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佐藤優の最も尊敬する外交官・吉野文六が「沖縄密約」を認めた、その理由 [沖縄密約漏えい(西山)事件]

本日(5・11)の「毎日新聞」の「悼む」に、元外務省アメリカ局長・駐西ドイツ大使吉野文六氏が取り上げられている。

吉野は、いわゆる「沖縄密約」を認めた人物である。当方は、追い詰められて、証拠を固められ白状させられたに過ぎないように思っていたのだが、どうもそうではナイようである。追悼文を記しているのは、外務省のウラ事情に詳しい佐藤優であり、おまけにソノ表題は「職業的良心の人」となっている。さらなるオマケとして、佐藤は、吉野にながくインタビューし、以下の本を上梓しているのだから、吉野の「良心」はホンモノなのだろう。


私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六

私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/08/08
  • メディア: 単行本



以下、全文を引用する。
(強調表示は「閑巨堂」)

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吉野文六氏は、沖縄返還密約交渉における日米の密約を日本側当事者として初めて認めたことで有名になった。

1972年、沖縄返還の際に米国が負担するはずの原状回復費用を日本が負担するという密約を記した極秘公電の存在が国会で問題になった。情報漏えいに関与した外務次官と新聞記者が逮捕され、有罪が確定するという歴史的事件になった。この裁判で、吉野氏を含む外務省幹部は密約の存在を否定した。2000年に米国の公文書館から密約文書が見つかったが、外務省は密約の存在を否定し続けた。しかし、06年2月、新聞記者が米公文書館から入手したB・Yのイニシャル署名がなされた文書を見せると吉野氏は、それが自分が署名した密約文書であることを認めた。

吉野氏は外務省ナンバー3の外務審議官までつとめたエリート中のエリートだ。密約が存在したという事実を語ると、外務省から裏切り者と見なされ、現役外務官僚とも関係が絶たれてしまう。 吉野氏がそれをわかった上で真実を語った動機を知りたくて、私は06年7月26日に横浜の吉野邸を訪ねた。吉野氏の卓越した知力と人間観察力に私は圧倒された。去年8月8日、吉野氏の96歳の誕生日に拙著「私が最も尊敬する外交官ーナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六」(講談社)を上梓するまで、20回以上、吉野氏と面談した。ナチス・ドイツの第三帝国の崩壊を目の当たりにした吉野氏は、「国民に嘘をつく国家は滅びる」という認識を強くもっていた。

外交には秘密がある。しかし、その秘密はいつか秘密でなくなる。その時は、過去にをついた理由を含め、国民に真実を開示するのが外交官の職業的良心と吉野氏は考え、実行した。

(元外務省主任分析官・佐藤優)

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秘密保護法ツワネ原則11/20福島みずほ
「当時 安倍官房長官はウソをついたんですよ」
https://www.youtube.com/watch?v=bUxfy-a0TJk&feature=youtu.be

次のような、
オソロシく、かつ、大いにアリそうな記事も・・

日本の全面譲歩が密約されていたTPP日米交渉の衝撃。これが本当なら安倍晋三はやっぱり本物の売国奴だ。
http://blogs.yahoo.co.jp/jun777self/12735775.html

オマケ!!

「東京大空襲」の功労者に勲章をプレゼントして大空襲を正当化したのは現首相(ABE)の大オジ佐藤栄作 
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-03-10

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町村信孝「秘密保全」PT座長(日本記者クラブ会見)ビデオ
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2014-10-08-2

戦後日本の構造をこれほどよく示す話を聞いたことがない
(西山事件当事者談話)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2014-10-09

videonewscom
http://www.youtube.com/watch?v=JqIUh9V7hA4
秘密保護法ができれば政府の違法行為を暴くことは不可能に
日米密約を暴いた西山太吉氏が法案を厳しく批判


機密を開示せよ――裁かれる沖縄密約

機密を開示せよ――裁かれる沖縄密約

  • 作者: 西山 太吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/09/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

  • 作者: 澤地 久枝
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/08/17
  • メディア: 文庫



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