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平和憲法施行後の日本人「戦没(死)者」のこと

日経新聞(’15・9・4 p35)に、以下の見出し。

機雷掃海 隠された「戦死」
朝鮮戦争、海保が後方支援


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朝鮮戦争が50年に始まると、半島周辺海域の機雷に手を焼いた米軍は、日本に掃海支援を求めてきた。既に現憲法は施行されており、9条に抵触する可能性もあったが、占領下の日本政府は極秘裡に海保の掃海艇30隻以上で「特別掃海隊」を編成。

50年10月17日午後3時過ぎ、砲弾飛び交う北朝鮮・元山沖の北緯39度付近。掃海中だったMS14号は突然、轟音とともに水しぶきの中に姿を消した。

犠牲となったのは、ただ一人船内にいた中谷坂太郎(当時21歳)さん。

約1週間後、家族の元に米軍将校がやってきた。「公になると国際問題になりかねない。補償はする。瀬戸内海で死亡したことにしてほしい」。将校は「戦死」を口外しないよう強く迫った。(略)掃海業務による死亡は約30年後、事件当時の海保長官が自身の著書で明らかにしたことから公となり、坂太郎さんは戦没者として公式認定された。


折しも国会で進む安保法制の見直し議論では、集団的自衛権の行使例として中東・ホルムズ海峡での機雷掃海が取り沙汰されている。坂太郎さんの兄(中谷藤一さん・88歳)は、

「特別掃海隊は米国に頼まれて海外の戦場で掃海作業をした。国会で議論されている状況と全く同じだ」という。

「機雷掃海でも戦死者は出る。もし安保法制を見直すなら、国民全体が納得できる議論をしてほしい。それが弟の死を意味あるものにする方法だ」。

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事件当時の日本国の内閣総理大臣兼外務大臣は吉田茂。海保長官は大久保武雄のもよう。


『日本特別掃海隊』(wikipediaから)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8E%83%E6%B5%B7%E9%9A%8A

大久保武雄
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E6%AD%A6%E9%9B%84



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