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凛としたたたずまい。小沢さんにも願いたい。 [ニュース・教育]

人物評伝を読んでいると気づかされるのだが・・

同じ言語を話す、同じ日本人でありながら、戦前の教育を受け、生きた人たちに、人種の違いをすら感じさせられるのだ。

「凛としている」「筋がとおっている」「バックボーンがある」という印象を強くするのだ。

 

その秘密は、戦前の《漢学》の影響にあるように思う。

 

南方熊楠―森羅万象を見つめた少年 最近読了した本(左記イメージ)に、南方熊楠(1867年誕生)の和歌山中学時代のことが出ていた。

そこに、浅井篤が漢文の教師であったと記されている。 

浅井篤は、地質学者小川啄治の父で、ノーベル賞受賞者である湯川秀樹や中国史学者貝塚茂樹の祖父にあたる。

 

旅人―ある物理学者の回想 湯川秀樹の自伝によると、祖父とふたり和机を挟んで向かい合い、『大学』を初テキストとして漢文を学んだことが記されている。

祖父は細棒を用いて『大学』の一文字一文字を指して読み方を教える。それに唱和しつつ漢文の素読を行なったそうである。

漢字の意味どころか読みもわからない幼少時、眠気で気の遠くなる思いをしつつ、時折、机をたたく棒の音で目を醒ましては素読を続けていったそうである。

(因みに、熊楠は明治19年(満19歳)、アメリカに留学するシティー・オブ・ペキン号で乗り合わせた中国人に筆談で、中国では経書(儒教の教科書)の勉強はどの本から始めるかと尋ね「第一に『孝経』、第二に『大学』」という答えを得ている。)

 

原田種成著「漢文のすすめ 」(新潮選書)という本がある。

この本は、明治44年生まれの著者が、漢文とどのように係わってきたかという自伝的内容の濃いものであるが、戦前の教育がどのようなものであったか示唆に富む書籍である。

著者のことばとして書籍の帯に次のように記されている。

「日本人の精神生活や倫理観を培ったものは『論語』『孟子』などの古典である。しかし、戦後、漢文教育を軽視したため、日本人の倫理観が薄くなり、国語も乱れるようになった。昔の学者は漢文で論じ、漢詩によって心情を吐露した。わたしは漢文こそ真の日本の古典であると思う。漢文力が欠如していると思想や歴史の資料を正確に読解できず、間違った研究が横行する。今こそ漢文教育を復活振興する必要がある。」

本文中こんな一節がある。著者が漢文を好きになった理由について記されている部分だ。

「結局、無理な説明になるが、漢文は声を出して読んで歯切れがよく、論旨が明解なことが好きになった理由の一つのようである。国語の古文はグニャグニャして頭も尻尾もはっきりしないところが多い。まして『源氏物語』は誨淫(みだらなことを教える)書といって良家では子女に読ませなかったようである。そういう時代があった。それが、戦後になってから、高等学校の教科書に、堂々と載せられるようになっている。」

 

最近「右翼の放火」や「ネット右翼」について耳にするので「右翼の巨頭」といわれる頭山満(1855年誕生)の本を図書館で借りたのだが・・・

頭山満言志録 「俺の子供の時分」と題した章がある。(以下抜粋) 

「七つの時に、親父や兄なぞと一緒に、水土(水戸)烈士の講談を聞きに行った。水戸の浪士が、桜田門外で井伊大老を討つ講談で、非常に面白かった。家に帰って丁度聞いた通り一字一句も違はさずやった処が、親父なども驚いて居った。

好きな書物はよく読んだ。記憶力は良かった様じゃ。十二三位までは殆ど我儘一点張りで、人の物は我物、我物は我物と云った風じゃった。

十四の時に『論語』を読みよったら、子曰く『道に志して悪衣悪食を恥ずる者は、未だ与に議するに足らず』とか云うことが書いてあった。これはひどく頭に響いた。

それから我儘をがらりやめた。自分の物も人にくれるように決めた。悪衣悪食宗に宗旨代えした。それ迄は甘い物でも、家内中のを一人で取上げて食うという風じゃったが、一切反対にやることにした。」

 

夢野久作が「頭山満先生」という文章をしたためている。(上記イメージ書籍所収)頭山が通った高場塾について次のように書いている。

「この高場乱(おさむ)という変わり者のお婆さんの漢学の講義は天下一品の勇気にみちみちたもので、聞いているうちに日本魂と西洋魂の違いがハッキリとわかってくる。天子様のため・・・国家のためには命も何もいらないという、男らしい立派な魂が、身体中に満ち満ちてくるので、たった十人ばかりしかいない塾生の意気込みは一人一人天地を一呑みするくらい、盛んなものになってきた。」

 

南方、湯川、原田、頭山という人々を例にあげたが・・

なんとなく戦前の教育的雰囲気や漢学の影響が理解できるのではないかと思う。

 

突然ハナシは変わる。

昨日の民社党代表に再選された小沢一郎さんのことだ。ソノ記者会見の模様が放映されていた。

ハナシの内容はドウアレ、ソノはなし方はひどいものに思えた。質問に対して答えていたが、まわりくどくて何を言いたいのかよくワカラナイ。モゴモゴぼそぼそ、口の中にナンカ入ってるんじゃないかと思えるほどの非常に歯切れの悪い応答であった。

無投票で再選されたというがダイジョウブかと余計な心配をしたくなった。

漢文の素読でも受講するとイイのかななどと勝手なことを思ったりもした・・・机を細棒でバンと叩いてもらいながら・・・

 

#少年をその行くべき道にしたがって育てあげよ。彼は年老いても、それから離れないであろう。(新世界訳)

若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いても、それから離れない。(中型聖書 新改訳

子をその道に従いて教えよ さらば その老いたる時もこれを離れじ(旧新約聖書―文語訳

以上、箴言22章6節の引用。


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