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司馬遼太郎のホームドクターの本から

司馬遼太郎から「私のホームドクター」といつも言われ、遺作となった『濃尾三州記』のなかでも「鶴田先生」「鶴田博士」と記されているという方の著作を、図書館の除籍本として手に入れた。


「忘れない」技術「記憶する」コツ

「忘れない」技術「記憶する」コツ

  • 作者: 鶴田 光敏
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2001/09
  • メディア: 単行本



そこに、司馬遼太郎の読書法など記されている。以下に引用してみる。(#・・は、当方のコメント)

*では、司馬先生は何に没頭しておられたのでしょうか。/ それは、「この国のあり方」ないしは「この国をどうするか?」という壮大なテーマであり、寝ても覚めても没頭しておられたのです。/ 何でもいいのです。何かに没頭することが、脳を鍛え、記憶力を保持する秘訣なのです。p23 #「没頭」=忘我状態、三昧境、長期集中?

*みどり夫人がおっしゃいます。/ 司馬さんは、お茶を飲んでいるときでも、夜、突然目を覚ましたときでも、いつも“日本はこのままでは滅びる!何とかしなければ・・・”が口ぐせでした」 / と。この『志』が、司馬先生の頭脳をフル回転させていたのです。/ 頭脳を休ませたり、衰えさせたりしている暇はなかったのです。脳生理学の立場からいえば、これが頭を衰えさせない秘訣なのです。/ 先生は、講演では「21世紀への知的挑戦」と題して話され、子供たちへは、「21世紀に生きる君たちへ」と題する文章で、励まし続けられました。/ 何かの『志』を持つこと。志をなくしたとき、脳は急に衰えるのです。p25” #司馬夫人が、夫の「口ぐせ」について、「(始終聞かされて)滅入りますよ・・」と言うのを聞いたことがある・・


*主人公はいつも“凛とした背骨を持つ人物”でした。/ そして、先生ご自身も、この“凛”とした姿勢をくずしておられませんでした。/ 取材に出られる前には、前日にいくら疲れておれらても凛とした正姿勢で「さぁ、行きましょうか」と言われました。72歳という年齢でありながら、老いや頭脳力の低下を周りにいる私たちにまったく感じさせなかったのです。

**(このあと、人体力学、人体の中心点である丹田に力を集約し、動作の際に全身が一つになって働くようすすめる、そして、「偉人の頭脳力と私たちと大差はありません。ただ、この正姿勢という「条件」を持ち得るかいなかが、別れ道になる」と述べる)p27 #身体意識、高岡英夫のいう“脱力統一体”を想起させる言葉だ・・


*吉田松陰は“ほめの達人”そのことを著者は、司馬から聞く。作家の五木寛之は、意識的に自分で自分をほめ、脳を活性化している、という。脳を老いさせない最高の方法は「何でもいいのです。ことあるごとに自分の言動を“ほめる”こと。p33

**(松陰は、①近所の洟たれ小僧に対しても最大の敬語を使って話した ② 年下の者にも、横柄な口をきかず、終始やさしく語りかけた ③ 目の前の人間を常に「最高の人物」としておだて上げた ④ 必ず証拠が残るように、書き物を記し、それを相手に与えた。それも一行詩的に短く、最高のほめ言葉を使って書いた。p30) #松陰が他者に対してした接し方を自分自身にせよ、ということか・・


*(メラトニンに関する専門書を渡した翌朝、「医者の私ですら読み飛ばしていた内容のことを次々と述べられ、一夜にして、メラトニンの知識を修得されておられ」「これが国民的大作家で72歳の“天才脳”というものか!と驚嘆) #同様の証言を、作家の井上ひさし 、「街道をゆく」の編集者もしていた・・

しかし、それにしても早い。何しろ、一晩です。私は恐る恐るうかがいました。/ 「先生は、今話題の速読法か何かおやりなのですか?」/ すると先生は、/ 「わたしはそんなものはやらん。要所要所をしっかりと読解するんだ。ここがポイントだという箇所に集中するんだ。そうすると自ずから、その部分が頭に入ってくる」 / これは司馬先生独自の『ポイント読書法』です。不要な部分は飛ばし、重要部分を瞬時に見分け、その部分に集中する。そしてそこを精読する。すると、必要なことだけが頭に残るのです。この方法は今日からでも活用できる読書法といえます。p37 

**********

本書『はじめに』において、著者は次のように記す。《本書では、まさにこの「条件」と「環境づくり」をテーマにしたいと思います。なぜなら、これさえ整えば、私たちでも司馬作品のすばらしい主人公なみの活躍ができるからです。/ そして、この方法さえ身につければ、生涯『最高脳』で生きていけるのです。/ 司馬先生はこれまで“偉人”“天才”と呼ばれた人々を次々と題材にして、私たちに「平凡な普通の人間でも、大丈夫!」「偉人伝説に執らわれてはいけない!」「諦めてはいけない!」と訴え続けてこられたのです。p5

(中略)

また、司馬先生は、“記憶術”というテクニックにも大変興味をお持ちで、『胡蝶の夢』のなかに、悪魔のような恐るべき記憶術を駆使して「記憶の達人」となり、大活躍した島倉伊之助のことを書いておられます。/ 伊之助は6ヶ国語を自由に操って医学・物理・化学まで修得してしまった天才です。/ 記憶術については、第3章で・・・p7》 #平凡な人も超人(と見做される方)もおなじ人間であることには変わりない・・


究極の身体 (講談社+α文庫)

究極の身体 (講談社+α文庫)

  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/20
  • メディア: 文庫



センター・体軸・正中線―自分の中の天才を呼びさます

センター・体軸・正中線―自分の中の天才を呼びさます

  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 単行本



丹田・肚・スタマック―自分の中の天才を呼びさます

丹田・肚・スタマック―自分の中の天才を呼びさます

  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本



上丹田・中丹田・下丹田―自分の中の天才を呼びさます

上丹田・中丹田・下丹田―自分の中の天才を呼びさます

  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本



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