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「無縁社会」は終ったのか [ニュース・世相]

3・11以前、「無縁社会」が大きく社会問題化されていた。毎年の自殺者数が30000を超える日本に、血の通った人と人とのキズナの復興が必要であるかのように報じられてもいた。

3・11以降、東北の巨大地震・津波による被害を見聞きして、多くの人が同情を寄せるだけでなく、ボランティアに出向き、多額の義捐金が呼びかけに応じ寄せられてもきた。

「無縁社会」は3・11を機に、徐々に終息し終焉をむかえるであろうか?

そうであると良いのだが、実際にはそのようにはならないと思う。被災地の方たちは、徐々に忘れられていくことを怖れているが、結局のところ、今寄せられている同情の波は、被害の大きさを映像をとおし見聞きした面々のかもし出した一時的なムードに終るように思える。

実際そうでないと良いのであるが、かんたんに言えば、心にうったえる情感あふれる映画をみているときのムードに今あるのであろうと思う。映画が終わり、照明が点灯し、周囲の席やそこをしめる面々の顔が見え、一場の夢が終ると、隣席の客の二の腕が鬱陶しく思えるという寂しさに立ち戻るように思われる。

今日、3・11から3ヶ月経過したということで発表された死者数・行方不明者数の合計は毎年の自殺者数30000人に及ばない。及ぼうが及ぶまいが、個々の死はいたまれるべきで、そのご家族の痛みに同情を禁じえないが、これまで、毎年、今回の地震・津波の死者数よりも多くの被害者が人知れずひとりひとりと数を加えついには30000を超えてきていたのである。しかし、どれほどの同情や気遣いが示されてきただろうか。どれほどの援助が自死者の遺族に示されてきただろうか。

キズナが本物であるかどうかが試されるのはこれからということになるのだろう。

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朋友はいづれの時にも愛す 兄弟は危難の時のために生る(文語訳聖書)

真の友はどんな時にも愛しつづけるものであり、苦難のときのために生まれた兄弟である(新世界訳聖書)

友はどんなときにも愛するものだ。兄弟は苦しみを分け合うために生まれる(新改訳聖書)

どのようなときにも、友を愛すれば 苦難のときの兄弟が生まれる(新共同訳聖書)

以上、箴言17章17節から


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