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立花隆と池辺晋一郎 [音楽・ミュージック]

昨日、保坂正康氏の著書から、橘孝三郎と立花隆が親戚であることを示したが、本日はその立花隆と作曲家池辺晋一郎との関係を示す。

どちらも、水戸と関係がある。

しばらく前、NHKの番組『旧友再会』で、俳優の梅宮辰夫と立花隆が同じく茨城大学付属中の先輩後輩で、ともに陸上競技部に属していたことを知った。水戸に祇園寺という徳川光圀創建の禅寺があるのだが、そのすぐ近くにお二方とも住んでいたという。梅宮は家業が医者で、医者になるよう期待されていたが、スカウトされて俳優の道に入り・・・という話だった。

その番組を見たときに、池辺さんも水戸の出身だから、たぶん付属中ではないか、そして、立花、梅宮とも接点があるのではないかと思っていた。そうしたら、今年6月10日『毎日新聞 (p18)』掲載〈創作の原点〉と題する池辺さんのインタビュー記事の中で、立花さんとの関係が示されていた。(ちなみに、その記事の副題は「幼児に『二十歳の呪い』」)。

ピンポイントで引用すると

当時、近隣で評判だった「読書家のお兄さん」が、作家の立花隆さん(77)だ。「本を貸したり、真空管単球ラジオ作りを教えてもらったり。彼は三段跳びで記録を出すスポーツマンでもあった。今や三段腹ですが」。後に両家は、そろって東京に転居。池辺さんは、進学校として名高い都立新宿高に進んだ。

「今や三段腹ですが」は、いかにも池辺さんらしい。

立花さんとの関係で記されているのは、それだけであるが、立花さんから「本を借りたり」ではなく、「貸したり」というのだから、すごい話である。

引用部の前の段落には、「世界文学全集など両親の蔵書を片端から読みふけり、・・・」とある。つまりは、池辺さん自身、読書家であった。そして、「ある時家に遊びに来た茨城大生が、僕のでたらめ(ピアノ演奏)作品を譜面に起こしてくれたのです。字や絵のように、音楽も紙に書けるのか、と。以来『作曲遊び』が一番のお気に入りになりました」。夏休みなどは北原白秋や島崎藤村の詩集を一冊分、まるまる歌曲にしていたという。

詩を散文的にしか読めない人にとって、詩を読む作業は退屈きわまりないように思うが、詩を音楽として(まるごと一冊)立ち上げることのできた池辺さんは、読んで楽しむ以上のことが、幼少時から出来たということだ。まさに音楽家になる素養・素質・原点を示すものであるように思う。

記事には、池辺さんの略年譜も出ている。その受賞歴のすごいのに驚いた。記事のリード部には、こうある。

ベートーベンをはじめ交響曲9番をものした作曲家は、第10番を仕上げる前に寿命が尽きるーー世に言う「第九の呪い」を乗り越えて「シンフォニーⅩ」を完成させ、今年の「尾高賞」(NHK交響楽団主催の作曲賞)を受けた池辺晋一郎さん(73)。「就学が1年遅れるほどの病弱で、一人で曲を作るのが楽しみ。『二十歳まで生きられない』と宣告された幼少期が私の原点です」とふり返る。

いつも、ラジオ・テレビの音楽解説で、駄洒落ばかりを聞かされてきた感があって、エライ作曲家とは思えないのだが、やはりスゴイ方のようである。「第九の呪い」を受けないのは、幼少時、十分に呪いを受けたからか、それとも、池辺さんが真正の作曲家ではないからか、など考えてしまう。

以上は、冗談。いずれにしろ、呪いなど受けない方がいいに決まっている。


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