「毎日」の3世紀 新聞が見つめた激流130年 [本・書評]
「毎日新聞社」の社史である。
と、同時に、「現存する日刊新聞でもっとも古い」新聞の歴史でもある。
1872年~2002年までの130年が扱われている。
はじめに、江戸時代、福地桜痴のことが取り上げられる。
長崎出島の閉鎖社会にいながらオランダのカピタンは、世界からのさまざまな情報を知っている。
福地少年は、それが不思議でならない。ある時、彼は師に尋ねる「先生、カピタンは出島にいながら、どうしてそれらを知ることができるのですか」
師は答える。「西洋諸国にはニーウエスと唱え毎日刊行して自国はもちろん他の外国の時事を知らしむる紙ありカピタンはそのニーウエスを読んで・・・」
「ニーウエス」はNEWS。オランダ商館長が、居ながらにして自分の国や外国のことを知り得るのは、新聞による・・
というようなことが記されてある。
定価の記載がないのは、社内の人間やOBにでも配ったのであろう。
立派な造本で、いい紙を使っている。安かったので、上・下・別巻3冊買ってしまった。