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日本人は「反社」がお好き(飛田東山との関係で)

ふたたび『唐獅子牡丹』のモデルとなった飛田東山のお話。

昭和残侠伝 唐獅子牡丹 [DVD]

昭和残侠伝 唐獅子牡丹 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: DVD



飛田東山に関して、驚嘆すべき話がある。太平洋戦争末期、本土決戦になって天皇に何かあった時の国体護持のため、「皇太子殿下(現・上皇)を養子に迎えてはくれないか」と軍部(ヨシズミ中将)から依頼されたという。そのことは下記書籍の帯にも記されている。依頼自体おどろくべきことであるし、依頼した相手は、元はといえば乞食の仲間から身を起こし、刺青を彫った人間である。これもまた、驚くべきことである。それにしても、東山はたいへんな信頼を受けたものである。

昭和史の隠れたドン―唐獅子牡丹・飛田東山

昭和史の隠れたドン―唐獅子牡丹・飛田東山

  • 作者: 西まさる
  • 出版社/メーカー: 新葉館出版
  • 発売日: 2020/09/01
  • メディア: 単行本



そのことは、以下の動画の34分58秒~に詳しく話されている。

【裏歴史公開】昭和の傑物!飛田東山の足跡をたどるトークディスカッション
https://www.youtube.com/watch?v=kGNrHyAQAy0


本日の当該ブログ・タイトルを「日本人は「反社」がお好き」などとしたが、実際のところ、そう言っていいのではあるまいか。テレビやらインターネットやらの隆興で、振るわなくなった映画界を引っ張った二人の役者を思い浮かべれば、それが分かる。一人は高倉健であり、もう一人は渥美清である。どちらも代表作で演じたのはヤクザでありテキヤであり、いわば「反社」である。

追悼 高倉健さんの富山刑務所での講演が涙を誘います
https://www.youtube.com/watch?v=Dq9YYPqCYm8

渥美清さん 当時の訃報
https://www.youtube.com/watch?v=M-8VlxGLpR8

もっとも、ヤクザ、テキヤは表向きの話で、健さんや寅さんが人々の心をつかみ好評価されたのは、その生き方においてであろう。義理・人情に厚く生き、かっこよく言えば「任侠」。まさに「弱きを助け、強きをくじく」である。

任侠(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%BB%E4%BE%A0

系列としては、「遠山の金さん」もその路線だろう。江戸町奉行の遠山金四郎は「ちょいとヤクザ」ということになっている。金さんは、今でいえば裁判所判事である。公務員である。そういう立場にありながら、スーツを脱いだら素肌には刺青が彫ってある。その表と裏の落差はスゴイし、そのありえないところがまた、人気を生むのだろう。

ちなみに遠山の金さん、遠山金四郎景元は実在の人物であり、江戸町奉行であったのは事実である。しかし、その桜吹雪の入れ墨に関しては諸説あり確証する文献はない(と「ウィキペディア」にある)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E5%B1%B1%E6%99%AF%E5%85%83

飛田東山に関していえば、刺青を入れていたのは事実である。その全身画像も見ることができる。しかし、上記書籍・表紙の写真を見るとメガネをかけた知的な笑顔の老人である。とても「反社」には見えない。


高倉健・飛田東山 「あなた」と「鴉根の丘」
https://handakk.com/blog/%E9%AB%98%E5%80%89%E5%81%A5%E3%83%BB%E9%A3%9B%E7%94%B0%E6%9D%B1%E5%B1%B1%E3%80%80%E3%80%8C%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E9%B4%89%E6%A0%B9%E3%81%AE%E4%B8%98%E3%80%8D/

中村梅之助「遠山の金さん捕物帳」主題歌
https://www.youtube.com/watch?v=Qs0VwcOu_QE


遠山の金さん~さくら判官~ [VHS]

遠山の金さん~さくら判官~ [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1995/10/21
  • メディア: VHS




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