「火事場のばか力」読書法
花粉症がひどい。はなみずが出る。アタマも痛い。風邪をひいたかと思うほどだ。先日も、そんなことを書いた。今日は、パブロンをのんでいない。のむほどの頭痛ではない。
アタマが痛かろうがなんだろうが、本は読む。トルストイの「イワンのばか」にちかい。イワンは、腹痛がひどくても、ウンウン言いながら、畑を耕した。ひどい頭痛でも、ばかのイワンのように、ウンウン唸りながら、読み進めたいほどの本に出会いたいものだと、逆に思う。それで、無理がたたって死んでしまい、言わんこっちゃないとか言われても本望と言いたいところ。
速読のコツをいろいろ学んできた。一番いいのは、オモシロイ本に出会って、没頭するとき自然に速くなるようだ。しかし、それはコツでもなんでもない。オモシロくない本でも、速く正確に読み取り、それを暮らしに活かせてこそ、技術である。
たぶん、本をたくさん読んだ人の中でも上位にはいるのではないかと思う人に、井上ひさしがいる。その読書法をみると、決して速くはなりそうに思えない。蔵書をご自分の出身地に寄贈したような話を聞くが、資料として読んだものがほとんどなのだろうか。
『本の運命』に記されている読書法とは以下のようなものだ。
「井上流本の読み方十箇条」
その一、オッと思ったら赤鉛筆
その二、索引は自分で作る
その三、本は手が記憶する
その四、本はゆっくり読むと、早く読める
その五、目次を睨むべし
その六、大部な事典はバラバラにしよう
その七、栞は一本とは限らない
その八、個人全集をまとめ読み
その九、ツンドクにも効用がある
その十、戯曲は配役をして読む
これは、どう考えても、速読の方法ではナイ。その四に「早く読める」とあるが、結果そうなるということであって、速く読むことを勧めるものではない。
ちなみに、アーウーで有名だった自民党の故・大平正芳首相の郷里にある「大平文庫」には15000冊の蔵書が残っており、それは全部読み終えたものだという。
文章語を用いて論理的に語るために
(斉藤孝の「大人のための読書の全技術」から)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-09-24
同じ本のなかで、井上は丸谷才一と大江健三郎の名をあげて、お二人が「どういうふうに時間を都合してどうよんでいるのか、これは永遠の謎」と書いている。お二方はよっぽどの速読家であるのだろう。あったのだろう。どこかに、きっと秘訣を書いているにちがいない。調べたいところだ。秘訣を秘密のままで亡くなっていったのであれば、それまでだが、だれか、その本を読む様子を見た人もいるだろう。編集者とか、証言して欲しいものだ。大江さんは、ご存命なのだから、書き残して欲しいところ。
また、「僕は、司馬さんが本を読んでいるところを見たことがありますけど、あの方は 『写真読み』 です。文字を読むんじゃなくて、頭の中に写している」と井上は書いている。司馬遼太郎の読書法については、NHKクローズアップ現代の追悼番組でも紹介されていた。編集者の方が証言しているのを聞いた。喫茶店で編集者がコーヒーを1杯飲む間に、手帳にメモをとりながら、5冊くらい読んでしまうと言っていた。最近、司馬さんのホームドクターなる人の本を読んだが、司馬さんのは「ポイント読書法」であるとまとめていた。
そこには、こうあった。
《しかし、それにしても早い。何しろ、一晩です。私は恐る恐るうかがいました。/ 「先生は、今話題の速読法か何かおやりなのですか?」/ すると先生は、/ 「わたしはそんなものはやらん。要所要所をしっかりと読解するんだ。ここがポイントだという箇所に集中するんだ。そうすると自ずから、その部分が頭に入ってくる」 / これは司馬先生独自の『ポイント読書法』です。不要な部分は飛ばし、重要部分を瞬時に見分け、その部分に集中する。そしてそこを精読する。すると、必要なことだけが頭に残るのです。この方法は今日からでも活用できる読書法といえます》。
司馬遼太郎のホームドクターの本から
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
まだ、司馬遼太郎記念館の11万冊の書棚を見上げる機会はない。たぶん、見たなら圧倒されることだろうと思う。司馬さんのように、仕事柄、資料にせよ、趣味によ、大量に読まなけらばならない状況にあると、「火事場の馬鹿力」が発揮されて、常人を超えたことができるようになるのかもしれない。
