大飯フル稼働本決まりと相成り候 [ニュース・社会]
なんのかの言っても、言うだけ野暮だったと言うべきか、心ある人々の切実な言葉も、結局はおおきな動きに押しつぶされ、あるいは、押し流され、あるいは、かき消されていく。
モノゴトは落ちるところに落ちていく。この世界を支配しているのはニュートン力学だけではない。「カネ、カネ、カネ」の法則もある。しかし、そんな露骨な表現は取らずに「経済効率」と言う。もっと、きれいな言葉になると、「暮らしを守る」などと言う。
原発事故に関して今、福島の方たちが、東電・国などを相手取り刑事訴訟を起こしている。
そんな、さなかの決定である。各地に散っている事故被害当事者の声は、「原発ヤメテ」であると思うのだが・・。
要するに、当事者の気持ちというのは、当事者にしかわからないということ、か。いろいろ同情心あふれる表現、1分の黙とうは、ソレナリのものでしかないということ、か。
信仰などと言うと大げさだが、ロシア文学のなかでは(神の居るとされる「天」よりも、どちらかというと)「大地」にたいする崇敬の念のようなものが顔をだす。「大地に接吻する」などという表現をとる。「大地にひざまずく」というカタチをとる。
当方、ロシア文学の専門家でもなんでもない。東外大・学長の話を聞いての聞きかじりなのだが・・、罪と罰、カラマゾフ、悪霊、などについての話のなかで、それは出たのだと思う。
そんな話を聞きながら、思い出したのは、三里塚闘争の際の、ひとりの土地所有者の婆ちゃんのことだ。成田空港の土地を地元住民から国が接収する際に、最期まで反対をしていた婆ちゃんだ。
「イイじゃない。そんな土地、どうせ金もらえるんでしょ。最後まで反対なんて言うのは、ゴネ得で、他の人よりいっぱい金を国から巻き上げるつもりじゃないの・・・」などと、当時は、思っていた。
婆ちゃんは、一緒に、国(の手先である機動隊)と闘う学生らとともに、最強の自衛手段を取った。黄金爆弾である。自分のカラダ中に糞尿をなすりつけ、相手にぶちまけ、闘ったのである。
「よくもまあ・・。そんなにまでして、おかしいんじゃないの・・・」というのは、当事者ではない者の反応だったのだ。
それは、今になって、少しは、わかる。わかったような、気がする。
わかったなどと言うのは傲慢にちがいない。わかりっこないのである。自分は婆ちゃんではないし、同じ立場ではないのだから・・。
土地は、食い物を、産出する。ほんのわずかの土地で生きていくための食料を産出できるのだ。そのことを90過ぎのシベリア抑留経験者の爺ちゃんから教わった。
爺ちゃんは、小さな土地で野菜をつくり、大根をつくり、きれいな切干大根をつくって、「食べな」と、くれた。玉ねぎも、くれた。自分はぼろ屋敷にひとりで、住まい、役所勤めの息子が新しい家を作るのに、何百万も出してやった。「おやじの部屋を作ったよ」と言われながら、とうとうその部屋には入らなかった。「ひとりの方がイイ」と言っていた。
そんな爺ちゃんの友達になった。シベリアに行ったから、大地と親しくなったのかどうかはワカラナイ。わからないが、その暮らしぶりは、大地と語らうような生活だった。そして、そこで充足していた。それは、幸せそうな爺ちゃんの様子でわかった。
いま、日本の耕作地が耕作されないまま放置されている。農業従事者のほとんどは爺ちゃん婆ちゃんだ。彼らが死んで、土地だけ残る。残った農地はたいしたカネにならない。売り物にもならず、子供たちも耕さず放置されるままになる。
しかし、そうした爺ちゃん婆ちゃんは、カネになるから農業をしているのではない。先祖から伝わってきた土地を守って、「しようがない。むかしから、そうしてきたんだから・・」と言いながら、そうしてきたのだ。
もうほとんど、信仰だと思う。カネのためではナイのだから。
そうした、土地を、大地を大切に思う心根のある人々がいなくなる。土地が荒廃するのはアタリマエだ。
そして、ここにきて、原発事故の目に見えない汚染が進んでいる。降り注ぐ放射線は、数値としては微量かもしらないが、放射性物質の「浸潤」などという、癌増殖と関係する言葉が、思いに浮かんでくる。大地に浸潤し根を下ろし増殖する大地の癌。知らぬ間にそれは育っていく・・・。
やがて、手痛いしっぺ返しを食うだろう・・・。
大地をうるおすのは透き通った水だけでいい。癌の増殖炉はイラナイ・・・。
************
「今いまし、昔います主たる全能の神よ、なんぢの大なる能力を執りて王と成り給ひしことを感謝す。
・・・
なんぢ、地を亡ぼす者を亡ぼしたまふ時いたれり」
ヨハネの黙示録11:17,18
***********
大飯3号機、7月8日にもフル稼働
2012.6.16 16:02
MSN産経ニュース
政府が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決定したのを受け、16日に会見した関電の八木誠社長は、3号機のフル稼働が早ければ7月8日になるとの見通しを明らかにした。
4号機は早ければ24日にフル稼働に至るが、作業に手間取れば3号機は13日に、4号機は8月2日までずれ込む見通しも示した。7月後半の電力需要のピーク時に間に合うかどうかは微妙な状況だ。
関電は16日午後2時半、大飯3号機の運転再開作業に着手した。
