“12月8日”を知る初学者向きの本 [本・書評]
今日(12月14日)は、ナンの日か?、と、尋ねても若い人はわかるまい。「赤穂浪士 討ち入りの日」ということになっているのだが・・・、江戸時代の話である。ならば、まあ仕方もあるまい。
なにせ、きょうび、1941年12月8日は、ナンの日?と、尋ねても若い人は答えられないらしいから、仕方のナイはなしである。
1941年12月8日は、真珠湾攻撃で、アメリカとの戦争を開始した日なのだ。
アメリカとどこの国が??
日本が!!
という具合に、アメリカと日本が戦争をした過去のあることをすら知らない大学生もいるという恐るべき話も聞く。「歴史教育にモンダイがある」なによりの証拠である。というより、日本史の時間を割愛して、その他の学科に振り向けてきた進学校の話もきくから、まあ、受験競争による弊害の方が大きかったということなのかもしれない・・・。
で、ま、そういう歴史的な日について、学んでみたいと思うとき、初学者向けのオススメの本を、〈昭和の戦争についてもっとも知る人のひとり〉と立花隆の言う、漱石を義祖父にもつ半藤一利の推薦本を紹介する。
(次の画像は、半藤自身の近著で、対談のお相手は半藤同様の昭和通である保阪正康。ただし、ソノ「推薦本」ではありません。)
毎日新聞・今週の本棚(12/8)の「この3冊」に紹介されていたのだが、うち1冊だけをここでは取り上げる。
なぜ、1冊だけかというと、当然ながら当方の思い入れがあるからである。
『真珠湾メモリアル 現場で見た日本軍の第一撃』
という本なのだが、その作者が 徳岡孝夫 なのである。
三島由紀夫から、死の現場となった、自衛隊市ヶ谷駐屯地に出向くように依頼され、実際に出向き、かつて「東京裁判」が開かれた建物のバルコニーにおいて「激」を飛ばす三島を怒号のなかに見つめた人物である。
その辺のいきさつは、『五衰の人』という徳岡の著作にまとめられてある。当方、思うに、三島の人を(あるいは、将来を)見る目は確かだったな・・と、思うのである。
ここのところ、「ライシャワー自伝」を読んでいるが、徳岡はその翻訳者でもある。
三島が、自分の死後の光芒を見越して、徳岡もふくめた布置(コンステレーション)をかたちづくったようにも思えるのである
徳岡自身がそのような意識をもってきたかどうかは知らないが、それでも、やはり、戦後について特別な意識を持たざるをえなくなったのはまちがいない。そうでなかったら徳岡は阿呆であろうし、三島の目は、節穴だったことになる。
しかし、徳岡が成してきた仕事を見ると、やはり、三島の目は確かだったなと、当方は思うのである。
・・と、書いたが、当方の思い入れなど、実のところどうでもイイ。ただの勘違いかもしれない・・・
徳岡のソノ著作についての、半藤の言葉を以下に引用する。
**********
徳岡さんは元毎日新聞記者、現地取材をして生々しい証言をもとにアメリカ側からの真珠湾攻撃の意味を描ききっている。日本側ではすっかり風化しきっているが、真珠湾体験はアメリカ側では風化していない。原爆体験が日本で語り継がれているよに、真珠湾もまた語り継がれている。今後の日米関係を考える意味でも、一読されるとよいであろう。
(半藤おススメの他の著作は、以下の2冊)
なにせ、きょうび、1941年12月8日は、ナンの日?と、尋ねても若い人は答えられないらしいから、仕方のナイはなしである。
1941年12月8日は、真珠湾攻撃で、アメリカとの戦争を開始した日なのだ。
アメリカとどこの国が??
日本が!!
という具合に、アメリカと日本が戦争をした過去のあることをすら知らない大学生もいるという恐るべき話も聞く。「歴史教育にモンダイがある」なによりの証拠である。というより、日本史の時間を割愛して、その他の学科に振り向けてきた進学校の話もきくから、まあ、受験競争による弊害の方が大きかったということなのかもしれない・・・。
で、ま、そういう歴史的な日について、学んでみたいと思うとき、初学者向けのオススメの本を、〈昭和の戦争についてもっとも知る人のひとり〉と立花隆の言う、漱石を義祖父にもつ半藤一利の推薦本を紹介する。
(次の画像は、半藤自身の近著で、対談のお相手は半藤同様の昭和通である保阪正康。ただし、ソノ「推薦本」ではありません。)
毎日新聞・今週の本棚(12/8)の「この3冊」に紹介されていたのだが、うち1冊だけをここでは取り上げる。
なぜ、1冊だけかというと、当然ながら当方の思い入れがあるからである。
『真珠湾メモリアル 現場で見た日本軍の第一撃』
という本なのだが、その作者が 徳岡孝夫 なのである。
三島由紀夫から、死の現場となった、自衛隊市ヶ谷駐屯地に出向くように依頼され、実際に出向き、かつて「東京裁判」が開かれた建物のバルコニーにおいて「激」を飛ばす三島を怒号のなかに見つめた人物である。
その辺のいきさつは、『五衰の人』という徳岡の著作にまとめられてある。当方、思うに、三島の人を(あるいは、将来を)見る目は確かだったな・・と、思うのである。
ここのところ、「ライシャワー自伝」を読んでいるが、徳岡はその翻訳者でもある。
三島が、自分の死後の光芒を見越して、徳岡もふくめた布置(コンステレーション)をかたちづくったようにも思えるのである
徳岡自身がそのような意識をもってきたかどうかは知らないが、それでも、やはり、戦後について特別な意識を持たざるをえなくなったのはまちがいない。そうでなかったら徳岡は阿呆であろうし、三島の目は、節穴だったことになる。
しかし、徳岡が成してきた仕事を見ると、やはり、三島の目は確かだったなと、当方は思うのである。
・・と、書いたが、当方の思い入れなど、実のところどうでもイイ。ただの勘違いかもしれない・・・
徳岡のソノ著作についての、半藤の言葉を以下に引用する。
**********
徳岡さんは元毎日新聞記者、現地取材をして生々しい証言をもとにアメリカ側からの真珠湾攻撃の意味を描ききっている。日本側ではすっかり風化しきっているが、真珠湾体験はアメリカ側では風化していない。原爆体験が日本で語り継がれているよに、真珠湾もまた語り継がれている。今後の日米関係を考える意味でも、一読されるとよいであろう。
(半藤おススメの他の著作は、以下の2冊)
真珠湾までの365日―真珠湾攻撃 その背景と謀略 (光人社NF文庫)
- 作者: 実松 譲
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 1995/07
- メディア: 文庫
検証・真珠湾の謎と真実 - ルーズベルトは知っていたか (中公文庫)
- 作者: 秦 郁彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/11/22
- メディア: 文庫