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露のノーベル賞作家・ソルジェニーツィン氏死去 [ニュース・宗教]

ノーベル賞作家ソルジェニーツイン(1918~)が亡くなった。

ソルジェニーツインは、いわゆる「反体制の作家」である。

スターリン時代、自身エライ目に遭い、作品は、もっぱら秘密裡に執筆された。

『イワン・デニーソビッチの一日」の発表がなるまで、「たとえ一行でも生存中に活字になることは決してないだろうと確信していた」という。

そして、ソ連体制との確執は、スターリンの死後も続く。


晩年、ソルジェニーツインは、プーチン政権から「国家賞を受けた」ということだ。

それは、「反体制作家」が、体制に取り込まれてしまったことを意味するのだろうか?


あいにく、当方は知らない。


ソルジェニーツインについて、ブリタニカ国際大百科事典(1995)を調べたら「大項目版」に記載があった。

そのなかの、「『現代の悲劇のすべては、現代人が神を忘れたことから起こっている』と語った」という記述に興味を覚えた。


《付記》日経新聞8・5によると『民族主義思想で一貫 北方領土返還も主張』という見出しで〈評伝〉が出ていた。

「民主化と市場経済化を急速に進めて混乱を招いたエリツィン政権を痛烈に批判。ロシア独自の精神性を強調し、民族主義やロシア正教などに基づく祖国再生を説いた。

新生ロシアではソ連反体制作家の声が民衆にアピールすることはなかった。旧ソ連末期と比べ著作が脚光を浴びることもなく、オイルマネー流入で「再生」したロシア国民の間では次第に忘れられた存在となっていった。

だが、昨年6月にプーチン前大統領は国家賞を授与。「政権の政策はソルジェニーツイン氏の書いたことを参考にしている」と称賛し、その思想は改めて関心を集めている。」

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露のノーベル賞作家・ソルジェニーツィン氏死去

【モスクワ=緒方賢一】「イワン・デニーソビッチの一日」「収容所群島」など、スターリン時代を中心とする旧ソ連の恐怖政治を告発した著作で知られ、ノーベル文学賞を受賞したアレクサンドル・ソルジェニーツィン氏が3日夜(日本時間4日朝)、心不全のためモスクワの自宅で死去した。89歳だった。

タス通信などが伝えた。心臓を悪くし、闘病生活を送っていた。

ロシア南部キスロボツク出身。第2次世界大戦に従軍したが、スターリン批判を理由に逮捕され、収容所で約8年を過ごした。実体験をもとに収容所の実態を描いた中編小説「イワン・デニーソビッチの一日」を62年に発表すると、世界的な反響を呼び作家としての地位を確立。その後、「煉獄のなかで」「ガン病棟」などを発表し、70年にはノーベル文学賞を受けた。

73年にパリで刊行が始まった代表作「収容所群島」では、数多くの国民を収容所へ送り、抹殺したソ連体制の暗部を明らかにし、共産主義を厳しく指弾した。
 
反体制派としての活動をブレジネフ体制は容認せず、ソルジェニーツィン氏は74年2月、国家反逆罪で逮捕され、国外追放された。その後、米バーモント州での亡命生活を余儀なくされた。85年のゴルバチョフ政権発足で転機が訪れ、90年に市民権を回復。ソ連崩壊後の94年に帰国した。

帰国後は、ソ連崩壊後の荒廃を招いたとしてエリツィン政権を厳しく批判し、「ロシアの再生」を求める民族主義的な主張を展開。プーチン前政権に対しては、大国としての国力回復を実現した点を評価していた。2007年にプーチン氏から国家賞を受けた。

- 読売新聞 [08/04(月) 11:53]

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