モノゴトは落ちるところに落ちていく。この世界を支配しているのはニュートン力学だけではない。「カネ、カネ、カネ」の法則もある。しかし、そんな露骨な表現は取らずに「経済効率」と言う。もっと、きれいな言葉になると、「暮らしを守る」などと言う。
原発事故に関して今、福島の方たちが、東電・国などを相手取り刑事訴訟を起こしている。
そんな、さなかの決定である。各地に散っている事故被害当事者の声は、「原発ヤメテ」であると思うのだが・・。
要するに、当事者の気持ちというのは、当事者にしかわからないということ、か。いろいろ同情心あふれる表現、1分の黙とうは、ソレナリのものでしかないということ、か。
信仰などと言うと大げさだが、ロシア文学のなかでは(神の居るとされる「天」よりも、どちらかというと)「大地」にたいする崇敬の念のようなものが顔をだす。「大地に接吻する」などという表現をとる。「大地にひざまずく」というカタチをとる。
当方、ロシア文学の専門家でもなんでもない。東外大・学長の話を聞いての聞きかじりなのだが・・、罪と罰、カラマゾフ、悪霊、などについての話のなかで、それは出たのだと思う。
そんな話を聞きながら、思い出したのは、三里塚闘争の際の、ひとりの土地所有者の婆ちゃんのことだ。成田空港の土地を地元住民から国が接収する際に、最期まで反対をしていた婆ちゃんだ。
「イイじゃない。そんな土地、どうせ金もらえるんでしょ。最後まで反対なんて言うのは、ゴネ得で、他の人よりいっぱい金を国から巻き上げるつもりじゃないの・・・」などと、当時は、思っていた。
婆ちゃんは、一緒に、国(の手先である機動隊)と闘う学生らとともに、最強の自衛手段を取った。黄金爆弾である。自分のカラダ中に糞尿をなすりつけ、相手にぶちまけ、闘ったのである。
「よくもまあ・・。そんなにまでして、おかしいんじゃないの・・・」というのは、当事者ではない者の反応だったのだ。
それは、今になって、少しは、わかる。わかったような、気がする。
わかったなどと言うのは傲慢にちがいない。わかりっこないのである。自分は婆ちゃんではないし、同じ立場ではないのだから・・。
土地は、食い物を、産出する。ほんのわずかの土地で生きていくための食料を産出できるのだ。そのことを90過ぎのシベリア抑留経験者の爺ちゃんから教わった。
爺ちゃんは、小さな土地で野菜をつくり、大根をつくり、きれいな切干大根をつくって、「食べな」と、くれた。玉ねぎも、くれた。自分はぼろ屋敷にひとりで、住まい、役所勤めの息子が新しい家を作るのに、何百万も出してやった。「おやじの部屋を作ったよ」と言われながら、とうとうその部屋には入らなかった。「ひとりの方がイイ」と言っていた。
そんな爺ちゃんの友達になった。シベリアに行ったから、大地と親しくなったのかどうかはワカラナイ。わからないが、その暮らしぶりは、大地と語らうような生活だった。そして、そこで充足していた。それは、幸せそうな爺ちゃんの様子でわかった。
いま、日本の耕作地が耕作されないまま放置されている。農業従事者のほとんどは爺ちゃん婆ちゃんだ。彼らが死んで、土地だけ残る。残った農地はたいしたカネにならない。売り物にもならず、子供たちも耕さず放置されるままになる。
しかし、そうした爺ちゃん婆ちゃんは、カネになるから農業をしているのではない。先祖から伝わってきた土地を守って、「しようがない。むかしから、そうしてきたんだから・・」と言いながら、そうしてきたのだ。
もうほとんど、信仰だと思う。カネのためではナイのだから。
そうした、土地を、大地を大切に思う心根のある人々がいなくなる。土地が荒廃するのはアタリマエだ。
そして、ここにきて、原発事故の目に見えない汚染が進んでいる。降り注ぐ放射線は、数値としては微量かもしらないが、放射性物質の「浸潤」などという、癌増殖と関係する言葉が、思いに浮かんでくる。大地に浸潤し根を下ろし増殖する大地の癌。知らぬ間にそれは育っていく・・・。
やがて、手痛いしっぺ返しを食うだろう・・・。
大地をうるおすのは透き通った水だけでいい。癌の増殖炉はイラナイ・・・。
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「今いまし、昔います主たる全能の神よ、なんぢの大なる能力を執りて王と成り給ひしことを感謝す。
・・・
なんぢ、地を亡ぼす者を亡ぼしたまふ時いたれり」
ヨハネの黙示録11:17,18
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大飯3号機、7月8日にもフル稼働
2012.6.16 16:02
MSN産経ニュース
政府が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決定したのを受け、16日に会見した関電の八木誠社長は、3号機のフル稼働が早ければ7月8日になるとの見通しを明らかにした。
4号機は早ければ24日にフル稼働に至るが、作業に手間取れば3号機は13日に、4号機は8月2日までずれ込む見通しも示した。7月後半の電力需要のピーク時に間に合うかどうかは微妙な状況だ。
関電は16日午後2時半、大飯3号機の運転再開作業に着手した。