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中国、重金属汚染の村:華井村 [ニュース・社会]

昨晩、ニュースステーションで、中国のこわいハナシをしていた。

湖北省・華井村という、たいへんうるわしい名前をもつ村での、水質汚染のハナシだ。

規準値をはるかに越える砒素、カドミウムが、処理されぬまま河川に流され、その水を利用している華井村で、ここ10年の間に100人ちかい癌死者を出しているという。

垂れ流しているのは、中国国営の精錬工場だという。 地元に多くの雇用を生み出している優良企業が、華井村の住民たちを苦しめている。


華井村の、ご家族の年収は4万円といったところらしい。

自分たちで栽培した野菜を食べて暮らしている。

ところが、食べると、かならず具合が悪くなるのだという。

「なぜ(汚染しているのがわかっているのに)食べるのか」という問いに、村の人は、「じゃあいったい何を食べればいいのか?!」と答えていた。


これから村の人たちは集団で、国営企業を訴えるのだそうである。

訴訟をおこすことができるほどに民主化が進んでいることをアピールするために中国側から報道許可が出たのではないかというハナシを、番組司会者らがしていた。


こんな報道を見聞きすると、中国の「後進」国ぶりをよく理解できる。

華やいだオリンピックというお祭りで、対外的に、国力を見せつけようとしている中国だが、日本が過去にたどった轍を、そのまま、忠実にたどっているようにもみえる。(まさに、後進している。)

ソノむかし、日本が、欧米列強と肩をならべ「一等国」とみなしてもらうために支払った涙ぐましい努力と、その陰で、足尾鉱毒事件その他の公害の悲惨をまき散らしてきたようなことを、今、中国は現在進行形でやっているということだ。

(もっとも、今の日本も同じようなものかもしれない。借金づけ財政で、数々の「難民」(ネットカフェ、出産、介護・・)を出しているにもかかわらず、対外的には、円借款の出血サービスをしているところなど、「似たり三太郎」であるともいえる。)

これもグローバル化という化け物に呑み込まれることの弊害ということか?

「一等国」的観点から見れば、年収4万の華井村はアワレに思えるかもしれないが、むかしのままの暮らしを保っている華井村の人たちの方がはるかにゆたかに暮らしているように当方には思える。(もちろん、水質汚染を除いてのハナシだ。)


世界標準のゆたかな暮らしを国家的規模で実現する陰で、諸国家は、たいせつなものを失ってきた。

その犠牲になるのは、きまって、弱者である。そして、弱者は、シッポのように切りすてられ、かえりみられない。

シッポも、まちがいなくカラダの一部のはずなのだが・・・
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