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4:言論思想統制に抗う教師たち [ニュース・教育]

以下は、当該ブログに以前(2006-09-22 )掲載した《国旗掲揚・国歌斉唱に関して》という記事。

「ところで、オマエはその点、どう考えているの?」と尋ねられそうなので、その答えとして再び掲載してみる。 

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東京地裁で、東京都教委が行なった国旗・国歌の"強要"ならびに、指示に服さない職員の"処罰"を非とする判決が出た。

その件で、実際に戦争に赴かれた方(86歳)の感想を伺ってみた。

ソノヨウな方ほど、軍国主義時代の悲惨さを味わっているので「軍国主義思想の精神的支柱」であったとされる日の丸、君が代に反感をもっているのではないかと思ったのであるが、開口一番・・・

〈「日の丸」はもともと船の船籍を証明する印であったものを国旗にしたものだろ。国旗は国旗だよ。「オイラたちは日本だよ」というシルシだろ。否定してしまって、使用しないなんて言ったら、オリンピックの時どうするんだい?どこの国の人間かわかんなくなるよ。シルシとしては必要なものだよね。国歌だって、大リーグの試合でもゲーム前に音楽を流して選手たちが胸に手をあててるよ・・・〉と言って、

そのアトにズバリ、〈日教組の連中は左翼思想にやられてるから・・・〉という感想を聞かせてくださった。

(実際、左翼思想にヤラレテイルのかどうか当方にはよくわからないのだが・・・ )



最近、「ロマ」と呼ばれる人々の経験談を読んだ。「ロマってナンダイ?」という方にわかりやすく言うと「流浪の民」と評される「ジプシー」のことだ。

その一つの言葉が印象的であった。

「ロマは、自分たちの世話をしてくれる政府をもったことがない」という言葉だ。

我々は日本国(政府)の恩恵に浴している。文句をつけたくなるような改善を必要とする制度は多々あるものの、不完全ではあっても制度としては機能しているしソノ恩恵に預かっている。年金や保険などその好例である。郵政事業や警察もそうだろう。

その点やはり感謝すべきであろうと思う。その象徴となる国旗・国歌にふさわしい敬意を示すべきであろうと思う。



ただ、どうもシックリこないのである。



日本を他の国から分けるシルシとしての国旗や国歌の存在の意味を認めることはできるし、それにしかるべき敬意を抱くべきこともワカルのであるが、国旗・国家に過敏になる人たちにとっては、国旗・国歌が単なるシルシではなくソレ以上のものであるから大騒ぎするのであろう。



今回、都教委を訴えた方たちは教職員である。

戦前戦後を通して教職にあった方たちの経験を聞くと、教え子に軍国思想を吹き込んで戦地に送り出し、送り出した教え子たちの戦死の報に接し、教え子を死地に送り出した自分自身は戦後コロッと立場を変えて民主主義を唱導するようになったことに苦しんだ・・・と語る方がいる。

自分が送り出した多くの教え子たちが実際に死んでいったのだ。ソレは辛いにちがいない。戦地に直接赴いた方たちよりある意味で、戦後は重かったかもしれない。

そのような方たちにとって、戦争中、学校という集団の場で繰り広げられた国旗・国歌をもちいた(戦意を高揚させる)愛国的な儀式やそれに対する宗教的な感情は忌避したいという気持ちが戦後ことのほか強くなったのかもしれない。

今回の訴訟も、ソノヨウな経験を引き継ぐ《教職》という立場にある方々ならではの特別な反応なのではあるまいかと思いもする。もう二度と先輩たちのように教え子を戦地に送るまいという願いがあるようにも思う。



国旗を破り棄てたり、国歌の斉唱を大声を上げて邪魔したりするのではなく、自分の思想信条に従って整然とその場に留まり敬意をもって式典を見守る態度をとるのであれば、それは許してしかるべきことのように思う。

この点で、他民族国家、宗教が複数ある国、いろいろな思想信条あるにもかかわらず平和に過ごしている国家のマイノリティーにたいする扱いかたを参考にできるのではないかと思う。

聖書に出てくる「バビロン捕囚」からユダヤ人を解放したペルシャの王キロス(2世)は、被征服民族に対して寛大な統治を行い。それゆえに「古代帝王の鏡」とされたと聞いている。(小学館:ニッポニカ)

アメリカは、徴兵すらソレナリの事情があれば拒否できたと聞いている。



思想信条良心が関係することがらを、上から一方的に押し付け、有無を言わせないで従わせよう、従わなければ処罰しようという都教委のソノ在り方自体がナニカ軍国主義時代の日本という国家を彷彿とさせることのように思われるのだが・・・

マイノリティーの思想信条良心を尊重できてこそ円熟した組織社会であるといえるようにも思うのだが・・・

こんなことで、ガタガタ騒いでいるところをみるとマダマダなのかなと思いもする。

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