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「立て板に水」の安倍晋三と「アーウー」の大平正芳 [政治・雑感なぞ]

現首相の発言を聞くときに、「まあよくペラペラとしゃべる」と感じる。その対極に位置するのは、当方の記憶にしたがえば、故大平正芳首相である。

大平正芳なぞといっても、若い方は知らないだろう。なにせ明治43年生まれ、生きていれば100歳超である。香川県出身なので「讃岐の鈍牛」などといわれもし、発言する際には「あー、うー」とうなりつつ話すので、もっさりした感じ、ニブイ印象があった。

100歳超の故人大平正芳を、わざわざ話題にもちだしたのは、「田中龍作ジャーナル」に安倍首相の発言について取り上げてあったのを見て、「これは大平の対極だわ!」と思ったからである。

田中龍作の安倍の発言についての言葉とは・・・

安倍首相の話は文字に起こしても要領を得ない

「田中龍作ジャーナル」2015年9月4日 18:33
国会サボる総理はいらない ミヤネ屋生出演
http://tanakaryusaku.jp/2015/09/00011910


その言葉を読んで想起したのが、大平正芳であったというわけである。

自民党幹事長時代の大平についての共産党元書記長不破哲三の評価は次のようなものである。

「大平さんのアーウーは伊達ではなくて、国会の答弁にしろ、討論会での発言にしろ、議事録を起こしてアーウーを抜くと、きちんと筋の通った文章になっている、ということも政治通の間では評価されていました。  歴代の首相の中には、よどみなくしゃべるのだが、議事録を起こして見ると、“文意不明”という人も結構いましたからね。・・・(中略)・・大平幹事長は、なかなか信頼できる協議相手でした。むずかしい問題でも、議論を尽くして結論が出ると、その場できちんと回答を出す。そしていったん回答を出したら、確実に実行しました。その後は、自民党幹事長でそういう人物に出会うことは、まずなかったですよ」(『私の戦後六○年・日本共産党議長の証言』より)

してみると、安倍首相は、唯一無二の首相ではナイようである。「よどみなくしゃべるのだが、議事録を起こして見ると、“文意不明”という」「結構い」た歴代の首相に連なる人物のようである。

ソノヨウナ人物に、首相がつとまるのは、いったいナゼだろう?


知の政治家 大平正芳さん
http://marilyn-m.at.webry.info/201201/article_1.html

名「散文家」チャーチル、その成功の秘密
http://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2015-11-09

「安倍談話」評(北岡伸一/アンドルー・ゴードン/保阪正康三氏に共通するところ)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-08-21

世界共通語で「ABE」とは・・
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-05-27

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