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梶山季之と三島由紀夫 [本・書評]

昨日の更新時、立花隆の先輩格のジャーナリストについて書いた。「トップ屋」梶山季之のことである。

年譜を見ると、梶山は1975年に亡くなっている。1970年に自決した三島由紀夫と同じく45歳没である。

ふたりともに小説家であるが、工芸品の世界でいうなら梶山は職人で三島は作家(芸術家)ということになるだろう。

しかし、稼いだという点では、三島はまったく梶山に及ばないにちがいない。三島は松本清張をたいへん嫌って、同じ文学全集に掲載されるのを拒否したというが、同じシチュエーションになれば、梶山も同じ扱いを受けたかもしれない。

だが、梶山は日本文学全集に載せられる作家としては、そもそも数えられることもなかったのではないだろうか。本来、純文学志向で、芸術的作品をものしたかったにもかかわらず、たいへん不本意なところで膨大なエネルギーを消費せざるを得なかった。貧乏でもいいから、芸術作品を残したかったにもかかわらず、そうできなかった。

しかし、そうした男の残した作品のなかにも珠玉はある。「李朝残影」だ。

と、ここまで、書いてきて、当方未読です。では、あまりにもあんまりなのであるが、いい作品のはずである。読んでみたいと思っている。


族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)

族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)

  • 作者: 梶山 季之
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/08/17
  • メディア: 文庫




その後、ネットを見ていたら、梶山の弟子にあたる方:橋本健午氏のホームページをみつけた。電子版「梶山季之資料館」等みることができる。
https://kengohashimoto.com/index.html

ちなみに、橋本健午氏は本年の2月14日に膵臓癌でお亡くなりになったという。


別冊新評 梶山季之の世界 追悼特集号●遺稿「積乱雲」●トップ屋時代の梶山季之

別冊新評 梶山季之の世界 追悼特集号●遺稿「積乱雲」●トップ屋時代の梶山季之

  • 出版社/メーカー: 新評社 262
  • 発売日: 1975/07/20
  • メディア: 雑誌




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