ゾウのタマオ(急逝の報に接して) [詩のようなもの]
アフリカのドコから来たんだ
巨体をちいさなトコロに押し込められ
35年ものあいだとじこめられ
子どもやオトナやハトやなにやらの注視にさらされ
おだやかにしていたオマエはよくできたゾウだった
ただノウノウとながいはなを動かしてみせればソレでよかった。
みんなオマエのことが大好きだった。
(ぼくは君を見ていない。
見ていないが、君をとおいムカシから知っているような気がする。
アフリカのサバンナのバオバブのハヤシのなかをのっそり歩き
母親や兄弟たちと鼻を巻き上げてじゃれあったりしているのを
ぼくは見たような気がする。)
倒れているのを発見されたんだって
開園時間に、お客の前で
巨体を横たえたオマエの目には青い空が映ったろうか
台風一過の青空の下
日本のちいさな動物園の
真夏の蒸した熱気のなかで
オマエは、しずかに息を引き取った
「ごくろうさま・・
・・ありがとう」
一度も会ったことないのだけれど
ぼくは言いたい
2006-08-10 06:45
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