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「袁世凱」岡本隆司著(岩波新書) [読んでみたい本]


袁世凱――現代中国の出発 (岩波新書)

袁世凱――現代中国の出発 (岩波新書)

  • 作者: 岡本 隆司
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/02/21
  • メディア: 新書



当方は、「袁世凱」と聞くとすぐ、「民本主義」「大正デモクラシー」で有名な吉野作造を思い出す。袁世凱の息子の家庭教師に吉野がなっていた時期があるからだ。それゆえにも、吉野は間接的であれ、袁世凱の思想に、なんらかの影響を及ぼしているのだろうかなど思ったりするのだが・・・実際のところは知らない。

上記イメージ書籍の紹介が本日の日経新聞に出ていた。

(以下、紹介文全文引用)

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袁世凱は中国の近代史において最も重要な政治化の一人といえよう。たとえば、清朝を倒し中華民国を生んだ辛亥革命で、決定的な役割を果たした。ところが、同じ革命の立役者でも、孫文が中国でも日本でも賞賛を浴びてきたのに対し、袁には悪評がつきまとってきた。「梟雄(きゅうゆう)」とか「マキャベリスト」とか。

そんな人物を「つとめて客観的に」描こうとした評伝である。著者は「(袁の)立場を当時の文脈に還元して考え、悪口の根拠をみきわめる」ようにした。その結果「おびただしい悪評のほとんどが、ためにする、あるいは一知半解の誹謗である」ことがわかったという。

そして浮かび上がるのは、優秀で実直な官僚、という肖像である。「中国全体に関わる大計を扱うには、ふさわしくない人物」だった、とも著者は指摘している。

著者も認めるように袁の私生活にほとんど触れていないのは、物足りない気もする。ただ、激しく変転していった時代の様相を、新書版という手ごろなサイズで描き出す語り口は鮮やかだ。

第一次世界大戦のどさくさにまぎれて大隈重信内閣が21カ条の要求を袁世凱政権に突きつけてから、今年で100年になる。日本について考えるうえでも意味のある一冊である。(岩波新書・780円)

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以下、オマケというか、今、見つけたサイト。おもしろそうなので・・・

吉野作造の民本主義における儒教的言説
―人間論と政治論を中心に―
陶   徳 民
The Confucian Ideas in Yoshino Sakuzoˉ’s Democratic Advocacy:
An Analysis of His Theories on People and Politics
Tao Demin

http://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/bitstream/10112/3032/1/01-tao.pdf


吉野作造と中国 (中公叢書)

吉野作造と中国 (中公叢書)

  • 作者: 尾崎 護
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本



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