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『敗北を抱きしめて』の世界版( 『廃墟の零年1945』 イアン・ブルマ著 ) [読んでみたい本]

「戦後70年談話」の内容をめぐって、いろいろ取りざたされているが・・

すこし前に高村薫の講演を聞いてナルホドと思ったことがある。

6:高村薫講演会「近代の終わりを生きる」
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31-6

安倍政権の得意とする言い回しに「地球儀を俯瞰する外交」という表現がある。ソレを借りるなら「地球儀を俯瞰する歴史観」が必要ということになろうか・・。

「地球儀を俯瞰する外交」をしようとする国は、当然ながら、アジア・レベルだけでなく、地球レベルで、他の国からどう看做されているかを把握しておく必要がある。

上に紹介した高村薫の講演にあるように「世界においてはまったく意味をな」さない、「日本の側から見た一方的な理屈」を振り回すことにならないためにも、知っておく必要がある。


以下のイメージ書籍は、白水社の「パブリッシャー・レビュー」(1/15号)に紹介されていたのだが・・・

その点で、参考になりそうだ。

(以下、引用)

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廃墟の零年1945

廃墟の零年1945

  • 作者: イアン ブルマ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2015/01/20
  • メディア: 単行本



「戦後70年」の今日まで続く、新たな時代の起点となった歴史的な1年、1945年に、世界ではいったい何が起きていたのか?本書は客観的な立場から、日本とドイツ、敗戦国と戦勝国、各国の数多の人びとの屈辱と解放を通して、その歴史的意味を明らかにし、国際政治から国民心理、文化論・社会論まで論じる。

敗戦によって、ナチズムとファシズムから解放された人々の歓喜と戸惑い、社会の変化が活写される。旧支配階級が没落し、新興企業家が登場する中、元戦犯が隠匿物資で富を蓄積し、戦争責任の所在が曖昧化していく。日本では敗戦が「女性解放」につながり、アメリカ文化の最初の受容者である「パンパン」の姿が、野坂昭如などの作品から引用される。また、米兵によるナチス将校への報復、日本兵による残虐行為とその要因、中国人による敗残兵への報復など、「復讐」という暗部にも言及する。

丹念な調査と膨大な資料を駆使して、「歴史の忘却」や「主観的歴史認識」に警鐘を鳴らす歴史的ノンフィクション。「戦争の記憶」や「戦後論」が盛んな折、冷え込む日中韓関係の問題にも一石を投じる、現代史の注目作。

著者はアジア研究者として国際的に定評のあるジャーナリストで、『戦争の記憶 日本人とドイツ人』などの邦訳がある。

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戦争の記憶―日本人とドイツ人

戦争の記憶―日本人とドイツ人

  • 作者: イアン ブルマ
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 1994/12
  • メディア: 単行本



イアン・ブルマの日本探訪―村上春樹からヒロシマまで

イアン・ブルマの日本探訪―村上春樹からヒロシマまで

  • 作者: イアン ブルマ
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 1998/12
  • メディア: 単行本



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