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映画『阿部一族』(1938)を見る [ドラマ]

森鴎外原作の映画『阿部一族』(1938)を見る。

阿部一族
https://www.youtube.com/watch?v=mp_5f9Wl4bQ

どこまで原作に忠実かわからない。当方は、原作を読んでいない。

おなじ切腹をあつかった『堺事件』を読んですごいなあと思った記憶がある。明治天皇崩御後、友人の乃木希典の殉死にショックを受けて鴎外が書いたという論評があったように思う。近代国家に切腹はないだろうと近代の最先端をヨーロッパに見て帰った鴎外は思ったにちがいない。

本作を見て思うのは、殿様の「よきにはからえ」の悪影響である。上に立つ人間の責任の丸投げは悪しき結果をうむ。

宮本武蔵が登場する設定になっている。時代背景からいって武蔵が居ても不思議ではない。しかし、原作にあるだろうか。創作ではないか。武蔵が阿部一族からの仲介を依頼された際、手向けた言葉は、次のようなものだ。。

だいしいちばん だいかつげんせい

禅語のようである。当方ははじめて聞いた。ネットで調べると、「大死一番 大活現成」と表記するらしい。 

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ といった意味か・・・。



阿部一族 他二篇 (岩波文庫)

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  • 作者: 森 鷗外
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/01/22
  • メディア: Kindle版



大塩平八郎・堺事件 (岩波文庫)

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  • 作者: 森 鴎外
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2020/11/03
  • メディア: 文庫