「火事場のイワンの馬鹿力」を生みだせるように、自分を追い詰めるというのも、ひとつの方策か・・・。いずれにしろ、自分に合った方法を編み出していきたい。
アタマが痛かろうがなんだろうが、本は読む。トルストイの「イワンのばか」にちかい。イワンは、腹痛がひどくても、ウンウン言いながら、畑を耕した。ひどい頭痛でも、ばかのイワンのように、ウンウン唸りながら、読み進めたいほどの本に出会いたいものだと、逆に思う。それで、無理がたたって死んでしまい、言わんこっちゃないとか言われても本望と言いたいところ。
速読のコツをいろいろ学んできた。一番いいのは、オモシロイ本に出会って、没頭するとき自然に速くなるようだ。しかし、それはコツでもなんでもない。オモシロくない本でも、速く正確に読み取り、それを暮らしに活かせてこそ、技術である。
たぶん、本をたくさん読んだ人の中でも上位にはいるのではないかと思う人に、井上ひさしがいる。その読書法をみると、決して速くはなりそうに思えない。蔵書をご自分の出身地に寄贈したような話を聞くが、資料として読んだものがほとんどなのだろうか。
『本の運命』に記されている読書法とは以下のようなものだ。
「井上流本の読み方十箇条」
その一、オッと思ったら赤鉛筆
その二、索引は自分で作る
その三、本は手が記憶する
その四、本はゆっくり読むと、早く読める
その五、目次を睨むべし
その六、大部な事典はバラバラにしよう
その七、栞は一本とは限らない
その八、個人全集をまとめ読み
その九、ツンドクにも効用がある
その十、戯曲は配役をして読む
これは、どう考えても、速読の方法ではナイ。その四に「早く読める」とあるが、結果そうなるということであって、速く読むことを勧めるものではない。
ちなみに、アーウーで有名だった自民党の故・大平正芳首相の郷里にある「大平文庫」には15000冊の蔵書が残っており、それは全部読み終えたものだという。
文章語を用いて論理的に語るために
(斉藤孝の「大人のための読書の全技術」から)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-09-24
同じ本のなかで、井上は丸谷才一と大江健三郎の名をあげて、お二人が「どういうふうに時間を都合してどうよんでいるのか、これは永遠の謎」と書いている。お二方はよっぽどの速読家であるのだろう。あったのだろう。どこかに、きっと秘訣を書いているにちがいない。調べたいところだ。秘訣を秘密のままで亡くなっていったのであれば、それまでだが、だれか、その本を読む様子を見た人もいるだろう。編集者とか、証言して欲しいものだ。大江さんは、ご存命なのだから、書き残して欲しいところ。
また、「僕は、司馬さんが本を読んでいるところを見たことがありますけど、あの方は 『写真読み』 です。文字を読むんじゃなくて、頭の中に写している」と井上は書いている。司馬遼太郎の読書法については、NHKクローズアップ現代の追悼番組でも紹介されていた。編集者の方が証言しているのを聞いた。喫茶店で編集者がコーヒーを1杯飲む間に、手帳にメモをとりながら、5冊くらい読んでしまうと言っていた。最近、司馬さんのホームドクターなる人の本を読んだが、司馬さんのは「ポイント読書法」であるとまとめていた。
そこには、こうあった。
《しかし、それにしても早い。何しろ、一晩です。私は恐る恐るうかがいました。/ 「先生は、今話題の速読法か何かおやりなのですか?」/ すると先生は、/ 「わたしはそんなものはやらん。要所要所をしっかりと読解するんだ。ここがポイントだという箇所に集中するんだ。そうすると自ずから、その部分が頭に入ってくる」 / これは司馬先生独自の『ポイント読書法』です。不要な部分は飛ばし、重要部分を瞬時に見分け、その部分に集中する。そしてそこを精読する。すると、必要なことだけが頭に残るのです。この方法は今日からでも活用できる読書法といえます》。
司馬遼太郎のホームドクターの本から
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
まだ、司馬遼太郎記念館の11万冊の書棚を見上げる機会はない。たぶん、見たなら圧倒されることだろうと思う。司馬さんのように、仕事柄、資料にせよ、趣味によ、大量に読まなけらばならない状況にあると、「火事場の馬鹿力」が発揮されて、常人を超えたことができるようになるのかもしれない。
「火事場のイワンの馬鹿力」を生みだせるように、自分を追い詰めるというのも、ひとつの方策か・・・。いずれにしろ、自分に合った方法を編み出していきたい。