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日置英剛編『新・国史大年表』に吉川英治・文化賞 [本・書評]

今朝の新聞の片隅に、「吉川賞に逢坂剛さん」とちいさい見出し。

また決まったように決まった人がもらっている・・など思って、記事に目を落とすと、「日置英剛さん(80)=『新・国史大年表』の執筆、編集、神戸市在住」と、ある。

おお、完成したのだ・・と嘆息。

当方、日置さんの父親:日置昌一の編纂した初版「国史大年表」をもっている。残念ながら、全7巻のうち「索引巻」が欠けている。それは、昭和10年刊行だから、当年とって80歳。息子の英剛さんと同い年だ。

暑い夏にはオークション 
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01

50年余の気の長い仕事の果てである。こういう目立たない仕事にこそ光を当ててほしいものだが、そこに、きちんと光をあてた講談社を評価したい。というより、選考委員を褒めるべきか。

http://www.kodansha.co.jp/about/nextgeneration/award/25036.html

ちなみに、選考委員 は、 阿川佐和子・出久根達郎・堀田 力・柳田邦男・吉川英明(敬称略)とのこと。


神戸新聞NEXT(2014/2/13 07:10)
国史大年表、半世紀かけ完結 神戸の元教員・日置さん
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201402/0006704692.shtml
(「つづく」部分に全文引用)

日置先生: Cafe OPAL 店主の日記 - カフェ・オパール
2003・5.3(灘中・高時代の教え子の語る英剛先生)
http://www.cafeopal.com/diary/03/may/diary030503.html

「国書刊行会」サイトによる概説

新・国史大年表従来の年表の概念を超えた圧倒的記述と情報量。政治経済はもとより、社会・文化のあらゆる分野を網羅した、全く新しいたて組の日本史年表。「このようなトータルな年表は出版史上初というべく、さらには日置氏のような年表づくり一筋に半生を捧げた専門家にのみ、はじめて可能な業績といえる」(紀田順一郎)ルビや語句の説明豊富。各巻末には充実した事項・人名索引(各7000項目)付。


沖縄返還、変転続ける現代: 1965-2012年 (新・国史大年表)

沖縄返還、変転続ける現代: 1965-2012年 (新・国史大年表)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2013/12/31
  • メディア: 単行本



ことばの事典

ことばの事典

  • 作者: 日置 昌一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 単行本


神戸新聞NEXT(2014/2/13 07:10)
国史大年表、半世紀かけ完結 神戸の元教員・日置さん
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201402/0006704692.shtml

神戸市長田区の元教員日置英剛(えいごう)さん(78)が刊行を続ける「新・国史大年表」(国書刊行会)の本編全10冊が完結した。編集作業に取り掛かってから半世紀。古代から現代まで歴史的な出来事を網羅し、総ページ数は1万ページを優に超えた。例のない規模の年表となり、「100年後も使用に堪える内容になったのでは」と日置さん。今秋発行の索引巻ですべての巻が出そろう。(武藤邦生)


 日置さんの父昌一さんは「國史大年表」(初版全7巻)を著した在野の歴史研究者。日置さんは私立学校で国語教師を務めつつ、跡を継ぐ形で1962年ごろ執筆を始めた。

 政治・経済、社会、文化の3分野に分け編集。父の年表には記載がなかったため専門家から批判を浴びた出典資料も明示した。一方、「一言多い年表」を方針に掲げ、通常は見送られるような項目も採用。現代を扱った第9巻では、ミシュランガイドの掲載全店やゲームソフトの販売ランキングなども「将来、重要な情報となる」と判断して載せた。

 2006年の刊行開始当初、索引を含め10巻の予定だったが、掲載項目は想定を上回った。江戸時代を収録する第5巻は、前期と後期の2冊に分けた。別巻として「太平洋戦争全史」も設け、全部で12冊に膨らんだ。

 現在は、索引巻に収める総目次の編集が大詰め。全体を読み返し、「自分でも『よくここまで拾ったな』と思う」と振り返る。

 本編は12年まで掲載したが、その後の出来事も執筆し続ける。日置さんは「誰かが引き継ぎ、50年後に続巻を刊行してほしい」と未来を見据える。

 各巻2万1千円(第9巻2万6250円、別巻1万5750円)。国書刊行会TEL03・5970・7421


【まさに平成の大出版】 辞典類の出版に詳しい作家・評論家紀田順一郎さんの話 資料を博捜(はくそう)し、文化、風俗まで網羅した日本初の大年表といえる。これさえ読めば、調べたい時代の全体像をつかむことができ、作家、歴史家、教師、ジャーナリストらにとって不可欠の文献となるだろう。独力でこれだけの仕事を成し遂げたのは驚くほかない。まさに平成の大出版だ。

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