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スッピン韓国大統領とジュリエット・グレコ [ニュース・世相]

韓国大統領が逮捕され護送される。

そのワンショットが新聞に掲載されていた。

いつもは、そこそこ化粧をして、きれいな印象であったが、今朝のはそうではない。

これが、第二次大戦後のフランスででもあれば、化粧どころか、アタマも丸刈りにされたにちがいない。ナチスに協力した女性が、丸刈りにされ、公衆の面前に引き出されはずかしめられている写真をいぜん見たことがある。

最近はスッピンの女性が増えているのだろうか。社会的にそのような要請がないのであれば、その方が面倒くさくないし、お肌にもいいということもあってのことだろうか。もともと素肌美人で自信があるということもあるのだろうか。

フランス女性に対する印象として、年齢を重ねれば重ねるほど魅力的になるように感じる。スッピンかどうかは知らないが、化粧するしないに関わらず、人間性からくる魅力が感じられる。

その中身は、自分があるということなのだろうか。他の人とは異なる自分ならではの点を自覚し、しかも、自分の身の丈を承知しているところからくるようにも思う。よくわからないのだが・・・、フランスで生活し、客観的に彼女たちを見ている方は、また違った意見をもつかもしれないが、そのように当方は感じている。

そのように感じる一番の人は、シャンソン歌手のジュリエット・グレコだ。ステージの様子など見ると、「この厚化粧のどこがスッピン」という感じだが、当方には、さらけ出されている中身が感じられるのだ。そして、それ自体が美しい。

余計なものが、そぎ落とされた美しさといえるのかもしれない。自分の身の丈をこえて見せようとしたりする意識から解き放たれたところにある美しさなのかもしれない。

今、突然、思い出した情景がある。映画の場面だ。古い映画で恐縮だが、黒澤明の『赤ひげ』の場面だ。瀕死の大工(山崎努が演じた)が、長屋のみんなに語る。自分の暗い過去をさらけだす。そうした理由を、大工は述べる。「掛け値なしの自分を知って欲しかった」。それまで、療養所にいる病人仲間に、あれこれ気遣いを示し、親切な男と見られてきたのだが、誤解されたまま死ぬのを嫌ったのだ。そうして、妻を殺し埋めたいきさつを話す。もっとも、その話は悲しくも美しいものであるのだが・・・。

「掛け値なしの自分」をさらけ出すには、「掛け値なしの自分」を知っていなければならないわけだが、韓国大統領は、今、世間・検察をとおして「掛け値なしの自分」を思い知らされているということなのだろうか・・・。



ジュリエット・グレコは、1927年生まれ。現役歌手。
(以下は、「ユーチューブ」から2014年のライブ、他)

Ibrahim Maalouf & Juliette Gréco - La Javanaise (Live à l’Olympia, 2014)
https://www.youtube.com/watch?v=t9fpMy5iE0I

https://www.youtube.com/watch?v=eeOKiItS9XQ
Les Chansons de Juliette Greco: Sous le ciel de Paris


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