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2;HATABI:みどりの日 [自然に親しむ]

みどりの日。

毎日新聞の題字の背景はいつもはブルー。

だが、年に一度みどりの日だけグリーンになる。いつもグリーンになるといいと個人的には思うのだが、グリーンよりブルーの方が、インクの価格が安くあがるのかもしれない。

いつも題字の色の変更に関しては説明が加えられる。その説明にも、きのうのラジオ・ニュースでみどりの日のイワレを聞いても、大事なひとつのことが欠落している・・と感じた。

本来4月29日であるべきところを振り替え休日とし、「連休にして大いに遊ぼうではないか」という国民的意識・無意識が“みどり”の日を色あせさせてしまったにちがいない。

欠落している大事なこととは、みどりの日はもともと植物を愛したミカドのお生まれになった日であるといことだ。


昭和天皇は植物を愛された。ミカドの有名な言葉に、

「雑草という草はない。それぞれに名前がある」と、いうのがある。

なんでも・・、「ここから先は雑草です」という案内人の言葉にソノヨウニ答えたのだという。

案内人は(学者だか侍従だか知らないが)、聞き咎められたという感じがしたのではなかろうか。

天皇も、いつもなら「ああ、そう・・」と言って、すませてしまいそうなところである。ところが、聞き流せなかったのだろう。

それだけ、個々の草草に親しみを感じていたからにちがいない、と当方は思う。


国民のことを植物にたとえて「民草」という。民草が蔑称かどうか知らないが、天皇の言葉に照らしてみるなら、昭和天皇は個々の民草も、「雑草」とひとくくりにされたりしなかったのではないか、と、思う。

すくなくとも、ソノヨウナ意識はお持ちだったのではないかと思いたくなる。


今、福島原発事故で放射線が降り注いでいる。

特に、森が放射線の多くを吸収するようなハナシを聞いてもいる。

昭和天皇が生きてらしたら、どれほど悲しまれるであろうかと思う。


昭和天皇がどれほど国民の個々を知っていたかは知らない。

いくらご自分の臣民(わざと古い言い方をするが)とはいえ、神様ではないのだから、すべてを知るなど無理である。

しかし、当方の知るところ、少なくとも一人のジイサンには格別の敬愛の念をいだいていた。昭和天皇の和歌(御製)に、そのジイサンの姓名が詠み込まれている。

ジイサンとは、エコロジー的観点から、自然破壊に断固として立ち向かった南方熊楠である。

ふたり共に生きていたなら、無言のうちに進行する自然破壊にどれほど胸を痛めることであろうことかと思う。


あるいは、怒り心頭に達しておられることであろうと・・

http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2006-04-29-2

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YOUTUBE昭和天皇 自然のなかで

http://www.youtube.com/watch?v=MM0Wua66e74


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