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街中でキツネ→もらい乳→政木狐

街の中といっても深夜であるし、当方の住む地はいわゆるトカイナカ(都会+田舎)であるので、さほど驚かれないかもしれない。なにしろ、加賀市のショッピングセンターにたてこもったクマのニュースが、本日でている。

石川・加賀市の駅前商業施設にクマ侵入、まだ中に?
2020/10/19 12:50 (2020/10/19 14:24更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65164370Z11C20A0000000/


ところが、他のひとにキツネを見たといっても信じてくれない。住宅密集地ではあるし、住民感覚としてとても居そうに思えないのだろう。当方も、見て驚いたのだから、それは、分かる。

もっと田舎での話だが、当方は野生のキツネを何度も見ている。そのエサをあさる通路を予測して先回りしニラメッコをしたこともある。それで、見間違えることはないと思っている。昨今、野良犬などは絶えて見ないし、猫の大きさをはるかに越えている。尻尾がながくて、横顔はまさにキツネであった。50メートル以上はなれていたと思うが、道路をふっ飛んで横切っていった。


話は変わるが、NHKラジオを聞いていたら、「もらい乳」の話をしていた。むかしは、母乳の出のかんばしくない母親は、よく出る方の乳をもらって子育てをしたという。実際にそうして育てられた方は昭和ヒトケタ世代くらいまでで、そのようにして子育てしたというのは、とうに100歳を超えているように思う。ラジオでの話は、母乳バンクの話題だったのだろうか・・。

乳つけ(読み)ちつけ
https://kotobank.jp/word/%E4%B9%B3%E3%81%A4%E3%81%91-1184829#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88


そんな話を聞いたり、キツネを見たりしたものだから、『南総里見八犬伝』にでている「もらい乳」の話を思い出した。伝奇小説の舞台は応仁の乱のころ。めのと(乳母)として働いた政木は実は雌狐だった。主人宅の縁の下に住まいした雌狐は、夫狐を失う。夫をなくし子どもを養う雌キツネを思って、主人の妻はやさしく食物を備える。その妻のやさしい気遣いへの恩返しとして、政木という乳母になり替わる。しかし、年を経て正体が発覚する。主人は、わが子がケダモノに育てられたことを恥辱として政木を追い出す。ずっと後年、その乳で養われた子と政木との再会が描かれる。めのとであった政木に、このたびは処刑されるところを救われる。・・・

むかし貴人は、めのとの世話になったという。そして、同じ乳を吸った者は「乳兄弟」として特別な関係になったことが「ウィキペディア」に示されている。

乳母(うば、めのと)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E6%AF%8D


「ああ、政木狐(まさきぎつね)のはなしは、岩波の八犬伝の7巻目に出ていたな」と思って、引き出して見ると、ちゃんと出ている。八犬伝はすでに全巻を2度読んでいるものの、予測がアタルとは嬉しい。

これを機に、ふたたび読むことにした。初めからではなく政木狐からである。このたび、「部分的に読み返すという方法もある」と思ったしだいである。

今日は「古典の日」。『南総里見八犬伝』の2度目を読みつつ 
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2013-11-01-1

南総里見八犬伝 全10冊 (岩波文庫)

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  • 作者: 曲亭 馬琴
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