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サンマとクジラ

サンマを、まだこの秋、食していない。高いことを聞いているから、スーパーに行っても鮮魚のコーナーには行かない。回遊魚のサンマを回避している。

当方はサンマ漁のさかんな土地で子ども時代を過ごした。親が言うには、サンマは買うものではなかった。(知人に船主がいた関係もあるが)、サンマは大きなカゴでもらうものだった。街なかを走るトラックはサンマをバラ積みしていたから、舗装の良くなかった時代、道路にはよくサンマが落ちていた。山道を走るトラクターからホウレンソウが落ちるのと同じだろう。だから、高いお金を出してまで買うものではない気がする。

サンマの不漁の原因はいろいろあるようだが、以下のニュースなど見聞きすると、クジラが増えすぎているのも一つの原因ではないかと思う。

タスマニア島で270頭のクジラが座礁し90頭が死亡。「これほど大量の座礁は例がない」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2%E5%B3%B6%E3%81%A7270%E9%A0%AD%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%81%8C%E5%BA%A7%E7%A4%81%E3%81%9790%E9%A0%AD%E3%81%8C%E6%AD%BB%E4%BA%A1-%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BB%E3%81%A9%E5%A4%A7%E9%87%8F%E3%81%AE%E5%BA%A7%E7%A4%81%E3%81%AF%E4%BE%8B%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84/ar-BB19hjWK?ocid=msedgntp

だいぶ前に、『白いインパラ』という本を読んだ。そこでアフリカ象の間引きについて記されていた。ゾウが増えすぎて、問題が生じ、それを回避するための措置だったと思う。意図的にゾウを駆除する話が出ていた。

白いインパラ (1970年) (動物文学シリーズ)

白いインパラ (1970年) (動物文学シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/09/22
  • メディア: -



「間引く」「駆除」などというと聞こえがイイが、要するに殺処分するわけである。殺すことになるから、印象はよくない。日本の仏教的価値観からいくなら「殺生」である。仏教的価値観ならずとも、捕鯨に反対する声が世界的にあるのは、殺すことへの抵抗感からきているのだろう。

しかし、「捕鯨反対」などと言う、その同じ口で、ウシやブタやヒツジを(「殺す」に代わるいろいろな表現があるのも、抵抗感の表れだろうが)「潰(ツブ)して」食し、ウマいウマいと世界中で言っているのも事実で、人間とはいい気なものである。

現在の日本におけるシカの食害はたいへん深刻になっていると聞く。尾瀬などでも、困っているという。先だって林道にちかい山道(県道)を走っていたらシカの群れが前を横切った。数えると7頭いた。シカの増える原因として、オオカミがいなくなったことが言われる。捕食動物がいないのでシカの天下になっているわけだ。シカ猟をしていた猟師も高齢になり、引退する。亡くなる。それで、ますますシカが増える。自治体によっては、狩猟免許を取得して害獣駆除を勧めているような話も聞く。

クジラもおなじように、間引いたほうがイイのではないかと感じる。間引けば、クジラ肉も手に入る。それで、サンマも増えるならば、一石二鳥である。

捕鯨によって得られる鯨肉は、戦後の日本の貴重なタンパク源だった。捕鯨も一大産業だった。飢えた日本人のはらを満たした。今でも、クジラの大和煮の缶詰を懐かしく思う方は多くいるのではないだろうか。ニッポンの腹を満たすくらいだから、クジラは多くいたのだろう。

いまどれくらいの数のクジラがいるのだろう。調査捕鯨を行っているのだから、シロナガスクジラ、マッコウクジラ、ザトウクジラ、などなどのおおよその頭数を調べあげているのだろうか。科学的に生態系、他の生物種との関連で研究調査をしているのだろうか。食物連鎖でサンマの間接的、直接的捕食者とクジラはなっているのだろうか。

なんとなく「調査捕鯨」と聞くと、「調査」を名目に、実は商業捕鯨をしているだけにも思えるが、その辺のところはどうなのだろうか。

いずれにしろ、ある種のクジラが「座礁するくらい」いるのは(上記ニュースからいって)事実のようである。

5億匹のイワシ、捕食者の舞 | ナショジオ
https://www.youtube.com/watch?v=Vf9M6tNatNA

以下、当方未読

捕鯨問題の歴史社会学―近現代日本におけるクジラと人間

捕鯨問題の歴史社会学―近現代日本におけるクジラと人間

  • 作者: 渡邊 洋之
  • 出版社/メーカー: 東信堂
  • 発売日: 2020/09/22
  • メディア: 単行本


鯨肉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AF%A8%E8%82%89

第二次世界大戦後の食糧難時代以降になると、流通保存技術の進歩もあって限られた流通圏を越え、日本中に鯨肉食が広まった。鯨カツ、鯨ステーキ、鯨カレーなどの鯨肉料理の大半は、牛肉や豚肉の入手が困難だった時代に、鯨肉を代用獣肉という位置づけの食材として使ったものである。戦後しばらくは、鯨肉は魚肉練り物製品とともに安価な代用肉の代名詞であり、日本人の重要なたんぱく質源として食生活の中で重要な位置を占めた。このため牛肉が値下がりし、鮮魚が安値を取り戻した1950年頃には鯨肉がだぶつき始め、大洋漁業の冷凍庫には93万貫(1貫=3.75kg)以上のストック(約三億円相当)が貯まった。会社側は販路開拓を行い、台湾に缶詰として輸出することに成功している[6]。

その後も生産量は大きく伸び1958年には13万8千トン、ピークの1962年には22万6千トンであった。戦後を生き抜いた人々の間では「鯨肉=代用=安物」といった偏見・嫌悪感もある一方で、当時へのノスタルジーを惹起する食材でもある。

特に鯨の竜田揚げは、戦後の学校給食を代表するメニューとして語られる。

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