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ゴッホも漱石も、ある意味「成れの果て」

先日、ゴッホの『夜のカフェテラス』について書いた関係で、Wikipediaのゴッホの項をみた。

フィンセント・ファン・ゴッホ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「人生、即(=)ドラマ 」である。疾風怒濤、シュトルム・ウント・ドランクというやつである。周囲の人たちもたいへんだったろうが、なによりも自分自身に振り回されるゴッホ自身がたいへんであったろう。

ドラマには名だたる人たちも登場する。ゴーギャンにいたっては一緒に暮らしたというのだから驚きである。感情の浮き沈みの激しい人たちだから、それもまたドラマになる。

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絵描きとして名を成したが、それは、死んで後の話である。ゴッホが絵を描いていた期間は10年に満たないという。しかし、残した作品は2000点。二日に1枚くらい描いた勘定になるという。

天才画家ゴッホの名画「夜のカフェテラス」を模写してみた!【後編】
中島健太チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=gknnIAsLfaE
12:20~

Wikipediaには、次のようにある。<約10年の活動期間の間に、油絵約860点、水彩画約150点、素描約1030点、版画約10点を残し、手紙に描き込んだスケッチ約130点も合わせると、2,100枚以上の作品を残した[6]。有名な作品の多くは最後の2年間(アルル時代以降)に制作された油絵である>。


ゴッホは、本来、キリスト教の伝道師になることを願っていた。しかし、純粋に過ぎて、教会から排除されてしまう。挫折したゴッホは絵描きを目指す。考えようによっては、牧師のなりそこない、成れの果てが歴史に名を成す絵描きゴッホということになる。

10年と聞いて、当方は夏目漱石の作家人生を思い浮かべた。職業作家として活動したのはほぼ10年である。漱石も、本来であれば東京帝国大学文学部名誉教授で終わるところが、どういうわけか売文を業とするようになってしまった。作家の社会的評価は今日のように高くはなかった。

そういう人生を見ていくと、もうなるようにしかならないという感じである。それでも、純粋にその時々を「一所懸命」に生きていると、行き着くところに行けるのだろう。


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