『漢籍解題事典』(明治書院) [読んでみたい本]
毎日新聞・書評欄(6・16)に、
明治書院は、新釈漢文大系シリーズ(全120巻)の別巻として、『漢籍解題事典』(内山和也著・9450円)を刊行した。多くの日本文化に影響を与えてきた漢籍について、その内容や版本・注釈書の種類などを解説したものが『漢籍解題』である。同種の事典では、同社の『漢籍解題』(桂胡邨著)以来108年ぶりの刊行。711作品を収録、選者・編者名索引など検索も便利になった。
と、あるのを見て、手元に置いておきたくなった。
ところが、アマゾンのブックレビューをみると、ナルホドと思える批判の言葉が購入者(やんばるくいな氏)から上げられている。
ひとことで言えば、「日本の読者にとって、こうもツカイモノにならない本を作ってよくも恥ずかしくないな!」といった論調である。
「新釈漢文大系という、初学者がよってたち、研究者のハンドブックとしても使われることがある叢書の掉尾を飾るこの巻がなぜこうも使えない本になってしまったのか、非常に残念である」
さらには、
「本来編集に当たるはずであった長沢(規矩也)氏も泉下で嘆いていることであろう。猛省されたし。 」とまで、書かれてある。
その辺を踏まえた上で、利用していくという方法もあるだろうが、くいな氏のあげた批判が、たとえやんばるの森から上げられた小さな声にすぎないとしても、それが道理にかなっているものであれば、即刻改訂するのが出版社の良心というものだろうと思うが、いかがなものだろう。