上野千鶴子の最終講義(『文学界』9月号) [本・書評]
『文学界』掲載の上野千鶴子最終講義を図書館で閲覧してきた。
東北の震災のために、予定していた講義内容は、多少変更されたようだが、かえって、これまで取り組んできたフェミニズムとの関係で原発の問題も論じられ興味深い論考となっている。
男どもがつくりあげ、価値規範を基本的に定めている社会のなかで、しかも、タチの悪いことに昨今では「男女共同参画」という美名のもと、「女にも居場所を与えてやろう」などという男どもの隠蔽された傲慢な態度がチラツク世にあって、出産や介護によって本質的に弱者となりうる女(主婦)に立場と居所を堂々と勝ち取ろうとしたソノ闘いは、まったくの「おひとりさま」の闘いではないにしろ、ほんとにタイヘンだったろうとつくづく感じた。
手元に掲載誌がないので、細かい点は、ご覧いただくしかないのだが、当方が、実際、最終講義のなされるその場に居たなら、その見事な闘いぶりにこころ打たれ、思わず立ち上がり、拍手していたように思う。
東北の震災のために、予定していた講義内容は、多少変更されたようだが、かえって、これまで取り組んできたフェミニズムとの関係で原発の問題も論じられ興味深い論考となっている。
男どもがつくりあげ、価値規範を基本的に定めている社会のなかで、しかも、タチの悪いことに昨今では「男女共同参画」という美名のもと、「女にも居場所を与えてやろう」などという男どもの隠蔽された傲慢な態度がチラツク世にあって、出産や介護によって本質的に弱者となりうる女(主婦)に立場と居所を堂々と勝ち取ろうとしたソノ闘いは、まったくの「おひとりさま」の闘いではないにしろ、ほんとにタイヘンだったろうとつくづく感じた。
手元に掲載誌がないので、細かい点は、ご覧いただくしかないのだが、当方が、実際、最終講義のなされるその場に居たなら、その見事な闘いぶりにこころ打たれ、思わず立ち上がり、拍手していたように思う。
家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平 (岩波現代文庫)
- 作者: 上野 千鶴子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/05/15
- メディア: 文庫