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山口謡司と杉本秀太郎 [言葉*ことば*コトバ]

お二方の名前をあげたのは、たまたま新聞に山口氏の新刊の紹介と杉本氏の訃報(毎日新聞「悼む」8/10)とが相前後して掲載されたため。お二方ともに和漢洋に通じておられ羨ましいかぎりに思えたから。

山口氏は、中国学で博士号をとり英仏の大学に留学して、『妻はパリジェンヌ』。このたび『にほんご歳時記』を出した。杉本氏は、フランス美術史の名著とされるアンリ・フォション『形の生命』の翻訳者であると同時に『太田垣蓮月』を刊行している。「達意の名文」家である。

とりわけ山口氏の記事(日経新聞「あとがきのあと」『にほんご歳時記』8/9掲載)中、目に留まったのは・・・

「漢文を習っていない学生が増えた。昔の文化を知らず、文献を読めなくなってきている」

その言葉から、『漢文のすすめ』を記した原田種成さんの言葉を想起した。

戦後、漢文教育を軽視したため、日本人の倫理観が薄くなり、国語も乱れるようになった。昔の学者は漢文で論じ、漢詩によって心情を吐露した。私は漢文こそ真の日本の古典であると思う。漢文力が欠如していると思想や歴史の資料を正確に理解できず、間違った研究が横行する。今こそ漢文教育を復活振興する必要がある。

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くわばらくわばら桑原武夫
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2006-06-06


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