の原作者である。どちらも人間の弱さ、原罪を直視するような作品である。本作品も、凄みのある映画だ。
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佐分利信と高杉早苗が夫婦役。高杉早苗は、香川照之の祖母にあたる。貞淑な妻を演じている。その結婚は、恩師の勧めによるもので、学資を得るために恋人(三宅邦子)と別れて高杉の家の婿となったのだ。

その親友夫婦を上原謙と桑野通子。上原は医者の父の意向に反して、女給あがりの女をめとる。高杉とは対照的な、プチ阿婆擦れ(あばずれ)を桑野が演じる。

学業を全うすることなく道楽の写真技術で生活するため駆け落ち同然で上原夫婦は大陸にわたる。そして、子どもを連れて日本に戻ってくる。義理を欠いているので、実家へは帰ることができない。

佐分利は、研究職(医学)について幸福な家庭を築いている。女中をひとり置いてもいる。そこに、上原夫婦がやってきて、貸家さがしの世話を頼むところから話が展開していく。

「幸福な家庭」とは?「貞淑」とは? 当時の感覚を知ることができて面白い。


家庭日記 [VHS]

家庭日記 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • 発売日: 1992/11/21
  • メディア: VHS




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