SSブログ

日仏会館フランス事務所長「今の日本は遠慮が過ぎる」「本来持つユーモアを」 [ニュース・社会]

本日の「日経新聞」に、日仏会館フランス事務所長で、仏国立東洋言語文化大学教授の「クリストフ・マルケ(Christophe Marquet )さんに聞く」と題する記事。

プロフィルをみると、マルケ氏は「江戸、明治の日本絵画をフランスに紹介、大津絵の本を今月出版する」とある。

「大津絵」と聞くと、当方は、富岡鉄斎の「瓢箪鯰」を思い出すが・・・

記事のテーマは、「今の日本は遠慮が過ぎる 本来持つユーモアを」

「日本のパロディーはレベルが高かった」「いまもジョークは豊かだけれど」などの見出しが立てられている。

(以下、一部抜粋引用)

************

外国人と話していると、よく「日本人はユーモアがない」と言われる。

「いつからそんなイメージになったんでしょうね。明治にはお雇い技術者のドイツ人2人が書いた『日本のユーモア』という本がある。フランス人も1988(明治21)年に『秘蔵の風刺画』と題した本で鳥獣戯画や北斎をとりあげ、日本の長い風刺の伝統を紹介しています。当時はヨーロッパ人も日本人はユーモラスな民族だと思っていたんですよ」

「いまも漫才や落語がそうですし、普通の人だってちょっとお酒飲めばジョークは豊かです。ただ、人を褒めるのはいいけれど批判はダメ、という暗黙のルールがあるのではないか。戦後民主主義の誤った解釈だと思うんですが、もっと自由に、何であっても批判すべきは批判することが認められる、それが私の理解する本当の民主主義です。そういう意味で、新聞などそういった暗黙のルールに縛られているような気がします」

「大正までの新聞はもっと自由で新聞の歴史は風刺精神、批判精神とともにあるんですよ。明治に出ていた『團團珍聞(まるまるちんぶん)』。新聞じゃなくて珍聞ですよ。漫画もたくさん使ってときの政府を容赦なく風刺し、検閲に引っかかることが売り物になっていました。もちろんまじめな新聞もありましたが、一方でこういった媒体が江戸時代からの風刺やユーモアの伝統を引き継いでいたんです。そこに大津絵の影響もあったと思うんです」

(編集委員小林省太)
「日経新聞」4・4p30
************

ウィキペディア「團團珍聞」の項目
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%98%E5%9C%98%E7%8F%8D%E8%81%9E

宮武外骨は「團團珍聞」(マルチン)への投書家として出発した。

ジャーナリストが反骨なのはアタリマエ:宮武外骨
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2007-07-29


宮武外骨伝 (河出文庫)

宮武外骨伝 (河出文庫)

  • 作者: 吉野 孝雄
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/03/03
  • メディア: 文庫



シャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集

シャルリ・エブド事件を考える: ふらんす特別編集

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2015/03/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



テキストとイメージを編む 出版文化の日仏交流

テキストとイメージを編む 出版文化の日仏交流

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 勉誠出版
  • 発売日: 2015/02/05
  • メディア: 単行本



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0